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イジメの話/美術室にて 

 

 絵の具を乗せた筆が、画用紙の白に鮮やかな青空を描いてゆく。
 あと二週間に迫った美術コンクールに向けて、一之瀬マナは丁寧にデッサンした画用紙に向かい、一心不乱に筆を動かし続けていた。
 今日は日曜日。本当なら学校もお休みなのだが、美術部を始めとしたクラブ活動のために校舎は一部解放されていた。クラブ顧問の浅月先生は用事があって、昼前に一度顔を出してから席を外している。
 美術室には、マナと同じ美術部の生徒たちがお喋りに興じながら作品に向かっている。……どちらかと言えばマナ以外の生徒はあまり真面目に取り組んでは居ないようだったが。
 マナは前の学校でも美術部に所属していて、その時に描いた絵は市のコンクールに出たこともあった。文化系の活動に力を入れている風見が丘小学校に転校してからも、マナは迷わずクラブ活動に美術部を選んだ。
 顧問の浅月先生の熱心な指導もあり、マナはまたもコンクールへの出展を勝ち取ったのだった。
「ふぅ……」
 しゅ、と最後の一筆を引き、小さく深呼吸。
 グラウンドから海を見下ろす光景が、画用紙の中に余すところなくおさまっている。完璧、とは言わないまでも改心の出来だ。
 筆を置き、数歩あとずさって全体を眺めてみる。
(……よし、っ)
 心の中で小さくガッツポーズ。ここまで思い通りに描けるなんて、なかなかあることではない。浅月先生に何度も励まされ、休まずに頑張り続けた結果だった。
 出来栄えを確認するため、右から左から画用紙に向かっていたところ、唐突に少女のお腹がぐぅ、と音を立てる。
「あ……」
 マナは頬を赤らめた。
 時計は1時を回っている。朝から昼過ぎまで、ご飯も食べずに熱中していたのだ。それはお腹もすくだろう。喉の渇きを感じて家から持ってきた水筒を確認すると、1リットル入りのお茶も中身はほとんど空っぽだ。
(お弁当の前に……お手洗いかな)
 下腹部に感じる尿意に、マナは腰を上げる。
 熱中している間は気付かなかったが、よくよく考えてみれば普段の授業ではマナは午前中に2回はトイレに行くようにしている。1リットルもお茶を飲み干して、さらにお昼過ぎまで一度もオシッコを済ませていなければ、したくなるのも当たり前だった。
「あ、一之瀬さん。ちょっと待ってくれる?」
 机の間を縫って美術室を出ようとしたマナを、呼びとめる声があった。
 美術部の部長、6年生の御園アヤ。眼鏡の奥に吊り目がちの瞳をした、背の高いショートカットの少女だ。部長という肩書きを使って無理矢理手伝いや用事を皆に押し付けるアヤは、同じ6年生の取り巻きを除いて、部員のみんな……特に下級生にはあまり快く思われていなかった。
「え、っと……なんですか?」
「ちょっと、ねぇ?」
 意味ありげに言葉を区切り、アヤは周囲の6年生たちとくすくすと笑い合う。なんだか嫌な予感がして、マナは一歩あとずさった。
「ちょっと手伝って欲しいの。一之瀬さん、課題終わったんでしょう?」
「は、はい……でも」
「あたし達、人物デッサンしたいんだけど、今日モデルの子が休んじゃったのよね。だから一之瀬さんに代わりにやってもらおうと思って」
 頼むような形こそとっていたが、そこには有無を言わせない迫力があった。
 お腹の奥にずんと響く刺激に、マナはぎゅっと脚を寄せてしまう。
「あ、あの、でも、わたし……お手洗いに……」
「ダメよ、すぐに始めないと間に合わないんだから」
 いつの間にか、マナの背後に回りこんだ6年生が、美術室の入り口を閉めてガチャリと鍵をかけてしまう。
 場を支配し始めた不穏な気配に、マナはあとずさった。
「な……なに?」
「別に?」
「だ、だって、いま、鍵……」
「なんのことかなー?」
 ドアに鍵をかけた6年生はそうおどけてみせると、マナがドアに近付けないようにくるりとその背中に回りこんで腕を掴んだ。とっさに振り払おうとするマナだが、思うように振りほどけない。
「そうよ。逃げなくったっていいじゃない」
「そ、そのっ……わたし、本当におトイレに……っ」
「へえ。そういうこと言うんだ? 自分の課題が済んだから、あたしたちの課題なんか間に合わなくったっていいってこと? さっすが違うわねー。コンクールに出れちゃう子は」
 詰め寄ってくる6年生たちの迫力に、マナは萎縮して俯いてしまう。
「ち、違います……そんなこと、思って、ないです……」
「じゃあ、いいでしょ? モデルお願いね♪」
 笑顔の下に、底知れぬ悪意を覗かせて念を押すアヤに、マナはひぅ、と息を飲む。
 小さなおなかの中で、じくん、と重苦しい尿意が増したような気がした。





「……ほらぁマナちゃん、さっきから動いてばっかりじゃない!! じっとしててくれなきゃモデルにならないよ?」
「あーあ、また失敗だぁ」
 これ見よがしに、6年生たちが描き損じた画用紙を丸めて破り捨て、床の上に放り投げる。またデッサンは一からやり直しだ、という意味らしい。
 ほんのちょっとだけ、10分くらい、という約束で始まったはずのモデル。しかしあれから既に1時間近くが経っている。マナは机をどかした教室の真ん中に置かれた椅子に座るよう強制され、トイレに行くどころか立つことも許可されていなかった。
「ねえ、じっとしてなってば。我慢足りないよ? マナちゃん」
「うぅっ……ぁ、はぁあっ……」
 アヤ達は、マナにポーズを取らせたまま動かずに居るように命令していた。それも普通の格好ではなく、片方の膝を胸に抱え込ませるような格好だ。ちょっと角度を変えれば下着が見えてしまいそうな恥ずかしいポーズなのだ。それだけでもマナの頭は沸騰寸前である。
 しかも、マナのおなかの中では、いまだ解放を赦されない尿意がくつくつと煮立ち、激しくマナを苦しめている。とてもじっとしていらない。
 びくん、と脚の付け根にイケナイ感触が走る。
「はぁぅ…っ…んっ……」
 じわ、と緩む水門の気配に、マナはたまらず脚を動かしてしまう。おなかの中で暴れ出すオシッコを塞き止めるため、広げていた脚を閉じ、ぴったりと膝を揃えて椅子の天板に股間を擦りつけもじもじと激しく腰を揺する。
「ちょっと!! マナちゃん!!」
 とたんにアヤから鋭い叱責が飛んだ。
「ほぉらまた動いた!! もぉ、動くなって言ったでしょ? マナちゃんはモデルなんだから、動いちゃダメっ!! まーた失敗だよぉ」
「でっ、でもっ……」
 いくら我慢しようとしても、自然に腰が動いてしまう。オシッコを我慢しているときの自然現象なのだ。それを分かっていて、アヤ達はマナにポーズを取ったままの静止を強要している。叱られるたびに姿勢を正しはするものの、すぐにまた尿意に負けてもじもじと膝を擦り合わせるマナを取り囲み、6年生たちはくすくすと笑い合っていた。
「なにやってるの、手どけなさいよ」
「そうだよー、そんなトコロ押さえてちゃ恥ずかしいよぉ、マナちゃん。おんなのこでしょっ?」
「だ、ダメ……我慢……できなぃ……」
「ダメじゃないってば。部長命令よ? ほら」
「や、いやぁあっ……っ!!」
 席を立ち、無造作に近付いてきたアヤはマナの股間から両手を引き剥がすと、無理矢理に脚を広げさせる。ただでさえ両手と内腿の助けを借りて我慢していたところに、一気に支えを失ってマナの股間は爆発する尿意に負けそうになる。
「ぁ、あっ、くぅっ……」
 なんとか、股間の括約筋だけで決壊を食いとめようと必死なマナが、椅子の上でがくがくと悶える様子を面白がるように、6年生達がどっと笑った。
 オモラシ寸前の状況で必死に苦しむマナに対し、心ない言葉が次々とぶつけられる。
「あーあ、みっともない。あんなにシたくなってるんだ?」
「もっとちゃんとトイレ行っとけばいいのにねぇ」
「ほんとほんと。ねえ、私もっと変わったポーズがいいなぁ。もっと足開かせてよ」
「そうね。で、そのまましゃがんでもらうの。どう?」
「えー? 漏らしちゃわない? あの子」
「でも、それいいかもねっ。出しちゃったら自分で片付けさせればいいわよ」
「題して……ションベン小娘、とかどう?」
「あはっ、それ最低ー!!」
 その中には、明らかに、マナにオモラシを強要するセリフもあった。
 女の子としての最大の恥辱を強制する6年生達。一体、どんな悪意があればこんなにも残酷な事ができるのだろうか。理解を超えた先輩の言葉に、マナは背筋にぞっと冷たいものを感じる。
 だが、その底知れぬ悪意は、そんなものではとどまらなかった。
「や、やだ……なんで……?」
「ねえ、聞・こ・え・た? マナちゃん? そういうことらしいから」
「や……やだぁっ、やだっ!!」
「……聞こえたわよね? 部長命令よ?」
 しきりに首を振り、なんとしても逃れようとするマナだが、アヤはまるで万力のようなすごい力でマナを押さえ付ける。抵抗を試みたマナに対して、アヤは容赦なくマナの下腹部に手を当ててぐいっと押し込んだ。
「ふぁう……~~ッッ!!?」
 石のように張り詰めた膀胱が、無理矢理外部からの力によって絞り上げられる。爆発しそうなオシッコが暴力的なまでに猛烈に暴れ回り、マナは目をぎゅっと閉じて必死にオモラシの誘惑に抵抗する。その間にも、脚の間にはじわりと熱い感触が膨らんでいった。
「ね、手伝って。マナちゃんひとりじゃポーズ取れないって言ってるし」
「えー? 漏らしたりしないよね? ひっかけられたりしたらヤダなぁ」
「加減してるもん、平気よ」
 そして、アヤと数名の6年生によって、マナは椅子の上に両足を乗せ、お尻を深く下ろして脚を開いた、いわゆる体育座りの変形したポーズを強制される。遮二無二振り回そうとした腕はガムテープで椅子の背もたれに固定され、さらに両の足首まで椅子の上に括りつけられてしまう。
「や……ぁうっ、ぁ、く、ぅっっ……」
 体を折り曲げ、おなかに圧力のかかる姿勢。まる出しになった下着の股布は、既にいくらか湿って色を変えているようだった。
「うわー、かっこ悪。もう漏らしてない? あの子」
「我慢しなよ。終わったらおトイレ行かせてあげるって言ってるんだからさー」
 これはもう、完全にオシッコをする体勢だ。頭では必死に禁止の命令を出しているのに、マナの身体は長年染みついた習慣のままにオシッコの準備を始めようとする。
 マナの膀胱がきゅうと収縮し、排泄器官がじくんと疼く。溜めこんだ熱い雫がじわじわと漏れて、下着に小さな染みを作る。自由にならない両手足をばたつかせ、マナは必死に許しを請う。
「お、お願いです、もうっ、おトイレ……でちゃうっ……漏れちゃうのっ!!」
「ダメよ、今は部活の時間なんだから。トイレは終わってからよ」
「そ、そんなっ……、部長っ、意地悪しないでぇっ……」
「意地悪じゃないわ、規則よ。それともアンタ、部長の言うことに逆らう気?」
「あ…く、ごめんなさい、謝りますっ……お願いします、だから、おトイレ、おトイレぇ……っ、オシッコでちゃう~~っ!!」
 トイレに行く事にすら許可を要し――オシッコすら自分の意志ですることができないという、惨めな状況。排泄の自由を他人に握られて、マナはパニックに陥っていた。混乱のままに惨めな謝罪を繰り返すマナを、アヤ達は嘲り笑い合う。
「ダメだって言ってるじゃない。あんた、あたしの言うこと聞けないの? だったらもう解いてあげないんだから」
「そ、そんなぁ……っ」
「どうしても我慢できないなら、そこですればいいじゃない。オシッコ、でちゃいそうなんでしょ? ほら、手伝ってあげる」
 そろそろマナの限界が近いと見て、被害に遭わないようマナの側を離れ、遠巻きに見守る6年生の中から、アヤがすっと進み出た。
 その手には水彩用の筆と、筆洗いが握られている。
 どちらも、マナ自身の持ち物だった。
 これまでなんとしても、浅月先生のお気に入りであろうとしていたアヤは、転校してくるなりあっさりと自分から浅月先生の関心を奪ったマナを、はじめから許すつもりはなかったのだ。
「くぅううっ……」
 どうすることもできず、腰を揺するマナに、アヤはすっと身体を寄せる。限界寸前の尿意に襲われながらも、マナは警戒に身体を竦ませる。
「な、なに……する……」
「別に? そんなにオシッコしたいなら、我慢は身体に毒だからね。マナちゃんにオシッコさせてあげるの。嬉しいでしょ?」
「っ……ぁあああぅっ!?」
 マナの悲鳴が上がる。アヤが筆の先端でマナの股間をなぞりあげたのだ。びくびくと痙攣する少女の下着に薄く色のついた染みが広がってゆく。じわじと拡大した染みは、とうとう椅子の天板に広がり、水たまりを広げてゆく。
 自分の大切な筆をオシッコで汚し、マナはもがいて暴れた。
「あ、ぁっ、あ、で、で、ちゃう、でる……っ!!」
「ねえちょっと、本当に出しちゃうの? ダメよこんなところで。我慢しなさい」
「っ、だめ、ダメ、離して、といえ、といれぇ・・…っ」
「あーあ。仕方ないなぁ。……じゃあ、マナちゃんのトイレだよ」
 マナの股間にぐいっ!! と固いものが押しつけられる。それはマナの愛用している筆洗いだった。
 筆洗いには、コピックの乱暴な文字で、『マナちゃん専用トイレ』と書き殴られている。
 アヤは、ここにオシッコをしろ、と言っているのだ。
「っ、やだ、やだぁっ!! 離して、離してよぉっ!!」
 暴れるマナの足元に、ぽたぽた、ちょろろっ、と水滴がこぼれ始める。自分の大切な、絵を描くための道具を、自分のオシッコで台無しにしてしまう。そんなことは絶対にできない。
 けれど、生理現象の極限を迎えた身体は、マナの鋼鉄の意思を無視して勝手に排泄を開始してしまう。
 そして――
 激しい水流が、筆洗いの奥へと注ぎ込まれるその刹那。
「いやぁああああああ!!」
 マナは感情を爆発させ、脚を固定するガムテープを無理矢理引きちぎった。自由になった右足をくねらせて、筆洗いを跳ね除ける。
 同時、激しいオシッコが始まった。
「うわああっ!!」
「わぁ……オモラシ? 本当に?」
「あーあ。我慢してって言ったのになぁ」
 嗜虐の笑みに頬を紅潮させながら、アヤはマナを見下ろす。自分でも止められない羞恥の水流を恥ずかしい股間から吹き出させながら、マナはいやいやと頭を振り続けた。1リットルのお茶がそのまま変じたオシッコが下着の股布を通過して、椅子の天板を通り越し、放物線を描いて床の上に撒き散らされる。腰をよじるマナに合わせ、水流は湯気を立てびちゃびちゃと床にこぼれ落ちてゆく。
「ねえ、ほら。……マナちゃん? ちゃんとオシッコ、おトイレにすればよかったのにねぇ。……我慢できなかったから、せっかくの傑作が台無しになっちゃったよ?」
「え……?」
 マナが、ふと涙で滲んだ視線を上げる。
 床の上――茶色い板の上に、いつの間にか、マナには覚えのない青い色彩が広がっていた。
 画用紙の上に散る水滴が、まだ乾ききっていない画用紙を濡らしてゆく。
 マナの足元に広げられたのは、さっき描き上げたばかりの水彩画だった。
「っ、いや、、だ、だめぇええええええええっ!!!」
 少女の金切り声が美術室に響く。
 オシッコを中止して立ちあがろうとしたマナだが、脚は自由でも両手はいまだに拘束されたまま。もはや暴走した尿意は完全に少女の身体のコントロールを離れている。激しい水流が床上の画用紙を直撃し、マナが二週間かけて書き上げた力作を台無しにしてゆく。
 しびれた足では満足に立ちあがることもできず、吹き出すおしっこ水流はのたうつ蛇のようになって床に飛び散った。
「うわっ!?」
「ちょ、汚なぁいっ!!」
 跳ね散るオシッコから逃げ出すようにクラスメイト達が一斉に距離を取った。
「やだ、やだぁ!!! 出ちゃダメ、ちがうの、オシッコとまって、とまってよぉお……っ!!! やだ、やだぁ……!!!」
 激しい黄色い水流に絵の具が溶けて、緑色になった画用紙が、くちゃくちゃに折れ、汚れてゆく。マナの悲鳴と涙を伴って、床の上に生み出される前衛芸術を見下ろして、アヤは薄く笑みを浮かべる。

『わたしのオモラシ   5年3組 一之瀬マナ』

 おしっこでぐちゃぐちゃに汚れた画用紙に、そうタイトルを付けられて、むりやり壁に張り付けさせられ。
 美術室を後にするアヤ達6年生を、もう振り向くことすらもできず。
 マナはいつまでも、自分の作った水たまりの上で泣きじゃくっていた。



(初出:学校でトイレを禁止されるいじめ 173-179 2007/10/15)

 
[ 2007/10/27 09:19 ] 小説 | トラックバック(-) | コメント(-)
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