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社会見学バスの話・37 動く密室ダム/都築朝香 

 喜色満面の笑みでバスの行く先を見つめるクラス担任以下、限界を越えたオシッコ我慢を強いられる28人の少女達を乗せ、2-Aの社会見学バスは高速道路の渋滞をゆっくりと進みながら、サービスエリアへの降車口へと進路を向ける。
 蓉子が歓びの中サービスエリアでのトイレ休憩をアナウンスしてなお、バスの中に閉じ込められた2-Aの少女達の顔は曇ったままだ。
 まさか、トイレに行きたい、オシッコが我慢できないというただそれだけで、本来のバスの行程にはなかったはずの『トイレ休憩』を急遽差し挟まれるなど、バスが出発する前には思いもよらなかった事態である。
 まして、2-Aの少女達は既に一度、バスを路肩に止めての臨時トイレ休憩まで訴えた後なのだ。多感な年頃の少女達にとって、この期に及んでオシッコのために社会見学の予定を捻じ曲げてしまうことに、強い羞恥と抵抗感を覚えるのは仕方のない事だった。
「んっ……んぁあ……っ」
「は、っああ、だめ、だめぇ……」
「で、でちゃう、漏れちゃ、う……っ、もうだめぇ……オシッコでちゃうう……っ」
「だ、っだめだよ、我慢、あとちょっとなんだから……ちゃんと、おトイレまで我慢しなきゃ……」
「わかってるわよぉ……でもっ、あ、あっああ、ああっ」
 なによりも、いまにもはち切れそうなほどに乙女の水風船を膨らませ続けた少女達にとってみれば、あと十数分というサービスエリアまでの短い距離すら、世界の果てに辿り着くまでの無限にも等しい時間に感じられるのだった。
 サービスエリアへの出口にも、渋滞の列は続いている。3車線の高速道路がぎっしりと視界の端まで車の行列で埋まるこの有様なのだ。一旦休憩を入れて渋滞の解消を待とうと考える利用者達も少なくなかった。
 ウィンカーを出し、のろのろと動く車の列を堰き止めるように、28人プラス1人のオシッコで下腹部をぱんぱんにした少女達をのせたバスが車線を移動してゆく。
 この道の先に、少女達が焦がれて止まない聖地がある。バスの陰や、路肩の茂みなどとは違う、本物の、オシッコのための場所がそこにあるのだ。
 ――今度こそ、本当に、ちゃんとしたトイレでオシッコができる――。
 その事実は、少女達にとってあまりにも甘美な毒であった。
 既に待ち切れず、想像の中でサービスエリアのトイレの中へと心を飛ばしている女生徒達も少なくない。彼女達は一流のアスリートたちが世界大会の決勝に臨む時のように、オシッコのイメージトレ-ニングを繰り返し、猛烈な尿意を紛らわせていた。
 クリーム色のタイルときちんとした密閉性を保つ壁に仕切られた清潔な調度、世間の喧騒から隔絶された落ち着いた個室の中、白い便器に跨り、あるいは深く腰を下ろして、じんじんと疼く股間の先端から凄まじい勢いで恥ずかしい熱水を足元へと噴射させる――
 危険な妄想に身を委ね、少女達は既に閉じ合わせた太腿を擦り合わせ、くねくねと腰をよじるのを隠そうともしない。
 硬く閉ざされていた水門がぷくりと緩み、いまにも下着の奥でダムの堤防が決壊しそうになる、その危険な想像が、しかし下半身の緊張をわずかにほぐし、既に伸び切った膀胱の壁を僅かに延長させるだけの余裕を作り出していた。佳奈も、有紀も、皆そうやって、想像の中で何度も何度もオシッコをして、限界までの時間を少しずつ先延ばしにしているのだ。
「ぁ、あっあ、あぁあっ」
 無論、加減を間違えてしまう少女も居た。また一人、緩んだ水門からじゅじゅじゅうっと熱い水流を噴き出させてしまう。隠しようもなく響く水音と、立ち込めるオシッコの匂い――トイレの中よりも濃いオシッコの気配が、文字通りの呼び水となって、近くの少女達の身悶えを一層激しくさせた。
 今、漏らしてしまったのは、湿って股間にぴたりと張り付いた下着を噴き出す水圧で持ち上げさせてしまうほどの――おチビりなどというには生易しいほどの被害が、制服のスカートと下着に広がっている。しかしそれでも、懸命に歯を食いしばってダムの本格的な崩壊はなんとか喰いとめる。
 自分だけではない、クラスの皆のために、オシッコを我慢しなければならない。
 もはやバスの中の28人は一蓮托生、運命共同体だ。誰かが気を緩めてしまえば、もうあとは歯止めがきかず、雪崩のようにつぎつぎと連鎖してしまうことが、少女達には分かっていた。
 我慢しているのは自分だけではない。他のクラス全員分のオシッコが、少女達一人一人の尿意を通じて共有されている。28人分のオシッコを我慢しているのに等しかった。




 サービスエリアまであと300m。時間は焦れるほどに長く、粘性をもって引き伸ばされる。ほんの数分であるはずの時計の針が、まるで遅々として進まない。
 車内の少女達の苦悶はさらに増し、座席シートの上に身を丸めるようにして、膝を抱え込み、両掌で腿に挟みこんだスカートをぎゅうっと押さえつけ、股間を握り締めてしまう者もいる。
「んっ、んぅ、んっ……」
 くぐもった呻きが、羞恥に彩られて車内に響く。
 担任の清泉先生から、もうすぐトイレに行けるというアナウンスがあってから既に20分が経過していた。尿意に苦しむ少女達の安息の地であるサービスエリアへの進路転換。それは彼女達を乗せたバスが切望するトイレ、オシッコのための場所へと直行することを意味する、地獄に仏の報せであったはずだ。
 しかし、遅々として進まないバスに2-Aの生徒達の表情はいまだ晴れぬまま。喜色満面でトイレ休憩をアナウンスした担任は、焦りを滲ませてバスの行く先をじっと睨んでいるばかりであった。
(は、はやく、はやくしてっ、なんで進まないのよっ……)
 まるで生殺しだ。
 バスの中には少女特有の甘い匂いと、細く狭い管を勢いよく水流が通り抜ける、微かな水音が断続的に聞こえてはじめていた。既に2-Aの28人の生徒達の中には、バスの到着を待ちきれず、このままバスの中でオシッコを済ませようとしている者が出始めてしまっていた。
 無理もない、『もうすぐおトイレが出来る』という言葉に敏感に反応してしまった少女達の膀胱は、その瞬間からすでに準備万端に排泄の準備を整えている。
 徒競争で言うならスタートラインに付き『位置について、用意』のまま、延々と待たされているのに等しい。いまにも下腹部をはじけさせてしまいそうな尿意を抱え、そんな状態で長時間の『おあずけ』に耐えきれるはずがなかったのだ。
 羞恥に紅くなった顔を俯け、ちらりちらりと周囲を窺い、息を殺して慎重に、築かれぬようにこっそりと。水筒やペットボトル、バスに供えられたエチケット袋、お菓子の入っていたビニール袋。果てはタオルや着替えを股間に当てがって。少しずつ少しずつ、漏れ出すオシッコをそこに吸収させようとする。
 しゅる、しゅっ、じゅっ、じゅうぅ。
 座席シートに漏れ出すオシッコがじわじわとその染みを広げてゆく。
 ――限界ギリギリの状態で、極限の選択を迫られた少女達は、ついに猛烈な尿意の責め苦に耐えかね、最大の恥辱に屈しようとしていた。
 そんな彼女達は蓉子の席から離れた、彼女の背後の列の後部座席に集中している。別段、その近辺に座る少女達が特段強く尿意を覚えていた訳でも、揃って我慢が足りなかった訳でもない。
 ほんの数分前、バスの前方座席でこっそりペットボトルにオシッコを済ませようとした都築朝香が、蓉子に見つかってしまったからだった。
[ 2013/07/25 09:00 ] 長編連載 | トラックバック(-) | コメント(-)
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