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夏休みの我慢の話。(図書館編) 


「……暑い……」
 言ってみたところで仕方がないが、それでも口にせずにはいられない。図書館を出てほんの数分で、冷房に慣れていた身体はあっという間に悲鳴を上げていた。
 夏休みに入ったばかりの通学路は、いつものような賑わいとは無縁に、通りがかる人もまばらである。
 じわじわと鳴く蝉の声は、強い陽射しの降り注ぐアスファルトから立ち昇る陽炎をいっそうくっきりと浮かび上がらせ、まるで熱したホットプレートの上を歩いているような気分にさせてくれる。
 首筋に浮かぶ汗の不快な感触を気にしながら、明日香はブラウスの襟を引っ張ってぱたぱたと風を送る。学校指定の夏服は、布地も薄く色も軽いものだが、それでも30度を軽く超える真夏の気候にはとても対応しきれていない。
(急がなきゃ……)
 早足で歩く少女の手は、そっと鞄を握り締める。
 明日香も、できることならこんな時間に表を歩きたくはなかった。勉強に身が入らず帰るにしても、もっと遅く――日が落ちて、もっと過ごしやすくなる夕方まで待った方がよほど利巧なやり方だ。
 だから――彼女がこんな中途半端な時刻にわざわざ快適な図書館を出て、外を歩いているのには理由があった。
「ん……っ」
 ぞわり、と込み上げてくる軽い衝撃。
 それを乗り越えようと身体をよじった拍子に軽くこぼれかけた吐息を、下唇を噛んで飲み込む。
 じん、と下腹部に拡がる甘い痺れが、身震いをするように、おなかの奥でざわめくのを感じながら、明日香はこっそりと息を吐いた。
(……っ、はやく……おトイレ……オシッコ……)
 制服の下腹部にぐっと飲み込んだ、切羽詰まった尿意。
 少女の繊細な膀胱をぱんぱんに膨らませた恥ずかしい液体に急かされながら、明日香は焼けたアスファルトの道を足早に進んでゆく。
 一歩を踏むたび、おなかの中で危険水域に達した水面がたぷんと揺れ、たまらずあそこにぐっと力を篭めてダムの出口を塞ぐ。





 図書館での勉強は明日香の日課で、毎年夏休みが始まると、明日香は一日のうち最も暑い時間を冷房の利いた自習室で過ごすようにしている。
 宿題はだいたい7月のうちに片付けてしまい、あとは気の向くままに本を読んだり、参考書の問題を解いたりして過ごす。クラスでも上の方から数えて何番目、にランクインする成績を維持できているのは、そのおかげでもあった。
 クラスメイトは夏休みの開始と同時に、最新の流行のお洒落をしてあちこちに遊びに行くが、明日香はそんないまどきの少女達とは対照的だった。わざわざ外出の時に、校則指定の制服を着ているのも、明日香の生真面目さによるものだ。
「……んぅ……っ」
(や、やだ……また来ちゃった……)
 さっきよりも強い波がきて、明日香は思わず立ち止まってしまった。
 ゆっくりしている暇なんてないが、動いているとなにかの拍子にちょびっと漏れ出してしまいかねない。さすがに往来で前押さえはできないので、鞄を持つ手をそっとスカートの前に寄せて、きゅきゅっと膝を寄せあう。
 これだけの仕草でも明日香にしてみればかなりの譲歩だが、なおも激しい尿意は少女の羞恥心を相手に一歩もひるまない。
 路傍のただなかで、より恥ずかしい我慢の格好を引き出そうと、膨らんだ尿意の塊がちくちくと少女のオシッコの出口を責め苛む。あそこが小さく引きつる気配と、背筋の粟立つ感触に、明日香はたまらずくねくねと腰を揺すってしまう。
「っ……」
(は、はやく我慢して……おトイレ、行かないと……)
 気ばかり焦るが、じりじり高まり続ける尿意の波のただなかでは思うように足も進まない。ここから家まではまだ10分近くかかるのだが、それもいつも通りのスピードで歩けていればの話だ。
 下腹部をぱんぱんに膨らませたオシッコを我慢しながらでは、わけが違う。
 きゅんと疼く甘い痺れが、おなかの方から徐々にその下へと移りだしていた。我慢の限界が近いのだ。
(……うぅ……おさまってよぉ……)
 鞄の下でおなかをさすり、どうにか荒ぶる尿意をなだめようとする明日香。
 緊張した括約筋がびりびりと震え、今にも熱い雫がすぐそこまで込み上げてきそうな緊迫感が、休むことなく続いている。
 下着の股布にじんわりと滲む湿った感触は、きっと汗なんだと自分に言い聞かせながら、明日香はまたのろのろと歩き出した。





 明日香はどちらかというとトイレが近いほうだ。
 夏の間はきちんと水筒で麦茶を持参して喉を潤すようにしているが、冷房の効いた図書館では結構な頻度でトイレに立つことになる。
 だが、今日の図書館ではあいにくなことに、婦人用のトイレが改装工事中だった。
 そのため、図書館側の配慮で紳士用トイレが一時的に共用のトイレになるという措置が取られていたのだった。が、人一倍羞恥心の強い明日香が、男の人も利用するトイレを使えるはずもない。
 もちろん、明日香も最初からそれを知っていればそもそもこんな状態になる前に図書館を出ていただろう。
 だが明日香は不幸なことにそれを知らないまま、いつもの調子で宿題に熱中し、数学の問題集を一区切りつくまで解いて、だいぶ我慢がきつくなってきたところで慌ててトイレに立って、現実の大問題に直面したというわけだった。
(……やっぱり、恥ずかしくても図書館で、おトイレ行っておけばよかったのかな……。でも、男の人も使うところで、お、…オシッコなんて……できるわけないし……)
 けっきょくためらった末に、仕方なく図書館を出たものの、もともとは図書館のトイレでオシッコを済ませる予定だったため、まったく不意打ちでおあずけを食ってしまった明日香の排泄器官は、急遽決定した我慢の延長戦におもいのほか苦戦を強いられていた。
 この分では、家に帰るまで我慢をしきるのは難しそうですらある。
(……あとちょっとで公園だから……あそこのおトイレ、使わせてもらおう……)
 あまり清潔とは言えない公衆トイレだが、もはや背に腹は変えられない。少女の羞恥心を押さえこんで、明日香は緊急放水のための寄り道を決意する。学校の制服で寄り道は本来いけないことで、おまけにこの格好でトイレに入るのはかなり抵抗があるのは事実なのだが、明日香の尿意はそれ以上に切迫していたのだ。
 本来は直進すべき交差点を右に曲がり、路地を抜け、大通りへと。
 カラフルな遊具と、木々が茂る市立公園は、すぐその先にあった。
(……んぅっ)
 遊具の向こうにあるクリーム色の小さな建物が視界に入った瞬間、ちくちくと尿意が刺激される。ついに見つけた『オシッコのできる場所』に、おもわず小さくこくりと唾を飲み込み、明日香は一番近い横断歩道に向かった。
 公園に渡るには横断歩道と歩道橋があり、どちらも同じくらいの距離がある。どちらを通ってもかかる時間は同じようなものなのだが、いまの自分には階段の昇り降りはかなり辛いだろうことは容易に想像できたため、明日香は迷いなく横断歩道を選んだのだ。
 だが――
 途中でぐずぐずしていたためか、明日香がちょうど横断歩道に辿り着いたところで横断歩道の信号が点滅をはじめてしまった。
「あ……」
 思わず待ってと口にしかける明日香だが、もちろん待ってくれるわけもない。ほどなく赤になった信号の前で、明日香はじっと立ち尽くす。優等生の明日香には、信号無視なんて発想が浮かぶわけもない。
 とたん――明日香のそわそわとした様子が目立ち始めた。不恰好に寄せあった膝と、モジモジと揺すられる腰。歩いていればすこしは紛れた尿意も、じっと立っているだけだとうまく受け入れることも難しい。
 不自然にステップを刻むローファーの爪先も、精一杯のさりげなさを装って交差させられる脚も、もはや誰の目から見てもはっきりとトイレを我慢している様子を知らせるものだった。
(っ……だめ、あとちょっとなんだから……っ)
 行き交う車の前に晒される格好になって、明日香は羞恥に顔を赤らめながら俯いて、なんとかして腰の揺れを押さえこもうとする。だが、締め付けを続けて疲弊した括約筋は思うように言うことを聞いてはくれない。
「あ……くぅ…」
 じんじんと疼く股間が、ぷくりと尿意の先走りに膨らみそうになる。明日香はたまらず鞄から片手を離して前押さえをせずにはいられなかった。スカートの上をくしゃくしゃにして、溢れそうなオシッコを塞き止める。
 車道の側の視線を鞄で遮って、その裏側でぎゅぎゅっとスカートを押さえ、股間を握り締める。
 せり上がる尿意に溺れまいとするように、明日香は爪先立ちになっておしりを持ち上げ、不安定な上半身を信号の柱にもたせかけていた。
(んぅ、ああ、ぁっ)
 揉み解された股間にびりびりと電流が走り、背筋を這い上がる痺れに明日香はぐっと唇を噛んで耐えた。
(ま、まだ!? まだ、信号、変わらないのっ!?)
 横断歩道を睨み付けるが、赤信号の変わる気配はない。せりあがってくる尿意は激しく、ずしりと重い。限界に近い尿意になぶられ続け、ほんの数秒が、明日香には何十分にも感じられてしまう。
 切なく握り締めた指先が、信号の向こう側の公衆トイレを欲している。
 目の前――直線距離ならあと数十mで辿り着けるであろう『オシッコのできる場所』が、ますます少女の排泄欲求を活性化させる。
「はぁ、はぁはぁっ……」
 なりふり構わず必死に我慢を続ける明日香をよそに、じゅ、じゅっ、とほんの少しチビってしまったオシッコが、下着にちいさな染みを作ってゆく。
(ちょっと……出ちゃった……っ)
 おチビりのショックに赤くなりながらも、そこで屈することはなく、明日香はなんとかおなかの中にオシッコをとどめたまま、強烈な津波を乗りきった。
 そして、ようやく横断歩道が青信号へと変わる。
「……っ!!」
 「止まれ(我慢しろ)」から「進め(出してOK)」へと切り替わった信号に、明日香は短距離走のスタートを切るように駆け出していた。おぼつかない脚を無理矢理に急がせて、横断歩道を一息に駆けぬけ、公園の入り口をくぐって待望のトイレへと一目散に走り寄る。
 公衆トイレの入り口は二つ、そのうち入ることの許された赤い女性用のマークを見極めて、明日香はためらうことなくその中に駆け込んだ。もはやオシッコを済ませるまで一直線、わずかな躊躇すら成否を分ける秒単位の戦いなのだ。いったんおチビりをはじめてしまったオシッコの出口が、とても脆いことを明日香は知っている。
(はやく、はやくっ……!!)
 夏の熱気によって、むわっとした不快な臭いが篭ったトイレの中、二つ並んだ個室は片方が『使用中』のマークをドアノブに刻んでいる。
 鞄を荷物掛けに放り投げ、スカートの前を押さえながら、もうひとつの個室へと走りこんだ明日香が、タイルの上で脚踏みをしつつ後ろ手にドアを閉めようとしたその時。
 オモラシ寸前の少女を、さらなる悲劇が襲う。
「え……っ?」

 がこっ!!

 ドアにかけた指先が、強い力でもぎ取られる。
 夏の湿気でドアが歪み、地面のタイル接したまま固定されてしまっていたのだ。タイルに食いこんだドアは、開いたままびくりとも動かない。
(う、うそ……っ)
 震える指先に再度力を篭めるが、ドアはわずかに動く気配すらない。
 洋式の個室は、ちょうどドアの方に向かって腰掛け、用を足す配置になっている。このドアが閉まらなければ、明日香はトイレの外に向かって何もかも丸見えになった状態で、オシッコをはじめなければならない。
 もちろん、そんな事はできるわけがなかった。
(な、なんで…ぇ…!?)
 公園には少ないながらも人がいるし、いつ誰が入ってきてもおかしくない。そんな状態で、自分がオシッコをしているまさにその最中の格好を見られるなんて、死んだ方がマシだ。
 あるいはもっと明日香に余裕がなくて、ドアの異常に気付きもしなければ、もはやどうしようもなくオシッコを始めていただろう。だが、一度気付いてしまえば、隠すものもなく丸見えの状態での排泄は、年頃の少女にはとても許容できるものではない。
「な、なんで閉まらないのっ……!?」
 焦りと共に明日香は三度ドアを引く。だが、地面に踏ん張ることもままならない爪先立ちの脚踏み状態では体重をかけてドアを動かすこともできない。下着を下ろそうとしていた片手が、込み上げる尿意を押さえこむためぎゅうっとスカートの下で股間を握り締める。
 しかし、もうここで解放される予定だったオシッコは、我慢の再延長戦には応じてくれなかった。手のひらでも塞き止めきれず、じゅじゅ、じゅぅっとチビり出したオシッコが下着にじんわりと拡がってゆく。
(ぁう……っ)
 出ちゃダメ、出しちゃダメ、と呪文のようにつぶやいて必死に我慢を奮い立たせる明日香だが、2度目のおあずけには、身体の方が対応できない。
(や、やだっ、このまま……お、オモラシなんかっ……!!)
 おしりを突き出したまま、ふらふらと個室を出た明日香は、最後の望みを託して隣の個室に向かった。
 いまだ使用中の個室の中では、音消しの水の音がざぁざぁと響いている。我慢の限界寸前の明日香を差し置いて、自分ではない誰かがすぐそこで、オシッコをすることを許されている――その状況に理不尽な怒りすら覚えてしまう。
「……あ、あのっ」
 もはや恥ずかしいなどと言っていられない。一秒を争う一大事だ。使用中のドアをノックしながら、明日香は必死に声を上げる。
「す、すいません、か、代わって……くださいっ……!! あ、あの、わたし、もうっ……、が、我慢……できな……っ!!」
 しかし、個室の中からの返事はない。
 少女が羞恥をこらえ辛うじて絞り出したか細い声と、力の篭らないノックは、明日香の最期の懇願は、無情にも沈黙をもって応えられた。
 閉ざされたままの個室と、
 ドアが閉まらず、使えない個室。
 もはやこの公衆トイレの中には、明日香がオシッコを済ませられる場所は残されていなかった。
(ど、どうしようっ……で、でちゃぅ…っ!!)
 ぎゅうぅっと交差した脚の隙間から、じわ、じわと熱い雫が滴り始める。前を押さえた指の間からも、ちろちろと薄黄色い雫が吹きだしていた。もはや耐えきれない尿意が、津波のように少女の下腹部を襲う。
「ぁ、あ、ぁっ」
 ぱくりと開いた少女のくちびるから、意味を持たない声がこぼれる。
(も、もういいや、見られちゃっても、さ、さっきのところで……っ)
 すでに選択の余地はない。ここからさらに他のトイレまで我慢するなど論外だし、このまま使用中の個室が開くまで耐え続けられるとも思えなかった。
 覚悟を決めて踵を返した明日香だが、そこまでだった。
「あ、ぁ~っ…あぁ……っ……」
 まさに目前、トイレまであと1mの所で、込み上げてくる激しい尿意の大高潮。明日香は反射的に立ち止まり、爪先立ちになってそれを堪えようとし――結果、3度目の大津波に、とうとう我慢は崩壊した。
 トイレのドアにしがみ付いたまま、少女の腰ががくがくと震え、握り締められたスカートがくしゃりとねじられる。
 明日香の小さなくちびるが意味のない声をこぼし、少女の身体は股間からおしりへと回ってゆく熱い感触に足元がふわふわと浮かぶような快感に震えていた。
 我慢の限界を迎えた排泄孔が、下着の内側で濡れた布地に激しい水流を吹きつけ、制服をだいなしに汚していた。空気の音の混じったじゅじゅ、じゅぶっ、じゅるるっというくぐもった水音がこぼれ、トイレの床にばちゃばちゃと水流を散らしてゆく。
 ローファーもすっかり色を変え、皮が反り返ってオシッコを吸い、ソックスまでもオシッコ水浸しになっていた。
 しゃがみ込んでしまった明日香の足元、床のタイルにどんどんと大きな水たまりが拡がってゆく。本来明日香がオシッコをするべきトイレとは反対側の、わずかに傾斜した床の向こうの排水溝に流れ落ちてゆく少女のオシッコは、トイレの床面積のほぼ半分近くを汚していた。
(っ……)
 我慢の末の決壊に、途方もない解放感。
 トイレを目の前に、オモラシをしてしまった衝撃に呆然となる明日香をよそに、ようやく使用中だった個室のドアが開こうとしていた。



(初出:書き下ろし 2008/07/27)

[ 2008/07/27 22:23 ] 小説 | トラックバック(-) | コメント(-)
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