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永久我慢の狂想曲 CASE:浅川静菜9 


 朝食の席で溜息ばかりの静菜を見かねて、母親は眉を潜める。
「どうしたの? 食欲ないの?」
「う、うん……ちょっと……」
 重い唇を動かして答える静菜。
 実際に気分は最悪に近かった。普段からは及びもつかない、途方もないと形容してもいいような尿意に一晩中、下半身を責めなぶられ続けてほとんど眠れていないのだ。明け方にうとうととまどろんだ他にはずっと意識を張り詰めて寝返りを繰り返していたか、こっそり起きて軽い『おトイレ』をしていたかで、普通に徹夜したのとほとんど変わらない。
 事実、鏡を見てもはっきりわかるほど、静菜の表情には疲労が濃かった。
 一晩を経て、限界のはずの膀胱にさらに見境なく注がれ続けたオシッコは、ずしりと起き抜けの少女の下腹部を圧迫する。
(う、ぅ、ま、また辛くなってきちゃった……)
 食卓の前でオシッコを我慢し腰を揺するのは、静菜にはとても許容できない、はしたない格好だ。けれどオシッコ我慢の百戦錬磨の静菜でさえも、もうそのレベルでコントロールできるほど容易い我慢ではなくなってきている。こっそりと上げた足のかかとで、片方だけ胡坐をかくようにしてそっと、オシッコの出口を押さえる。
「ん、ぅんっ……」
 小さな声と共に身体を揺する静菜に、母親はますます怪訝な顔になる。
 ほんとうは、横になっていたほうが我慢そのものは楽なのだ。オシッコの重みを、膀胱の出口でダイレクトに受け止める姿勢はかえって静菜を激しい尿意に晒すことになる。まして何かに腰掛けるという姿勢は、洋式便器に座っているのと理論上は同じ姿勢だ。
 眠れぬままに、けれど部屋を出ることもできず、何度かベッドに身を起こし腰掛けて繰り返した『おトイレ』のせいで、この格好がオシッコを塞き止めるための姿勢であるということを、静菜の下半身が覚えてしまっている。
(あぁああ……だめ、また『おトイレ』したくなっちゃう……ごはん食べなきゃいけないのに、ま、また『おトイレ』したく、なっちゃう……ふ、普通に座ってる、だけなのにっ……)
 ぽこりとせり出した静菜の下腹部は、いつもと違うベルトの穴を使わなければならないほどはっきりと目立っていた。制服の上からそのことを悟らせないようにするため、静菜は普段着慣れないジャージの下を膝まで負って穿いている。これも少しでも下半身を冷やさないようにという工夫でもあった。
「……嫌ねぇ、風邪でもひいたの? おなか出して寝てたんじゃない?」
「んぅっ……!」
 身を乗り出して額を触る母親の手のひらに、静菜は反射的に身体を縮めた。もう、場所に構わずどこかに触れられるだけでも尿意が加速するのだ。
「熱は……ないみたいね」
「ね、ねえ、お母さん……」
「気分、悪いの?」
「う、ううん……ね、寝不足で……。あの、今日、学校お休みしたい……」
 静菜は、本心を押し隠して悲痛に叫ぶ。
 今日、家にいればトイレの修理が終わってすぐに静菜はトイレを使うことができる。いや、そうでなくても家に残っていれば、トイレの故障が直っていなくてもオシッコをすることができるのだ。
 一分一秒でも早く『おトイレ』ではなく本当のトイレでオシッコをしたい静菜にとって、何よりも切実な願いだった。
 しかし、その思いは母親に届くことはない。
「はあ。もう、だからあんなに夜遅く出かけちゃだめって言ったじゃないの……」
「う、うん……」
 呆れたような嘆息。
 当然のことだった。静菜が昨日の朝から一度もトイレに行っておらず、今なおオシッコを我慢し続けていることなど、母親にはまったく想像の埒外だ。
「熱、ないんでしょ? ちょっと具合悪いくらいなら平気よ。月曜日なんだし、風邪じゃないんだからちょっとくらい具合悪いくらいで休んだりしちゃダメよ。……ね?」
「え、で、でもっ」
(そ、そうじゃなくて、オシッコ……と、トイレ、行きたいの……。『おトイレ』じゃなくて、ちゃんとオシッコできる、本当のトイレに……)
 学校に行ってしまえば、静菜は家のトイレから引き離されてしまう。少なくとも、放課後になる4時、5時まではオシッコができない。そう考えての、少女の悲痛な訴えだった。
「お、お母さん、あの……」
「……ほら、食べられないなら牛乳くらい飲みなさい」
 恥ずかしさのなか、小さく抗弁しようとした静菜を遮り、そう言うと、母親はてきぱきと静菜の朝食にラップをかけて片付けてしまった。今日はなにやら用事があるらしく、母親も静菜と同じくらいに家を出るという。ぐずぐずしている暇はないのだった。
 テーブルの上にはグラスになみなみと注がれた牛乳が残る。
 いつもなら苦もなく飲み干せる量だが、いまやおなかの中に途方もない量の恥ずかしい液体を溜め込んでいる静菜にとって、今は少しでも水分の摂取は避けるべきだった。
 ……べき、だったのだ。
「どうしたの? それくらい飲まないと元気でないわよ」
「うん……」
 確かに言われて見れば、喉がカラカラだった。一晩じゅう続いた我慢は、なおも多くの水分を静菜の身体から搾り取り、オシッコに変え、同時に静菜の体力をごっそり奪い去っている。
 静菜は意を決してグラスを掴むと、震える手をごまかすように唇に運ぶ。
(んっ、んんっ、んうゥっ……)
 ごくりと静菜の喉が震えるたび、一口ごとに、冷たい感触が食堂を通り抜け、胃の奥へと流れ落ちてゆく。空腹のおなかに流れ込むよく冷えた牛乳は、まるで飲み込むたびに直接膀胱の奥に流れこんでゆくような錯覚さえ覚えさせた。
 コップの中身をひとくち飲み干すたびに、静菜の下腹部がびくびくとひきつり、猛烈な尿意の呼び水となって下半身を暴れるようだ。深く沈みこみ、恥骨の上のダムにたまってゆくオシッコの原料の存在感を、静菜は身体で感じていた。
 ぞわっと背中を掻きなぞる刺激をぐっと堪え、深呼吸を繰り返して我慢する。
「ん、んぐっ……んぅぅ……んう、っは……」
 とうとうコップいっぱい全てを飲み尽くし、静菜は大きく息を吐いた。
 けれど確かに、疲れ切っていた身体に朝のミルクはささやかな活力を与えてくれた。空腹感はないが本当はおなかもすいているはずだし、喉だって確かに渇いている。
(……ちょ、ちょっとだけ、楽になったかも……)
 そっとおなかを撫で、飲んだ分のミルクが我慢を続けている膀胱を刺激しないよう、念入りに気を使ってから、何度かこっそりと深呼吸。
 飲み込んだコップ一杯の水分が、やがてゆっくりと身体の中に納まるのを感じながら、静菜はおもむろに席を立った。
「ごちそうさま……」
「ちゃんと歯を磨きなさいよ」
「うん……」
「あ、あと、お手洗いだけど」
「――――ッッ!?」
 不意に飛び出した『トイレ』の単語に、静菜は飛び上がらないようにするので精一杯だった。母親はテーブルの片づけをしながら、静菜に背を向けたまま先を続ける。
「お隣の借りてもいいけど、できれば向こうのおうちに迷惑かからないようにね。さっき寝惚けちゃってたみたいだけど、我慢しないでちゃんと行きなさい」
「う……うん」
 そうやって頷くので精一杯。
 どうやら、朝のことは静菜がトイレの故障のことを忘れていた、ということになっているようだった。こうなると母親がいる限り、家のトイレに入れるとは思えなかった。とはいえ、母親の出勤を待っていたら学校に間に合わない。どう考えても今朝の静菜が、いつもよりも身軽に登校できるとは思えない。
 隣のトイレを借りようにも、まさかきちんと身支度もせずに気軽に入っていくわけにもいかないだろう。
 そして、今の状況でそれをすれば、おそらく自分が我を忘れて隣のトイレを占領して『おトイレ』に熱中し、登校時間を過ぎてしまうだろう事に、静菜はなんとなく予想がついていた。
 なにしろ臨時的な自分の部屋での朝の『おトイレ』ですら、20分近く続いてしまったのだ。ちゃんとした設備の整った場所での『おトイレ』となると、その誘惑にはとても抗えそうにない。
(私、『おトイレ』のことしか考えてない……最低だ……っ)
 いったん波が引いたのか、下腹部はわずかに余裕を取り戻してはいたものの、依然、危機的な状況は予断を許さない。
 洗面台に立つ静菜はちらりとシャワールームを見、次に洗面台を見つめる。
 それから静菜の視線はしまってある洗面器、水枕、コップ、台所の流し、ボウル、おなべ、フライパン、ペットボトル、計量カップと映ってゆく。いまや、水に関係ある何もかもが静菜にとっての抗いがたい誘惑だった。
(……トイレ……がまん、しなきゃ……)
 あと何時間、この苦痛に耐え続けなければいけないのだろう。
 静菜にとって地獄の、トイレのない世界の二日目が幕を開ける。
 オシッコに行きたくて家に帰ってきた夕方から、ゆうに12時間以上をすぎてなお、永久我慢の終わりは見えない。
「いってきます……」
 普段の倍近く時間をかけてもそもそと身支度を終え、ずしりと重い下腹部を抱えながら、カバンを背負って、静菜は母親よりも先に家を出た。
 いつもは軽々と駆け下りてゆく大通りの坂が、今日は途方もなく長く、きつく感じる。下り坂はそれだけ激しく少女の下腹部をゆさぶり、オシッコの詰まった膀胱をたぷたぷと刺激するのだ。慎重に歩みを進めながら、静菜は長い長い坂を下っていった。
(んぅ……っ)
 一歩を進むごとに、おなかの中のオシッコが出口に進んでゆくような、そんな錯覚すらやってくる。
 だが、静菜に安住の地はないのだ。たった一つしかないトイレがあとかたもなく消え失せてしまったこの世界で、静菜はただじっとオシッコの誘惑に耐え続けるだけだった。
 そんな静菜を待ち構えている学校での出来事を、静菜はまだ知る由もない。

[ 2008/09/28 21:22 ] 永久我慢 | トラックバック(-) | コメント(-)

永久我慢の狂想曲 CASE:浅川静菜8 

 明け方の空が白み始め、薄日が住宅街の隙間にちらほらと曙光をのぞかせてゆく。普段ならばまだ分厚いカーテンの内側で眠りの中にあるはずの少女は、沸き上がるオシッコの津波を堪えるために、薄いまどろみの中でなお戦い続けていた。
(………ッ、う~~~っ……!!)
「っは、っく……」
 もぞり、と寝返りを打つ静菜の首筋には、じわりと汗がにじんでいる。息を詰めてはわずかに身体を硬直させてそっと深呼吸をし、ベッドの上を落ち着きなく動き回る。
 タオルケットの下で脚がせわしなく動き、ぐりぐりとねじり合わされ、時折びくっと縮こまる。
 両手はしっかりとタオルケットの下でパジャマの上から股間を押さえ、緩急をつけながら脚の付け根をぎゅ、ぎゅっ、と握り締めていた。両手を余すところなく使って、ぱんぱんに膨らんだ膀胱を抱え込むような有様だ。
(…うぅう~~~……ッッ!!)
 声にならない苦悶を上げながら、少女は際限なく打ち寄せてくる尿意の波を押さえ込もうと呻く。両手で押さえたままの股間をベッドに押し付け、枕を軽く噛んでは熱い吐息をこぼす。
 ほとんど徹夜に近い状態のせいで、静菜の頭は眠気に支配され朦朧と霞んでいる。半分夢の中のようなまどろみに包まれながら、静菜は思うように我慢をすることもできないもどかしさに悶絶していた。
 ベッドの中での緩慢な前押さえや身体のよじりでは、効果的にオシッコを押さえ込むことも叶わず、『おトイレ』のような一時的な効果すらも与えられない。
 いや、すでに静菜の排泄器官は本来我慢できるようなレベルを超越してオシッコを溜め込んでいるのだ。……およそ、30数時間分のオシッコが、静菜の身体は猛烈な尿意を訴えている。もはやこれ以上の我慢は不可能に近い状況と感じられた。
(うく、はぅぅっ……う、ぅ、あ~~ッ……!!)
 閉じられた目の上で、眉が切なげによじられ、ぐっとくちびるが引き結ばれる。浅い眠りの中の無意識の動作が静菜の苦しみをはっきりと知らせていた。
 股間を、握り締めた手のひらごとベッドに擦り付け、くねくねと腰をもじつかせる。不恰好に突き出されたお尻は左右に揺すられ、まるでたぽんたぽんと擬音を響かせるようだ。静菜の強靭なオシッコタンクですらも、一晩という時間を経過によって許容量の限界を迎えていた。
(っは、くぅ、んうううっ……)
 手のひらに押さえつけられた下腹部は、圧迫と開放を繰り返されながらわずかに膨らんで見えるほどだ。横になり、仰向けになり、うつ伏せになり、1分と同じ体勢を続けられない静菜は、ベッドの上で身体をのたうたせていた。
 めくれあがったパジャマの袖や裾からは白い肌が露になり、二つ外れたボタンの内側からは、大胆に胸元がのぞいている。うっすらと汗の浮かぶ少女の肢体は、なまめかしく蠢き、まるで陣痛に苦しむ妊婦のようですらあった。
(うく……っは、はぁっ、は、ふぅっっ)
 ラマーズ法にも似た呼吸で、体内に抱え込んだものをなだめる静菜。ぎゅうっと前を押さえる手のひらはもどかしくもせわしなく股間を押さえ、複雑な動作で脚の付け根をなぞる。
(はぁ、はっ、ぁあああっ!!)
 びく!! と突き上がったお尻がクネり、さらに大きくベッドの上に持ち上がった。
 静菜は苦悶に顔を歪ませながら、うつ伏せになってシーツにぐりぐりと顔を押し付けた。ベッドの上を掻いた腕が枕を引っつかみ、無意識のうちに胸元へ引き寄せる。まるで――夜の夢の中で、拙くも自慰の果てに達したかのよう。
(っ、あ、ぅ、あっ)
 握り締めた枕をそのまま脚の間に押し付けて、少女の腰が震えだした。
 静菜の両足は躊躇わず大きな枕をぐっと股間に挟み、その感触に縋るように脚の付け根が強く閉じあわされる。
 まどろみの中で、静菜はついに――尿意からの解放の手段を見つけ出したのだ。
 枕の感触に安堵を得たように、ぎゅうっと締め付けられた内腿がぶるぶると震える。まるで解放を許されたオシッコが、そのまま枕へと吹き付けられ、染み込んでいくかのように。
(あ、あ、っ、あっ、ぉ……『おトイレ』ぇ……っ)
 最適なガマンの体勢を見出した静菜の身体は、意識のないまま『おトイレ』を始めていた。せり出していたおなかがぎゅうっと引き絞られ、身体の奥に膀胱が押し込まれ、限界ぎりぎりに達していた危険水域がまたいくらか上限を追加されて余裕を取り戻す。
 この期に及んでも、静菜の身体は一滴たりとてオシッコを漏らすことはなかった。わずかなおチビリもないまま、尿意をかたく飲み込んで、見事に静菜のオシッコは少女自身のおなかの中へと注ぎ込まれてゆく。
 少女の四肢が静かに脱力し、安堵に委ねられた。
 そうしてようやく、静菜の意識はまどろみの外に浮かび上がってゆく。






「んぅっ……!?」
 目が開いた途端、引きかけていた尿意の波が爆発的に膨れ上がった。
 自分のとっていた姿勢を自覚して、静菜は跳ね起きた。覚醒する意識と共に、きゅうっと下腹部が激しく震えてしまう。おとなしく下腹部の中に納まろうとしていた膀胱が、再び暴れ出した。
 静菜はたった今まで、夢の中に出てきた公園のトイレで、『おトイレ』をしていたところだったのだ。
「ふあぁああっ……っ!!」
(だ、だめ、今のは夢っ、……と、トイレじゃないから…、しちゃダメ、っ、ガマン、がまん…んん~~…ッ!!)
 猛烈な衝撃に静菜は思わず股間を握り締めた。すでに押さえ続けられた足の付け根は下着とパジャマに擦れて、わずかにひりひりと痛い。その些細な痛みもむず痒さになって、ますます尿意を加速させるのだ。
(ッ……しないの、オシッコっ……オシッコしないの、したくなんかないっ、オシッコなんか、どっかいっちゃえっ……!!)
 まるで、自分にはそんな器官はないとばかりの自己暗示。排泄という自然の摂理を真っ向から否定する、少女の健気な我慢。
 ぎゅっと身体を丸めたまま尿意がおとなしくなるのを念じながら、静菜はちらりと机の上の目覚ましを見る。
 現在時刻は、06:43。
 もう、起きる時間だった。
「はぁ……う……」
 苦しげな息の下で、静菜はゆっくりと、その事実を確認した。
 ぱんぱんに膨らんだ膀胱、酷使の果てにすっかり疲弊した括約筋。夢の中ですら、オシッコを許されない自分。
(……だめ、かも……っ)
 いくら否定しても、いくら違うと思っても、身体は執拗にそれを要求し続けている。これからその求めはさらにさらに激しくなる一方だろう。
 あと十時間以上これに耐え続けるのは、絶対に無理だった。このまま学校に行って、家に帰ってくるまでオシッコを我慢し続けるなんて、本当に気が狂ってしまうかもしれない。
(もう……っ……ちゃ、ちゃんとトイレしなきゃ……我慢できなくなっちゃうっ……!!)
 この際、壊れていようと関係なかった。
 水が流れてくれなかろう、汚れていようとなんだろうと、静菜がオシッコできるのは世界で唯一、この家のトイレだけなのだ。外のトイレでのオシッコができなかった以上、家のトイレを使うしかこの尿意から許されることはない。
(オシッコ出したいっ、オシッコしたい、オシッコ漏れちゃう、オシッコ出ちゃうっ……!!!)
 身体の全部が、ありったけの声で本当のオシッコを要求していた。
 『おトイレ』も、もう限界だった。きちんとしたオシッコのための場所で、本当のトイレで、半分でも、ちょっとだけでもいいからオシッコを出してしまわなければ、遠からず限界がやってくる。
「オシッコ……っ」
 破裂してしまいそうな尿意を抱え、静菜はベッドから身を起こした。信じられないほどおなかが重い。
 まるで、一番重い日の生理の時のようで――その気分の悪さにうんざりとしながらも、細心の注意を払って静菜は廊下に滑り出た。
(と、トイレ、トイレ……オシッコ、オシッコぉっ……)
 限界を超えた尿意を示す二つの単語だけを、ぐるぐると頭の中に浮かべながら、赤ちゃんのようにぎゅうぎゅうと前を押さえて静菜はよちよちと階段を下る。階段のすぐ横にトイレはある。故障が直っているわけではもちろんないだろうが、このさい、もうオシッコができれば何でもよかった。
(オシッコ……オシッコおしっこオシッコ……っ!!)
 思考も、言葉も、静菜の全部がなにもかも、『オシッコ』に支配されている。なんだか全身を膀胱にして尿意を受け止めている気分だった。今なら冗談抜きで、つつかれたらおなかが破裂してしまうに違いない。
 だが――心底間の悪いことに、静菜はまだ、オシッコを許されなかった。
(オシッコぉ……っ♪)
 階段を降りきった静菜が、最後のわずか3mの距離を這いずるようなへっぴり腰で、ふらふらとトイレのドアまで駆け寄り、歓喜と共にノブを握ったその瞬間。
 母親が肩越しに声をかけてきたのだ。
「あら、どうしたの? トイレ?」
「っ!? …え、あ、えっと……」
 猛烈な我慢の最中で、静菜は言葉を忘れていた。
 ぎゅうっとパジャマの前を押さえ、脚をもじつかせ、膝を擦り合わせる――我慢の仕草が押さえ込めない。鋼鉄の意志も、もはや脆く崩れていた。
「やあね、寝ぼけちゃって……だめよ、使えないんだから。そんなにトイレ行きたかったの?」
「あ……っ」
(や、やだっ、お母さんのイジワル……っ!!! が、我慢してるのにっ、昨日からずっと、オシッコしないでガマンしてるのに……っ!!!)
 まさに今、静菜はオシッコのできる場所の前に立っているのだ。それなのに、母親の声は無常にも、静菜にそれを許さない。
 母親にしてみれば、迂闊にも壊れたトイレを使おうとしてしまっている娘を案じた言葉だったが、それは静菜にとって事実上のトイレ禁止宣言だった。ドアを開けることを禁じられ、待望のトイレを目の前にしてきゅううう、と静菜の我慢が激しくなる。
(オシッコ、オシッコっ……すぐそこにトイレあるのにっ、トイレ、オシッコできるのにっ……!! やだぁ、イジワルしないで、トイレ行かせて……ぉ、オシッコ……させてよぉっ……!!)
 静菜の女の子の心は、必死になって溢れそうになる恥ずかしい液体をせき止め、恥骨の上の満水ダムを押さえ込む。
「どうしたの? そんなに我慢できないなら、お隣さんに貸して貰えばいいじゃない」
「ち、違っ……ちがう、のぉ……っ」
(オシッコじゃない、オシッコダメ、オシッコ出ちゃだめぇ!! っ、お母さんの前で、おもらしなんでダメェ……!!!)
 ドアノブを握ったまま、硬直し続ける静菜に、母親はきょとんと首を傾げる。
 静菜は、震える声で答えるのがやっとだ。なにしろ、もう身体のほうはオシッコをするつもりでいる。壊れていても、ぐちゃぐちゃに汚れていても構わないから、世界でたった一つのトイレに駆け込んでオシッコを出すつもりでいるのだ。少女の体は勝手に準備を始め、イケナイ感覚がきゅうっと股の間に降りてゆく。
 それを否定するので精一杯で、とてもではないが満足な受け答えができようはずもない。
「だ、だいじょうぶ、学校でするから……っ!!」
「そう? お隣さんも遠慮しなくていいって言ってくれてるから、無理しちゃダメよ」
「う、うんっ……でも、平気だから……!!」
(ま、間に合わないっ……!!! そんなとこまでもう間に合わないよぉっ!! だめ、だめだめぇえっ!!!)
 静菜はそう言い捨て、階段を一目散に駆け上がって部屋に戻った。
(っ、出ちゃう、出ちゃうっ、でちゃうううう!!!)
 震える手で後ろ手に鍵をかけ、パジャマの前をぎゅうううっと引っ張り上げる。
 それはちょうど、限界ぎりぎりでトイレに駆け込んだ少女が、最後の最後のプライドに縋って懸命にオシッコの準備を始めるのと同じ仕草だった。
「っは、はあっ……」
(や、やだっ、だめ、だめっ……)
 しかし、静菜が全力疾走で駆け込んだのは階段横のトイレではない。階段を駆け上がった先の自分の部屋だ。どうやっても、オシッコが許可をされるわけのない場所だ。
 便器の代わりにフローリングの真ん中で深々としゃがみこみ、静菜は必死になってそのまま『おトイレ』を始めた。
 弾けるほどの猛烈な尿意と、同時にきゅうっと絞られるオシッコの出口。
 パジャマの上からなりふり構わず、静菜は『おトイレ』をする。
 朝一番の『おトイレ』は、一晩中我慢し続けたオシッコを済ませるため、普段よりも数段激しいものとなった。フローリングの上でぎゅうぎゅうとねじられる下腹部と、オシッコの出口を激しく揉み上げる両の手のひら。猛烈な尿意を押さえ込むための儀式は、数分にわたって続く。
(ううぅ、だめ、トイレ、オシッコっ……ぁあああぅ……)
 オシッコの代わりに、『おトイレ』をして。
 静菜は、ありったけの力でトイレをガマンし続けた。

[ 2008/09/28 21:11 ] 永久我慢 | トラックバック(-) | コメント(-)

月壬月辰のススメ3 


「あはぁ……ぁああっ、あぅ、あっ、あああぁ……」
 耳までを赤く染め、顔を覆い、小さく唇を噛み締めて。
 びくびくと前後に腰を揺すりながら、少女の放水は止まらなかった。
 かなり濃い目の色のついた奔流は、皺の寄ったシーツの上に大きな水たまりを作ってなお激しく打ちつけられ、琥珀色の水面にじゃぼじゃぼと激しく波打ち、白い泡を掻きたててゆく。
 これほどの我慢になると、たとえ限界失禁になっても放水は一度で終わらない。酷使され続けてすっかり充血した排泄孔は熱く腫れぼったくなってしまい、パスタ一本が通るかどうかまで狭く細くなるのだ。肉の管は充血し疼いて、激しい水流を間断的に何度も吐き出す。
 鈍くはあるが圧倒的な尿意がいつまでも収まらず、何度も何度も熱い雫を弾けさせる。下半身は痺れ、腰が抜け、自分の意志とは無関係に、敏感になったあそこを貫くほどの刺激で排泄が続いてしまうのだ。
 長い時は、そのまま30分近くもオシッコが続くことを、私は経験として知っていた。
「ぁう……だ、だめ……止まらな……っ」
 ベッドの上にできたぬかるみに続けて叩き付けられ、泡を立ててゆく少女のおしっこ。
 長い期間で抽出され濃縮された、色も匂いも濃い琥珀色の液体が、少女の下半身をぐしゃぐしゃに汚してゆく。ぱちゃぱちゃと飛び散る飛沫は私の下半身まで濡らし、少女特有の匂いを際立たせていた。
 すでに少女の排泄器官は独立した生き物のように、溜めこんだ恥ずかしい熱湯を吐き出す、ぬめる肉の管に成り果てている。
「お、お姉さん……やだ……おしっこ止まらないのっ……やだ、やぁあ……わ、わたしのあそこ……おしっこ、でるところ……壊れちゃったよぅ……っ」
「ん……大丈夫。我慢しないで、力抜いて……。ほら、全部出しちゃっていいからね……」
「ぁ、あっ、あっ!!」
 私の言葉に反応するように、少女が腰を浮かせてがくがく震え、か細い悲鳴と共に背中を反らせる。
 敏感すぎるほど敏感になった排泄孔から、高らかに琥珀色の飛沫を吹き上げて、まるで金色の鎖が降り注ぐかのように放出が続く。
「ぁふぁ……」
 とろん、と蕩けた少女の腰が持ち上がり、びくびくと痙攣を繰り返した。いつまでも終わらない解放感は、女性が知るオーガズムと同じものだ。
 腰を浮かせながら口を半開きにして、わずかに唾液すらこぼし、少女は何度も何度も熱く濃いオシッコを吹き出す。そのたびに少女は快楽の頂きに押し上げられる。
 頼りない足元を確かめるかのように、ベッドにぐりぐりと押し付けられる少女の股間から、じゅぶじゅぶと熱い音がこぼれた。
「ふわぁ……ぁ……っ」
 またも少女の喘ぎの語尾が高く跳ね上がる。それは彼女がまた、快楽の頂きへと押し上げられたことを知らせていた。
 まるで禁じられた魔薬のように、排泄の快楽が少女を包んでゆく。既婚の女性でも、一度これを知ってしまえばふつうのありきたりなセックスなんてどうでもよくなってしまいだろう。
 これは、本当の最後の最後まで“月壬月辰”を遣り遂げたものにだけ許される、至高の瞬間。
 天井知らずの快楽。底知れぬ陶酔。私だって始めての経験のときは、凄すぎて気絶してしまったくらいだ。
「ぁあ、んぅ、っんむっ……」
「んぅ……ふ、ちゅ……」
 喘ぐ少女を見ているうち、私もたまらなくなって、強引に彼女にキスをしていた。
 重ねあった唇を深く交わらせながら、熱い雫を放ち続ける少女を押し付け、ベッドの上に押し倒す。
「ぁあ、あっ、あ…、や、ま、また……ヘンになっちゃう…っ!!」
 普通のセックスどころか、自慰だって十分に経験のないだろう少女には、あまりに強烈なインパクトだろう。
 私と肢体を絡めあったまま、焼けついてしまいそうな敏感な快楽神経を持て余し、少女は何度も何度も絶頂に達し、甘くか細い喘ぎを繰り返し、同時にその脚の付け根から激しくおしっこを撒き散らし続けた。





 いったい都合何リットルに及ぶ、途方もない量だったのだろう。
 少女のその小さな身体の中で抽出された天使の雫――それを惜しむことなく丹念に撒き散らしたシーツの上で、白い身体をずぶ濡れにし、彼女は物悲しげにおなかを撫でている。
「………おなか、からっぽになっちゃいました……」
 まだ、いくらか快感の余韻があるのだろう。どこかとろん、と蕩けた表情で時々小さく背筋を震わせながらも、彼女は目じりに涙を滲ませ、小さくつぶやく。
 歳相応の幼い身体を取り戻した少女は、長い長い排泄の衝撃と解放感、そして疼くような痛みに弱々しく身体を痙攣させていた。今もなお感じている鈍く甘い幸福感と、どこか身体の奥が抜け落ちたような虚脱感。
 それが、女性の1割も経験することの叶わない本当の性的絶頂の余韻だと、少女本人は恐らく知らないままに。
「頑張ったね……」
「はい……」
 そっと少女の身体を抱き寄せる。あまりにも激しい少女の排泄によって、もうお互いにずぶ濡れではあるものの、そんなものを気にすることはしない。最後の決壊の瞬間という、あまりにも神秘的で感動的な一瞬に揃って立ち合った二人だ。いまさら触れ合うことを嫌がる訳もないのだ。
 おなかの中の熱量をごっそりと失って、彼女の印象は酷く華奢でほっそりとしたものになっていた。肉付きも薄く、発育もあまりよろしくない小さな胸が、それでもほんのりと柔らかく私のおなかに触れる。
 色気とはほとんど無縁の幼児体系ではあったけれど、月壬月辰でおなかを膨らませていた時とのギャップは、かえってその魅力を引き立たせているようにも思えた。
「……ごめんなさい、…っく…なんだか、わ、分からないんですけど……っ ぐすっ」
「ん」
 よしよし、とぐずりだした少女の髪を撫でてやる。
 つまらない言い方をすれば、所詮、月壬月辰は排泄器官を擬似的な生殖器に見たて、妊娠の真似をするだけのものだ。いまの出来事だって、客観的に見ればただ少女がオシッコを我慢できなくなってオモラシしてしまった、それだけのことに過ぎない。
 けれど、たとえほんの一週間という短かな期間であっても、おなかを膨らませて自分と共にあったものが身体から抜け落ちることは――どうしようもないほどに大きな喪失感に繋がるのだ。
 これも、生命を宿しはぐくみ育てる女性ならではの感情なのかもしれない。想像妊娠なんて言葉があるように、私も、たぶん彼女も。その相手となる男性――異性のパートナーを忌避したまま、心のどこかで自分の遺伝子を繋ぐ生命をおなかのなかに宿すことに憧れているのだろうか。
 だとしたら、酷く歪んだ想像だ。あまり楽しい推論ではなかったので、私は首を振ってその思考を頭の中から追いだした。
「お姉さん――は、しないんですか?」
 いつの間にか、少女は私のおなかに手を沿えている。
 彼女ほどには及ばなくても、やっぱりその内側に抽出されたおしっこを蓄え、たっぷりとまあるく膨らんだ私のおなかを撫で、少女はどこか蕩けた色っぽい表情をあらわにしていた。
 困ったものだ。まだ2日目なのに――少女は、今度は私にその“最期”を見せろとねだっている。
「見たいの?」
「………っ」
 はっきりと聞いてみると、びくり、と身体を硬直させ――それでもごまかすことなく、少女は頷いたのだった。
「えっち、だねぇ」
「……うぅっ」
 そう言えば――
 こんなにも濃密な時間を一緒に過ごしておきながら、まだ名前も聞いていなかった。そのことに思い当たり、私は小さく舌を出して、告げる。
「見たいなら、まずは――お友達からはじめようか。また明日、一緒に遊んであげるから、それまで我慢。いい?」
「……は、はいっ」
「さて、じゃあ遅ればせながら、私はね……」
 ずぶ濡れのベッドの上、溢れるほどの雫に身体全体を浸し、私は自己紹介をはじめることにした。



(初出:書き下ろし)
[ 2008/09/27 19:31 ] 小ネタ | トラックバック(-) | コメント(-)

月壬月辰のススメ2 


「ふわぁ……」
 感嘆の声をこぼす少女は、顔の前を両手で覆いつつもその実しっかりと指の隙間からちらちらとこちらを覗いている。いちおう了解済みのこととは言え、こうもまじまじと見つめられると、さすがの私もいろいろと恥ずかしいものがあった。
 脱ぎかけのシャツで胸元を隠し、身体をよじって軽く口を尖らせる。
「あ、あのさ。あんまり、じっと見られると……」
「ごっごめんなさい!!」
 慌てて視線をそらす少女だが、それでもまだ『これ』への興味は尽きないようで、さりげなさを装いながら私のほう――正確には、下着をはちきれさせんばかりに膨らんだ私の下腹部へと視線を向けてきた。
「でも、おねーさん……すごいです……とっても綺麗で……」
 こくり、と息を飲みこんで、興味津々な視線を隠そうともせずに、少女はおずおずと訊いてきた。
「あの、……おねーさん、本当に今日で、二日目、なんですか……?」
「まあ、ね」
 とは言え、こうして誉められることそのものは悪い気はしない。
 スーツの下に押し隠していた私の腹部は、ベルトと拘束帯による戒めを解かれた今、はっきりと分かるくらいに膨らんでいる。赤ちゃんにたとえるならば丁度6ヶ月目程度。大きくせり出した下腹部はすでに下着の中には収まり切らず、ウェストは強制ローライズ状態だ。
 月壬月辰の2日目にしてはかなりのサイズであることは確かで、実はひそかな自慢だった。
「そんなにおっきくて――、ふっくらしてます。……わたしなんか、やっと4日でおなか、目立ってきたくらいなのに……」
 彼女はすっかり眼を輝かせ、私のおなかに視線を釘付けにしていた。自分のほうこそそれよりもずっとおおきなおなかを抱えておきながら、どうも私の月壬月辰にすっかり目を奪われているらしい。
「その、触って……いいですか?」
「い、いいわよ?」
 応じた声まで上擦っていた。取り繕っていた余裕もどこへやら、私はいつのまにかすっかり好奇心溢れる彼女の目差しに気圧され、リードを奪われてしまっていた。
 そっと、ガラス細工にでも触れるように慎重な手つきで彼女が私のおなかに手を乗せた。おっかなびっくりながらも、少女はウェストを締め付けていたベルトの跡に指を這わせてゆく。
「んぅ……っ」
「苦しかった……ですよね?」
 自然、声をこぼす私に、少女はつぶやいた。あるいは、ここにはいない架空の赤ちゃんに呼びかけたのかもしれない。
 少女の手のひらが触れた部分が、ジンと甘く痺れて疼いた。ちょうどお腹の真ん中に当たる線、オシッコの出口の真上をゆっくりと逆向きに撫で上げられて、仕事の間は務めて忘れようとしていた感覚が、急速に呼び覚まされてゆく。
(んぅっ……)
 むず痒いほどの尿意が、切なく甘酸っぱい誘惑になってつうっっと背中を這い登ってゆく。
 堪えきれずに腰を振り立ててしまい、私は小さく息を詰めてシーツを掴んだ。
「っは……、ぁ、あのさ、……も少し、やさしく……お願い」
「あ、す、すいませんっ!!」
 慌てて手をどける少女に、私は深呼吸とともに余裕を取り戻しながら小さく苦笑した。
 耳まで真っ赤になりつつも、彼女はあんなにも大胆に私のおなかを撫でまわしていたのだ。いまさら取り繕えると思っているのが初々しい。
「で、でも、2日目で……こんなに……?」
「働いてると時間とかそんなにないからね。いろいろ頑張るのよ」
 時間的な制約から、質より量、というのが残念ながら私の今の月壬月辰のスタイルである。仕事の日程の関係上どうしても週末の2日以上の時間をとることが難しい以上、私は月壬月辰を始める時は多少無茶をしてもおなかを十分に膨らませられるだけの水分を摂取するようにしていた。
 利尿作用の強いコーヒーや紅茶は、残業の多い今の職場では必須アイテムである。それだけの水分を継続的に摂取しながら、トイレを禁じる――うまく装えばそれはさして不自然なことでもなく、おかげで私は比較的うまく初期の状態を乗り越えて、月壬月辰をはじめることができた。
「ど、どれくらい、その……お水、飲んじゃうんですか?」
「……たぶん、キミが想像してるよりももっとたくさん、ね」
 ごくり、と少女が喉を鳴らして、頬を赤らめる。自分の抱えている大きなおなかを作るために、どれだけいっぱい水を採って、我慢を続けてきたのかを思い出したのだろう。
 わずかに潤んだ少女に擦り寄って、ふっくらとした頬にキスをした。
 そっと抱き寄せた小さな身体は、すでに興奮にいくらか汗ばんでいる。
「――キミのも、触ってもいい?」
「っ……」
「いい、わよね?」
「……はい……っ」
 念を押すようにもう一度耳元で囁くと、彼女は蚊の鳴くような声で小さく答えた。





 『そこ』を触るにあたって少女に要求したのは、私と同じように自分で脱いで見せてくれ、ということだった。
 さんざんためらい、焦らされながらもついには捲り上げられた“マタニティ”ドレスの下から、本当に赤ちゃんがおなかにいるかのように丸くふっくらと膨らんだ少女の下腹部があらわになる。
「……すごい、のね」
 思わず素直な感想を漏らすと、彼女は顔を真っ赤にして俯いてしまった。
 一種異様なほどに膨らんだおなかは、月壬月辰でももう後期も後期。本物の赤ちゃんにたとえれば臨月に近い状況である。今日明日にも出産予定日を控えて、その下準備として赤ちゃんがおなかのすぐそこ、大切なところの下の方まで降りてきているといったあたり。
 緊張で汗ばんだ少女の白い脚がベッドの上で小さく震え、“マタニティ”ドレスの下に篭っていた熱気が、ふぅわりと巻き上がる。
「っ……あ、あの、あんまり……見ないで……くだ、さいっ……」
「嫌。だって、こんな素敵なもの、滅多に見られないもの……」
 ほとんど目立たない産毛の覗く恥丘から、なだらかに盛り上がった白いおなか。
 真っ白い肌は絹のように滑らかで、無垢な乙女の瑞々しい柔らかさを保っている。男の手なんか一度も触れたこともないだろう穢れのない下腹部が、まさに産まれる寸前の赤ちゃんを孕んだようにふっくらと膨らんでいる様子は、途方もなく倒錯的だった。
 私も一応はこんな趣味をしている人間だ。同好の志である“月壬月辰”中の女性たちと、一晩を共にして楽しんだこともある。けれど、こんなにも美しい肢体を目の前にしたのは初めてだった。
「あ、あの……お姉さんっ」
 ほとんど魅入られるように、私はその身体に心奪われていた。
 一日が終わるたび、長い我慢で強張った括約筋を丁寧にほぐし、おなかをゆっくりとマッサージして、限界ギリギリの膀胱を少しずつ緩める。“月壬月辰”の基本中の基本でありながら、同時にもっとも難しいこと――きちんと水分を摂取しながら、膀胱の容積を膨らませ、慎重に慎重に拡張してきた結果の賜物だった。
 年端もいかない幼い少女が、本当に赤ちゃんを宿しているかのような、母性と無垢な未分化の性を同時に宿した、どこか歪な至高の美。
 自分のものではない、幼い少女の漂わせる官能的な匂いに、頭がくらくらとする。
「いい匂い、するね……」
「っ、やぁ……っ」
 思わず口を付いて出た言葉に、少女は過剰に反応する。
 たぶん、何度となく訪れた尿意の波に堪えきれずに漏れ出してしまった、おチビリの余韻なんかを気にしているのだろう。けれど、ほのかにミルクの匂いをさせる少女の首筋は、鼻先を寄せているだけで頭が痺れそうに甘い。
 このあまりにも魅惑的な光景を、いったいなんと評すればいいのだろう。
「もう、出ちゃいそう?」
「………っ」
 答えるもの辛そうに、少女は小さく頷いた。
 まだ未成熟な少女が、その無垢な純潔を保ったまま、たったひとりで無謀にも思える七日間の“月壬月辰”に挑み、母性の象徴たる妊婦の姿を築き上げたのだ。言い知れない興奮に胸が震える。
 見られることで改めて自分の状況を思い知り、少女はおなかの中で暴れ続ける尿意を自覚したようだった。
「や……だ、だめ、触っちゃ……」
 そっと下腹部を揉み込むと、石のように硬く張り詰めると同時、驚くほど弾力に跳んだきめ細かいなだらかな腹部の感触が返ってくる。大切な赤ちゃんを保護する卵膜と子宮、そして羊水。それらの代役を果たす強靭な膀胱とその内側に閉じ込められたおしっこが、少女をか弱く震えさせた。
 この状態では、もはや尿意を尿意として感じきれないのが普通だ。
 百回の我慢の上に二百回の我慢を重ね、限界を遥かに越えて溜め込まれたおしっこは、一日中休むことなく恥骨の上のダムや水門、はちきれそうに膨らんだ水風船といった排泄器官を蹂躙し、徹底的になぶり続ける。
 それは発情のような、生理の痛みのような、苦痛でもなく快楽でもない、言葉にできない切なさになって女という性の根幹を揺さぶってくる。
「ふぁ……ぁんっ」
 きっと、この感覚は赤ちゃんを宿すことのできる女性だけが感じられる歓びのようなものだと、私は実体験を通じて感じ取っていた。それと同じものをいま、私の目の前で年端もいかない少女が感じているのだ。鼓動が高鳴り収まるところを知らなかった。
 小さく前後に揺すられだした少女の脚の付け根から、膨らんだおなかの下に窮屈そうに張り付いている下着をそっとなぞる。
「っ、あ……っ!!」
 出口を刺激され、耐えられないというように、少女は腰を跳ねさせた。息を潜めてびくびくと下半身をねじり、ぎゅっと目を閉じる様はいっそう私の興奮を掻きたてる。
「あ、あの……や、やっぱり、もう……無理、ですっ……」
 1週間分のおしっこの重みに耐えかね、音を上げる少女。股間にぴったりと張りついた高分子吸収体から、すでに溢れだした滲みがぽた、ぽた、とこぼれ落ちている。
「ごめんなさいっ、お、お姉さんっ、せ、せっかく、そのっ……お、おうちまで、連れて来てくれたのにっ…」
 この期に及んで、私の満足を案じてくれる少女に、微笑ましいものを覚えた。擦り切れそうな下腹部を襲う衝撃でそれどころではないだろうに、彼女は私に遠慮をしているのだ。
「お願い……その、もうっ……」

 おトイレに、行かせて。

 はっきりと言葉にしたものでこそないけれど、分かりすぎるくらい分かりやすい、明確な懇願。意志表示。
 けれど、応じるわけにはいかなかった。
「ねえ、キミって……これ、はじめてなんだよね?」
「え……?」
 何のことかわからない、というように、潤んだ目を瞬かせる少女。
 私は彼女の頭をそっと抱え込むようにして、告げる。
「ここで、最後まで、しよう?」
 震える唇で、その告白を押し出す。
 正直に言えば、拒絶される可能性も十分にあった。同じように“月壬月辰”をたしなむ女性であっても、その最後をどのように迎えるかは様々だ。大きく膨らんだ腹部に満足し、最後にはトイレに駆け込む人も居れば、限界を迎えるまで断固続ける人もいる。
 そして私は、その最後の瞬間――つまりは“出産”を、見届けるのが好みの類の人間だった。
 だから、目の前で小さく喘ぐ少女にも、このまま我慢を解き放つことを要求したのだ。
「だ、だめ……だめですっ!!」
 どちらかというと、拒絶よりは羞恥の成分を多めに、少女が声を上げる。耐え切れない衝動に身体の内側から敏感な水門をノックされながら、そんなことするなんてとんでもない、といやいやをした。
「だめ、お姉さんの、ベッドっ……汚しちゃいますっ……」
「やだ。……キミが最後に我慢できなくなるところまで、ちゃんと見たいもの」
 ぎゅっと少女の身体を抱き寄せ、その耳たぶを優しく噛んでは囁く。すでに小刻みに震える少女が、私の介助なしでベッドを離れ、トイレまで歩いていく余裕はないはずだった。つまり、ここでの彼女の“最期”は、私の手に握られているに等しい。
「それがイヤなら、まだ続けるのかしら。でも君、このまま明日も明後日も我慢して、始業式に行くの? その格好のまま? おなか、こんなにおっきくしちゃって……なんて思われるかな?」
「ぁうっ……」
 びく、と背中を震わせる少女が、反射的に腕の中から逃れようとする。それを阻止して、なおも私は言葉責めを続けた。
「こんなだったら、制服着れないかもね。“マタニティ”のまま学校に行くの? ふふ、君がどこかの男の子とエッチしちゃって、赤ちゃんができちゃったって噂になっちゃうかな?」
「や、や、お姉さんっ、だめ、い、いじわる、しないで……」
 涙ぐむ少女の表情が、私の嗜虐心に火を着ける。このまま、食べてしまいたくなるほどの可憐な姿が目の前にあった。
「それとも、ひょっとしたら知ってる子いるかもね、『これ』のこと。そしたらどうする? 君がさ、一週間もオシッコを我慢し続けてる、とっても恥ずかしい女の子だって、学校じゅうに知られちゃうよ?」
 言うまでもないことだけれど――世間での実際の認知度はさておき、月壬月辰という行為は一般常識ではかなりのアブノーマルに位置する。その実用性はあるていど認識されて入るものの、さすがに快く受け入れるヒトばかりではない。
 まして、本来の用途である、赤ちゃんのできない夫婦が代償行為として行っているのとは訳が違う。女の子がたった一人で、おなかに赤ちゃんを孕む真似事を試みるというのは、彼女くらいの年齢では相当に倒錯しているだろう。
「ぅあああ……」
 顔を真っ赤にしていやいやをする少女の目元に浮かぶ、涙をそっと掬い取る。
「ね、だから、出して、いいよ?」
 その言葉が、まるでカチリ、と少女の水門のスイッチを捻るように響いたのを、私はしっかりと聞いていた。



(初出:書き下ろし)
[ 2008/09/27 19:29 ] 小ネタ | トラックバック(-) | コメント(-)

法廷に至る経緯。 

 『裁判風味な。』の前日譚。
 いちおうは選択肢式ですが、どれを選んでも結果はさして変わらずです。
 続きを読むでオチが読めますが、全部まとめて表示されます。




「っ……ふぅ…ッ」
 部屋に誰もいないのをいいことに、ユキの我慢の仕草は次第に大胆なものになっていた。ぴんと伸ばされた靴下の爪先はふかふかの絨毯を掻き回し、硬直と弛緩を繰り返す。
 膝上のスカートから伸びた白い膝が震えるようにぎゅっと寄せ合わされ、脚の付け根の隙間には手が挟みこまれて、直接下着の上から股間を押さえていた。
 尿意の波を乗り越えるためユキが身体を緊張させるのにあわせて、革張りのソファーがぎし、ぎしっ、と軋む。
「ぁ、はぅ……っ」
 唇をそっと噛んで声だけは押さえこみながら、断続的な波にひとつずつ抵抗してゆく。しかし、固く張り詰めた下腹部の中では、オシッコでぱんぱんに膨らんだ膀胱が一刻も早い尿意の解放を叫んでいるのだ。
 じんっ、と下着の股布に響く甘い痺れの誘惑に息を飲む。たとえいまはなんとか抗えていても、これは機械を相手にした際限のない綱引きのようなもので、いつかは疲れ果てたユキに限界がきてしまうのは明らかだ。
 じっとりと汗に滲んだ背中が、鈍く重い。
「はぁ……はぁ……っ」
 ぞわりっ、と背中を這い登った感覚をどうにか押さえこんで、尿意は波の合間にあるわずかな安定期を迎えた。いまだ緊張の続く下半身を庇いながらも、いくらか余裕のできた隙を狙ってユキは熱い吐息をこぼす。
(……どうしよう。もう、そんなに……もたない、かも)
 少女のプライドも、そろそろ我慢の限界が近いことを認めざるを得なかった。
 しかし、応接室は不慮の事態により密室と化している。閉ざされた錠前と嵌め殺しの窓に封じられて、ユキにこの部屋から抜けだす術はないのだ。
 それはつまり、ユキにはどうやってもこの爆発寸前の尿意を解放する場所がない、ということであった。
(もしかして、本当に、このまま……?)
 一向に開く気配のない扉を前に、ユキの脳裏を最悪の予想がよぎる。
 もしも本当に、誰にも気づかれないまま、ここで限界を迎えてしまったら――その想像はあまりにも残酷なものだった。
(い、嫌、そんなの……っ!!)
 しかし、一旦想像してしまえばそれはあまりにリアルな現実で、不可避の未来にも思える。
 いても経ってもいられない。これまではなんとか我慢してこれたが、このままいつまでも持つとはとても思えないのだ。
「んッ……」
 ユキは焦る気持ちのまま、下半身を庇って立ちあがる。片足だけに体重がかかり、じんっ、と膀胱が圧迫されて恥骨の下あたりをイケナイ感覚が走る。
 ぎゅっと目を閉じ甘い誘惑を堪えながら、ユキは慎重な足取りでドアへと向かった。
「あ、あのう、誰か、いませんかっ」
 これまで5回試して、5回とも開くことのなかったドア。ノブを回し、軽く握ったこぶしでドアを叩きながら、ユキは恥ずかしさをこらえて声を上げる。
「お願いします、誰か、ここ、開けてくださいっ……!!」
 控えめながらも切羽詰った声は、少女がどれほど逼迫しているかをはっきりと知らせるものとなっていた。事実、ドアを引きながらもユキの腰はちいさく左右に揺すられ、靴下の爪先は交互に持ち上げられてはぎゅっと寄せ合わせれている。
「すいません!! 誰か、いないんですか…!?」
 中腰のままわずかに突き出されたお尻が、くねくねと揺れる。
 乾いた喉に唾を流しこみ、ユキはかぁっと頬を染めながら自分の尿意を口にした。
「誰か……あの、わたし……お、……お手洗いにっ……!!」
 小さな女の子であるのならばともかく、思春期の少女にとって、トイレに関する台詞は、人前で口にするのをもっとも避けたい話題である。家の外で普通に口にすることすらためらわれるのに、よそのお屋敷で、しかも誰かに聞こえるように声をはり上げるのは、少女の人一倍繊細な羞恥心をおおいに刺激した。
 それに敏感に反応した尿意が、再度の活性化を始めてしまう。
「すみませんっ、本当に、お、お手洗い……行きたくて……ぁう……ッ」
 一旦は落ちついていた尿意の波が、再び少女の敏感な排泄孔へと迫る。膀胱がきゅぅと収縮し、膝が勝手に震えだしてしまう。押し寄せる尿意の波は一瞬で少女の下半身を飲み込み、荒々しく暴れまわる。
 いつしかユキの内股になった腿までが、細かな痙攣を始めていた。
「ぁくっ……だ、ダメぇ……ッ」
 ユキはたまらずドアノブにしがみ付き、もう一方の手をスカートの間に押しこんでぐっと押さえこむ。それでも飽き足らず、股間を握り締めるはしたない姿のまま、ユキの脚は力を失うままにゆっくりとしゃがみこみ始めてしまう。
「っ……ぅ、うっ、っく、ふぅ……っ」
(ガマン、ガマンしなきゃ……!!)
 より一層の危険な体勢が、おおいに少女の排泄欲求を刺激した。今にも溢れ出し、にじみ出てしまいそうなオシッコを堰きとめようと、ユキは立てた靴のかかとにぐいっとあそこを押し付け、はしたなく腰を揺すって堪える。
 漏らしてしまうわけにはいかない。
 ここは断じてトイレではない。汚してしまうどころか、みだりに触れる事すら許されないような、高価な調度品に彩られた部屋なのだ。もしもガマンしきれずにオシッコを漏らし、絨毯やソファーを汚してしまうようなkとおがあれば、どう考えてもユキのお小遣いで弁償が利くようなことにはならないのである。
「ッ……」
(だ、だめ!! ホントにもう、出ちゃう…ッ!!)
 しかし、少女の下腹部は、理性の制止を無視しすでにオシッコの準備を始めつつあった。じんじんと麻痺する股間では、すでにじゅ、じゅぅっ、とイケナイ水音が響き始めている。
「ぁああ……っ!!」
 立て続けに襲ってくるオシッコの誘惑が、制服の下でユキの下着を汚してゆく。
 スカートの上から指を立てて必死に股間をさすり、ユキはもはや自分の身体が我慢を続けられないことを悟った。
(だめ……我慢できない……っ!!)
 どうしよう。
 どうしよう。
 必死になった少女の視線が応接室を巡る。無論、こんな場所にトイレなどあるわけがない。だが、このままオシッコを出してしまうわけにはいかなかった。少女の意思を無視して、いまにも吹き出そうとしている熱い水流。いったん出始めてしまえば最後、もうそれを止めることは不可能なのだ。
 限界を迎えたユキが選んだのは――


1.花瓶
2.灰皿
3.植木鉢

[ 2008/09/27 19:21 ] 小ネタ | トラックバック(-) | コメント(-)
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