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社会見学バスの話・43 花藤涼子その3 


「そこのキミ、これを早く持ってって!!」
「せ、先生!!」 
 異状事態にようやく我に返り、運転手が声を上げる。指示を受けた前部座席の少女が、運転席のすぐ近くにあったポリ製のバケツを掴み、バスの中を走った。
 不安定な足場の中、彼女は蓉子のすぐ後ろにたどりつく。その頃には彼女の足先にちゃぷんと水がぶつかるほどに、涼子が溢れさせたオシッコは床を流れはじめていた。
 蓉子を押しのけるように差し出されたバケツを跨がされ、涼子はオシッコを始める。
 しかし、もはや彼女に下着を脱ぐ余裕もなく、スカートをまくることすらも叶わなかった。着衣のまま、トイレ代わりのバケツを跨いだだけだった。
 潔癖な彼女に良く似合う白のワンポイントの下着は、涼子の大事なところをしっかりと隠したまま――それでも股間の排水孔からはっきりとオシッコが噴き出す瞬間を見ることができた。白い下着がびっしょりと濡れ透けた女の子の大切な場所が、バケツの上を跨ぐと同時、猛烈な勢いで噴射する水流が思い切りバケツの底へと叩き付けられる。

 ぶじゅぅっ、ぶじゅじゅじゅじゅううううううううぅうじゅじゅば
 じゅぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼおびちゃびちびちゃじゅぼぼぼぉぼおおおぉ!!

 一体、どんな偶然の重なりか。あろうことか。押しのけられた蓉子の手からマイクが落ち、ちょうどバケツの底へと転がりおちていた。
 こうした学生の遠足では定番となる貸切バス。長時間の移動に伴って車内で飲食をすることも考慮されたため、バスのマイクには防菌・防水加工が施されていた。誤ってジュースなどがこぼれたりしても問題ないようにとの配慮である。
 まさにそのマイクめがけて、涼子のオシッコは噴射されていた。
 水流の直撃は8つのスピーカーで増幅され、本当の滝のような轟音となって車内に響き渡った。一人の少女が我慢に我慢を重ね、ついに限界を迎えてバケツにオモラシをするその様を、完全生中継の大迫力で、2年A組の全員に伝えてしまったのである。
 見る見る水位を増すバケツの中で、マイクがオシッコの海に水没し、なおじょぼじょぼと猛烈な水圧で威勢よく水面を掻き回すおしっこの噴射音を臨時生中継。
「はぁああああああ……ッッ」
 途方もない、快楽とすら思えるような喘ぎ声。
 我慢に我慢を重ねたオシッコを、クラスのだれよりも先に思い切り迸らせる快感に、涼子はうっとりとした声をなんども上げていた。その吐息と喘ぎもまた、滝のようなおしっこの音に混じって放送される。
 目の前で始まった盛大なオモラシと、バケツをトイレ代わりにした盛大なオシッコ。
 バスの中の少女たちは、誰もそこから視線を外すことができなかった。
 涼子の握り締める女の子の大事な部分から、猛烈な勢いで黄色い熱湯が噴き出し、一直線にバケツの中へと叩き付けられてゆく。すでに涼子のスカートは見るも無残なほどに濡れ汚れ、ソックスから革靴に至るまでがびしょ濡れである。周囲に水たまりをまき散らしながらバケツの底を叩くオシッコは、ほんのりと湯気を伴って、その音を響かせる。

 じょぼじょぼじょじゅじゅじゅじゅぶじゅじゅじゅううううッッ!!!

 まるで、ひとりであの大きなバケツを占領してしまわんばかり。耐えに耐え続けた排泄器官は、いったんその限界を迎えるたが最後、もはや容赦なくその本性を剥き出しにして、欲望の詰まった中身を残らず絞り出そうと、乙女の秘められた水門をはしたなくも大胆に全開にしてしまっている。
 個室の中であってもまず見せることのないような――本当の勢いのオシッコ。下着の股布など突き破らんばかりに噴出してゆく。たった一人、家のトイレで心を許した時に始まるような、安心しきった放水は、同性のものであっても目を見張るほどに爽快ですらあった。
 バスの中の少女達は、皆涼子のオシッコから目を離せずにいた。
 あまりにも恥ずかしい音を立て、終わる気配のない猛烈な放水――それは、渋滞に巻き込まれ、我慢に我慢を重ね続けた涼子が、いち早く皆に先駆けて尿意に屈し、限界を迎えた結果の最悪の姿なのだ。
 みんなの前でスカートを握り締め、制服をびしょびしょに濡らし、バケツを跨いでおしっこする惨め極まりない姿。およそ、女の子にとって死よりも屈辱的な姿を、涼子はお手本のような『オシッコオモラシ』として衆目にさらしてしまったのである。
 だがそれは同時に、この耐えがたいほどの尿意との、果ての見えない戦いからの解放という側面も持ち合わせていた。バスの中の少女達が一様に抱く『早くオシッコしたい』という思い。涼子はそれを一足先に成し遂げているのだ。
 下着どころか制服のスカートをたくし上げる事すらできず、バケツの上に座り込んで、猛烈な放水が下着の直撃を受ける。暴風の中で旗が風に煽られるような、ばたばたという音。皆の前、バケツの中という、羞恥極まりない状況は言え、耐えに耐え続けたオシッコを、いっそ済ませてしまいたい――そう思う少女は少なくなかった。
 まるで信仰を一身に受ける女神のように。
 あるいは、皆の代弁者として罰をおう聖者のように。
 恥辱の極みであるオモラシをする涼子に、奇妙な羨望の視線が向けられていた。
[ 2013/07/31 09:00 ] 長編連載 | トラックバック(-) | コメント(-)

社会見学バスの話・42 花藤涼子その2 

「っぁ、やだぁ、やだぁあっ!! せ、せんせぇ、ぃ、うぁっ、いっ、イジワル、しない…でぇっ!! と、トイレ、っ、おトイレしたいの、お外でいいからおトイレするのぉっ!! も、もれっ、漏れちゃうから、ぉ、オモラシしちゃうからぁあっ……!!」
 子供のように叫んで激しく足踏みをし、もじもじクネクネ太腿を擦り合わせ、重ねた両手で『ぎゅううううっ』とスカートの上からおまたを押さえて下着を引っ張り上げる。
 オシッコ我慢限界の御手本のような涼子の有様は、車内で同じく尿意と戦っていた少女達にとってあまりにも目の毒だった。自制を失くして漏れちゃう漏れちゃうトイレトイレと叫び続ける涼子の姿に、他の生徒達が反応せずにいられるわけもない。駆け寄った蓉子を押しのけてバスの出口に突貫しようとする涼子につられて、少女達はひときわ大きな尿意を催してしまう。
 この瞬間、実に8人もの生徒達が、次々と漏らしたての新鮮なオシッコで脚の付け根に恥ずかしくも熱い染みをじゅじゅうっと広げてしまった。中には亜理沙や美穂のように、これまでなんとか下着を濡らさずにいたにもかかわらず、この日最大の尿意の大津波に襲われて、真っ白さを保っていた下着の股布からおしりまでを濡らし、さらにはスカートまで濃く色を変えてしまうほど特大の恥ずかしい黄色い染みを広げてしまった少女も居た。
 おチビりに言葉も失って青ざめる彼女達をよそに、涼子の訴えはなお激しさを増した。
「降ろして、降ろしてよぉ!! せんせぃ、じゃ、邪魔、んんっ、邪魔しないでよぉお!! お、おしっこっ、おしっこするの!! こんなところじゃやだっ、やだぁ、まっ、間に合わないっ、出ちゃう、出ちゃうのっ!! おしっこ、おしっこ出ちゃうよおぉッ!!」
「はっ、花藤さんっ、ダメ、今降りたら危ないのよ!! 席に戻って!! ほら、もう少しだから!! あと少しで、サービスエリアだから!! も、もうちょっとでっ、おトイレだから!!」
 遮二無二突っ込んでくる涼子を押しとどめ、蓉子もまた必死だった。しかし、それは生徒の身を案じる女教師としてではない。ここでバスを止められたら、またサービスエリアまでの時間が遠のいてしまう。ゴールまでの時間を逆算し最後の時間を耐え続けていた蓉子にとって、それだけは避けなければならない問題だった。
 純粋な女の欲望に基づいた打算で、蓉子は教え子をはがいじめにする。
(あなたがバスを停めてたら、わ、わたしのオシッコが間に合わなくなっちゃうのよぉお!! せ、生徒の前でなんてっ、ぜ、ぜったいに、ぜったいに!! オモラシなんか……でっ、ででっ、出来ないんだから!! あぁーーんっ、い、いいからっ、黙って言う事聞きなさいよぉおお!!)
 半ば憎しみさえ含ませて、蓉子は涼子の前に立ち塞がる。本来、生徒達の身を案じ、なによりもその事を考え導いてやらねばならない教師の立場にありながら、蓉子の頭にあるのは自身の保身のみに他ならない。
 我慢の限界、形振り構わず決行した最後の懇願すら封じられ――涼子に待つのはあまりにも無慈悲な、たったひとつの結論であった。
「ぃ、いや、っ、いやぁ、いやぁあああ!!」

 じゅっ、じゅうぅうぅ、じゅじゅじゅじゅじゅぅ、
 ぶじゅじゅじゅじゅじゅじゅっ!!!

 宙を見据え、涼子の瞳が大きく見開かれる。ぱくぱくと唇が震え、寒さに震えるように激しく少女の身体が震え出す。繰り返される否定の言葉は、しかし下半身に溢れ出す羞恥の熱水を消し去ることはできなかった。
 押さえ込んだ布地を震わせる、激しい水音――
「ぅあ、ぁ、ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ……」
 白い喉から絞り出させる悲痛な呻きと同時に、少女の足元、バスの通路に激しいスコールの音が鳴り響いた。
 制服のスカートのすそがみるみる濃く染まり、涼子の下腹部から黄色い滝が噴き上がる。
 涼子はわずか、爪先立ちになって腰を上に浮かせていた。さっきまできつく脚の付け根を押さえこんでいた手のひらを重ねて作った器に、自分の絞り出したオシッコを受け止めようとするかのように、その場にしゃがみ込んでしまう。太腿を伝うオシッコはみるみるその太さと勢いを増し、バスの床に大きな水たまりを描き始めた。
 そんな一部始終を、蓉子の手にしたマイクは一音も漏らさずに拾い上げていた。涼子の声と、噴き出すオシッコの音。全ては余すところなくスピーカーを通じて、バスの中に響き渡ってしまったのである。
 まるで、バスそのものが――いや、2年A組社会見学バスの中でじっと身を縮め、懸命にオシッコを我慢し続けていた少女たち全員が、ついに最初の限界を超えてしまったように。
 涼子のオモラシは、これから始まる悲劇の発端となるものだった。
[ 2013/07/30 09:00 ] 長編連載 | トラックバック(-) | コメント(-)

社会見学バスの話・41 花藤涼子 



「あっ、ぅ、はぁ、もっ、もぅ、もぉ、っんぁあ、くぅ、ダっ、ダメッ、駄目っ、駄目ええぇぇええええぇぇっ!!!!」
 白い喉を震わせて響くソプラノの叫び。
 バスの後部通路、座席背もたれから伸びる手摺にしがみつくように、がくがくと腰を震わせて立ち上がっている生徒に、車内の視線が一斉に集まる。
 ほとんと爪先立ちになるようなへっぴり腰で、身体を半分に折り曲げて。アイロンの掛かっていたスカートのプリーツをぐちゃぐちゃに乱してしまうほどにまで猛烈に足の付け根を押さえ、ぐぐぐぎゅうううっと太腿をきつく閉じ合わせ、後ろに突き出したこしを左右に振り立てる。
「んぁ、はぁあっ、だ、ダメっダメだめぇえ、っ……お、お、ぉし、おしっこっ、おしっこ、ぁ、ぁああぅうっ、ぁ、おしっこ、も、もれっ、んぅもれちゃうぅぅぅうううっ!!」
 幼稚園くらいであればまだしも、年頃の乙女として、たとえ同性の前であっても発することは赦されない、あまりにもみっともなく、無様で、はしたない告白だった。
 あろうことか、そんな恥ずかしい叫びの主が花藤涼子であったことは、車内の少女達を少なからず動揺させた。
 涼子は今日日誰も守ってやしない校則の教本にそのまま掲載されそうな、お下げ髪に黒縁眼鏡の、とにかく真面目な少女なのだ。席替えでもいつも教室の前の席を進んで選び、授業も真面目にノートを取って、先生にしっかり質問し、板書も進んでこなす。皆勤賞でも目指しているかのようにHR30分前には登校して席に着き、遅刻早退、サボり居眠りなんてもってのほか。
 休み時間にちょっと背伸びをしたグループが、雑誌の恋愛特集記事なんかを読んでいるのを見るだけで、頬を真っ赤にして顔をそむけてしまうような潔癖で純情な少女である。
 少なくともクラスのほとんどの生徒が、涼子が人前で狼狽することなんて一度も見たことがない。そんな彼女が、全身全霊をもって、『オシッコが我慢できません』と叫んでいた。
 つまり、涼子にとってこのバスでの時間は、形振り構わず外に助けを求め、今すぐ『どうにか』してもらわない限り対処不可能な、極限限界の窮地だったのである。
「お、オシッコ、オシッコ、っ、トイレ、降ろしてっ、ねえっ、んぁ、あっあ、ダメ、出る、出ちゃううっ、トイレ、オシッコっ、トイレ行かせてええ!!!」
 とてもまっすぐ歩くことも出来そうにないふらふらの足取りで、涼子はバスの前方、出口へと進み始める。数歩で座席に寄りかかり、背もたれに身体を預けて両手でぎゅぎゅぎゅぅと脚の付け根を押さえ込み、おしりを左右にクネクネと振りながら。
 香と思えば、びくっと背筋を反らして眼を見開き、眼鏡のレンズの内側に涙を滲ませ、口を半開きにして『ぁ、あっあぁっ』と喘ぎ、その場で大きく足踏みを始め出す。
 常軌を逸した涼子の様子に、他人の事などもう構っている余裕のなかったはずの他の生徒達も、思わず注目せざるを得ない。
「ちょ、ちょっと、花藤さん……!?」
 運転席の傍でタイトスカートの下、ストッキングの太腿を擦り合わせ、バスのフロントガラスを凝視していた蓉子も同様だった。バス後部の通路を、のたうつ様にして進もうとする涼子に圧倒されながら、現実に引き戻される。
 この時。蓉子の手には、スイッチを入れっぱなしにした車内アナウンス用のマイクがまだ握られていた。咄嗟のこととはいえ、蓉子はマイクを持ったまま席を立ち、涼子の元へと駆け寄ってしまったのだ。
「だっ、だめ、だめだめ、だめえ……!! おしっこ、おしっこっ!! オシッコぉ!!」
 8つのスピーカー備え、後部座席にまではっきりと音を届ける音響設備を通じ、涼子のオシッコ出ちゃう宣言は、必要以上の音量になってバスの中に響き渡ってしまう。
「ぉ、降ろして降ろして、バス、停めてええ!! んぁ、っ、もぉ、でるっ、でちゃうっ……!! おしっこ、漏らしちゃうよぉお!! あんぅ、っくぅ、ぉ、おっ、お願い先生、っ、ぉ、おしっこさせて!! お外で、オシッコ、させてよおお!! も、もれっ、もれちゃう、もらしちゃう、お、おひっこ、もれひゃうよぉお……!!」
 呂律の回らぬ舌で、涼子はまるで幼稚園の子のように我慢できないと叫び、激しくバタバタと足を踏み鳴らす。いますぐ、ここで、涼子はトイレを――『オシッコ』を要求していた。
 しかし、いくら少女が叫ぼうとも、バスはいまだ道路の途上。サービスエリアへ向かう車の列の最中にある。一列に並ぶ車道は狭く、当然ながら追い越しなど不可能だ。むしろ、まださっきまで――片側3車線の高速道路本線にいた時のほうが、可能性の高い選択肢だったのだ。
 この狭い1車線では。2年A組の生徒28人を乗せるバスは大きく、いくらバスを路肩に寄せてたところで、後続の車を塞いでしまう。停めることは不可能だった。
[ 2013/07/29 09:00 ] 長編連載 | トラックバック(-) | コメント(-)

社会見学バスの話・40 崩壊の引き金 


 びっしりと車線を埋め尽くす渋滞の列をかなり強引に横切って、社会見学2年A組のバスはサービエスエリアへの分岐へと差し掛かる。
 恥ずかしい尿意に下腹部をぱんぱんに膨らませ、もはや一刻の猶予もない28人の少女達を乗せ、バスは精一杯の速度で、4時間半ぶりの休憩場所へと急いでいた。
 周囲からの視線を遮るため、カーテンを閉め切った車内は薄暗い。少女達の肌はじっとりと汗ばみ、うなじや襟もとは制服の下のブラウスに張り付いていた。皆の要望で、尿意を加速させる冷房は切られ、車内の温度は徐々に増しているのだ。
 俯いて荒い吐息を繰り返し、かすかなうめき声を堪える。時折、だんだんと床を踏み鳴らす音も断続的に響いていた。革靴の爪先が床を擦り、ぎゅうっとスカートを押さえ込む手のひらと共に、座席シートに押し付けられた腰がぎしっぎしっと淫靡なリズムを刻む。
 きつく唇を引き結び、あるいは中途半端に押し開いて、視線の定まらない目は宙をさまよい――下腹部に荒れ狂う猛烈な尿意に必死に抗う。少女達を襲う排泄欲求は、波と形容するよりは、高潮――あるいは氷河期の終了に伴う海面上昇に近かった。
 一定の間隔をもって押し寄せるのではなく、乙女のダムの内側でせり上がった水面は、そのまま水位の限界線を越えて外に溢れだそうとしているのだ。どれだけ水門を硬く閉じようと、もはやなにをどうやってもそれ以上、内側に液体を留めておけなくなっている。
 ずっしりと、まるで砂袋のように重くなるほど、伸び切った膀胱が一気に収縮に転じ、硬く張りつめた『水袋』が思い切り握りつぶされそうになる、そんな尿意。

 おしっこ。
 
 その四文字が、酷使され続けた排泄器官同様に、少女達の思考のほとんどを埋め尽くしている。サービスエリアでの臨時トイレ休憩を前に、出口に続く短い排水経路に注水が開始され、ほんのわずかに皮一枚を隔てたおしっこの孔のすぐそこにまで、濁流のごとき羞恥の熱水が押し寄せる。
 少女達がその身体の内に抱え込む秘めやかな『水袋』は、満水の中身を保持するために適した姿勢とは正反対の上下さかさま、出口を下に向けているに等しい。脚の付け根、股間の先端、恥ずかしいオシッコをため込んだ膀胱の一番底に、もっとも脆い水門がヒク付きながら震えている。
 ブラウスの下腹部を硬く張りつめさせ、高まる水圧にも関わらずなお注水は続き、膨らみ続けでいる。既に我慢は肉体の限界を越え、精神が身体を凌駕する領域だった。
 乙女のプライド、羞恥心、潔癖な心――そんなものに頼って、途切れそうになる心を奮い立たせ、懸命に、出口を閉じ合わせる。
 まさに一色即発、限界寸前。些細なきっかけがバスの中に大参事を引き起こす引き金になろうことは明らかだった。
 だから、バスがいよいよサービスエリアに近づいたことを知らせるアナウンスがあっても、誰も余計な口は挟まない。お喋りなどもってのほかだ。バスの車内にはじっと、重苦しい沈黙だけが横たわっていた。28人全員が、熾烈な尿意との戦いの中にある。
 バスがサービスエリアに到着して希望が確かなものとなるまで、迂闊な行動は避けねばならなかった。2-Aの28人の少女達はめいめいにバスの座席にじっと座り、一番楽な姿勢を探し、息を殺して身じろぎを押さえ、切ない脚の根元の疼きと、下腹部から押し寄せる欲望による喘ぎをかみ殺す。
 そんなひり付くような緊張の中――

「ッ、ぁぁあ、あぁぁぁぁああああっ!!」

 頓狂にも聞こえる絶叫は、バスの後部座席で響いた。
[ 2013/07/28 09:00 ] 長編連載 | トラックバック(-) | コメント(-)

社会見学バスの話・39 長谷川陽菜その2 


 バスが出発してから一度もトイレに行くことができず、出したいオシッコを堪え続ける2年A組。たった一人。
 車内に乗り合わせたクラス担任の清水蓉子を含むクラス28人プラス1人、全員が同じ共通項で括られるなか、一人だけその例外がいる。
 彼女はきつく唇を噛み、びしょびしょに濡れた制服の下半身を抱き締めるようにして、バスの中程の座席でひっそりと息を潜めていた。
 長谷川陽菜。
 ――覚えておいでだろうか、路肩に止めたバスを降りてオシッコをしようとした9人の少女達の中で、唯一、オシッコができた少女である。
 だが――それは、彼女がちゃんとトイレを済ませられた事を意味しない。むしろ、陽菜のトイレは大失敗と言っていい有様だった。
 物陰を作るはずのバスが移動し、高速道路の路側帯にしゃがみ込んだ姿を隠す事もできず、大渋滞の車の列の中で、衆目の中、大きく股を広げ女の子の恥ずかしい部分を晒し。
 まだ幼いつくりの、薄桃色をした女の子の脚の付け根から、猛烈な勢いで恥ずかしいオシッコの噴出がアスファルトを叩き付けるのを――陽菜は、百人近い観客達に見られてしまった。その恥辱は、決して尿意からの解放として祝福される幸運ではなく、むしろ最悪の恥辱、死にもつながりかねない悲劇であった。
 あろうことかオシッコの途中で転び、膝に引っかけていた下着に噴出するオシッコを直撃させ、さらに自分の作ったみっともない水たまりの中にへたり込んで制服をびしょびしょに濡らしてしまった、あまりにも恥ずかしい大オモラシ。
 そんな悪夢のような記憶冷めやらぬ中、陽菜は目に涙を浮かべ、しゃくりあげ、己の不幸を嘆き、屈辱の涙で頬を濡らしていた。
 けれどそんな彼女へ向けられる周囲の視線は、憐みよりも敵意に似た嫉妬の方が強い。
 どんな形であれ、現在進行形で尿意に苦しみ続ける他の27人の生徒たちからは、良くも悪くも彼女はたった一人、先にオシッコを済ませる事ができた例外だったのだ。
 先にも述べたが、既にバスの中で辛抱たまらず、トイレを済ませようとした少女達は複数存在している。だが、その事がクラス全員に知られているのは、オモラシで制服をびしょ濡れにし、惨憺たる有様で涙する陽菜一人だけであった。
 だからこそ、クラスメイト達の敵意は強い。担任である蓉子すらその例外ではなく、先にオシッコをできた陽菜を、呪詛めいた視線で羨み、蔑んでいるのだった。
 ……だが。
 ただでさえ苦境にある陽菜を、さらに苦しめるものがあった。
(や、やだ……っ、本当に、“また”、したくなってきちゃった……)
 そう。二度目の尿意である。
 膀胱の中身を絞り出すような猛烈な尿意と、それに連動した激しい放水。少女の下半身をずぶ濡れにしてなおアスファルトに大きな水たまりを広げる大量のオシッコ――それを下腹部から絞り出してなお、陽菜の身体は再度の尿意を、再びのオシッコを訴えていた。
(な、なんで……? さ、さっき、あんなに出たのにっ……)
 屈辱よりも、疑念と困惑の方が強い。あれだけ出したのだから、もう当分はトイレなんて行かなくて済むと思っていたのに――陽菜は自分の身体に起きている異変が全く理解できず、ただただ堂々巡りの思考を繰り返す。
 はじめのうちは、ちょっとした違和感だった。濡れた下着が生乾きになって、むず痒さを感じるのだと――そんな風に考えていた。なにしろさっきまでのトイレの欲求は、これまでの陽菜の人生の中で、ぶっちぎりのトップクラスの尿意だったからだ。それがオモラシのような最悪な結末を迎えて、まだじんじんと下腹部が疼き、ひり付くような錯覚があるのは仕方のない事だろうと、そんな風に考えていた。
 慣れない正座を止めても、しばらくは足の痺れが続くように。過酷な我慢を強いられた排泄器官がまだ熱を持っているだけなのだろうと考えていた。
 なにしろ、陽菜のオモラシからはまだ1時間余りしか経っていない。陽菜はどちらかと言えばトイレの遠い方で、普段ならそんな頻度でトイレに通い詰めるなんて事は、まったく経験のないことだったからだ。
(で、でも、……やだ、っ、ま“また”……っ、また、したく、なっちゃってる……っ)
 あんなにもはしたないオモラシ行為をしたのに、まったく懲りた様子もなく、少女の下腹部は本能的な排泄を要求する。陽菜の恥骨上のダムにたまったホットレモンティの水位は、既にさっきバスを降りた時と同じくらいまで達しつつあった。
(も、もう一度……お手洗い……!? で、でも、そんなの、また……っ)
 あまりにも早い二度目の尿意に、陽菜はただただ、困惑するばかりだった。
 周囲のクラスメイトからの針のような視線は、陽菜をなお責め続けている。このうえ、またトイレに行きたいなんて事は冗談でも口にできそうにない。
 陽菜はじっとうつむき、唇を噛んで、耐えるしかない。
 しかし、主観を排して理論的に考えるならば、これは当然の帰結であると言える。飲料工場と市営公園を巡るこの社会見学遠足で、2-Aの少女達が摂取した水分量は、単純評価しても相当量のものだ。経口摂取された水分は着実に少女達の体内に吸収され、それらは今もなお、健康的な少女達の全身をめぐり続けている。それらがやがて代謝を経て循環器を通り、下腹部の一点、不要物を含み最終地点に辿り着くことはごく自然なことである。
 そもそも、水分は摂取した直後にオシッコに代わるわけではない。循環する水分が膀胱にまで辿り着くには、少なく見積もっても経口摂取から数時間が必要である。それ以前に感じる尿意はカフェインの利尿作用や、水分を口にしたという事実による精神的なものが強く、少女達が摂取した水分が恥ずかしいオシッコとなり膀胱に注ぎ込まれるのはむしろこれからが本番と言えた。
 陽菜の場合、中身をぎゅうぎゅうに詰め込み張りつめていた膀胱が一旦、空に近い状態になったことで、それまで水圧に負けて押しとどめられていた水分が再び乙女のティーポットへと一気に注ぎ込まれたのだ。
 尿意の高まりは一度目よりもはるかに急速であり、水位上昇グラフの鋭さは最初の波の比ではない。
 さらに、ちゃんとしたオシッコのための設備が整ったトイレでの排泄とは違い、物陰や、着衣のままのオモラシでは少女の身体は緊張状態のままでである。完全にリラックスできるような環境とは程遠いため、十分に排泄器官も弛緩できないことも理由となった。
 たとえ他者の存在がなくとも、トイレの個室という安全確実な空間ではない、野外での排泄は、無意識下で陽菜の排泄をつかさどる自律神経にブレーキをかけた。誰かに見られるかもしれない、気付かれるかもしれないという意識がある中では、たとえきちんと最後までオシッコが出来ていたとしても、トイレでの排泄に慣れた少女の身体は、完全に膀胱を空にすることは至難の業だ。
 まして、陽菜の場合はオモラシという、限界を越えた尿意が不自然な形で噴き出した、あまりにも歪な方法での尿意の解消である。トイレで済ませオシッコとは雲泥の差であった。
 陽菜が初めて体験する、『トイレの近い子』の尿意。未体験の排泄衝動の波は、少女を激しく動揺させ、二度目という事実も相まって陽菜の心をさらに激しく傷つける。
(やだ……本当にどうしちゃったの!? なんで、こんなにすぐオシッコしたくなっちゃうの!? わ、私っ、ヘンになっちゃったの……?)
 オシッコの出口が故障してしまったのではないか――そんな想像すらよぎる。一度激しく尿意を噴き出させた排泄孔は、いくら力を込めても言う事を聞かず、出口を覚えたオシッコは的確に鋭い尿意をそこに差し込んでくる。
 じわ、じわとおなかの一番底を押し破り広がる恥ずかしい衝動に、陽菜は身体を丸めて耐え続けた。
 もう一度おしっこがしたい――2-A28人を乗せたバスの中でたった一人、二度目の尿意を覚え、“また”オシッコを催してしまった陽菜の、トイレを望む孤独な戦いの第二幕が始まっていた。
[ 2013/07/27 09:00 ] 長編連載 | トラックバック(-) | コメント(-)
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