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社会見学バスの話・10 戸塚智代 

 切羽詰まっているのは二人だけではない。
 戸塚智代もまた、シートの上で腰をよじり、押し寄せる尿意と戦っている一人だった。
 否、その危機的状況だけを切り取れば、彼女ほど追い詰められている少女は、バスの中にもほとんど居ないと言っていい。
(ん、んっ、ん……っ、あ、ま、また…っ)
 ぴきゅん、と脚の付け根にイケナイ感触。
 慌てて押さえようとした手のひらの内側で、じゅじゅっ、じゅうぅうとかすかな水音が響く。制服のスカートの下の大切な場所の、女の子の水門を押し破って噴き上がる雫が、濡れぼそった下着にじわあっと温かい感触を広げてゆく。
(ま、また出ちゃった……っ)
 さっき、これが最後と決めたばかりなのに。
 智代の身体は度重なるオモラシの誘惑に耐えられず、またもおチビりを繰り返してしまう。それは決して小規模なものではなく、既に下着を股布部分以上に大きくぐっしょりと湿らせてしまうほどの大失態だ。
 ぷくりと膨らむ排泄孔は、懸命の努力にも関わらず、ぷしゅっと飛沫を上げて恥ずかしい雫を噴き出し、漏らしたてのオシッコがじわりと足の付け根を広がり、太腿から膝裏を伝ってゆく。
 スカートにきつく挟み込んだ手のひらにも、制服の布地越しに、じわあっと暖かい湿り気が広がってゆく。はしたない水流を迸らせた排泄器官がきゅんきゅんと、排泄の解放感を訴え、じんじんと熱い痺れを下半身全体へと伝播させる。
(んぅ、はあぅ……)
 ぴきゅんっ、と跳ねるように少女の排泄器官が身悶えし、下腹部に収まりきらない羞恥の水風船が、まただらしなく出口を緩めてしまう。断続的に響き渡る黄色い稲妻が、恥骨から背骨を這い上がり、頭の中で炸裂した。
(だめ、もうだめ……だめなのにぃ……っ)
 じゅじゅぅ、じゅっ、じゅうううっ……
 必死に食い止めようとする努力もむなしく、羞恥に引きつった内腿を、再度の決壊が襲う。たった今たっぷりとオシッコを吸いこませた下着と座席シートに、さらに熱い水流が噴き出してゆく。
 排泄孔を括約筋を締め付け、内腿の筋肉を強張らせて、水門を塞ぐ――そんな事すらままならない。オシッコを我慢する、という命令系統は完全に蔑ろにされていた。
 限界を訴える下腹部の水風船の欲望は、そのまま智代の女の子の出口を直撃する。
「んぁあ……っ」
 じゅっ、じゅじゅじゅっ!!
 濡れぼそってぴたりと肌に張り付いた下着の股布部分が、噴き上がる恥水にわずかに膨らむ。既にその布地の保水力を超え、吸収しきれないオシッコは、智代の座る座席シートに、乗り出した足を伝って床上にと零れてゆく。
 おチビりの度にぴきゅんぴきゅんと疼く尿意はいよいよ激しく牙を剥き、本来の命令系統をまったく無視して、いい加減に諦めて女の子の水門を完全に開いてしまえと智代に命令してくるのだ。智代はもはや、荒れ狂う下半身を支配する尿意の奴隷といっても過言ではない。
(はあ、はあっ……あ、やだ、ま、またぁ……っ)
 たった今、少なくない量をチビらせた股間が、またも熱い雫を噴き上げる。
 スカートの上から揃えた両手を腿の間に挟み、前屈みになって身体を強張らせる智代の不審な姿は、周囲のクラスメイトからも注目を集めていた。
 智代はとてもトイレが近い。クラスの中でも背の順が前の方であることも含めて、十分に発育しているとはとても言えない排泄器官は、十分な貯水量の膀胱も、強烈な尿意に耐えて水門を閉じるだけの括約筋の力も持っていないのである。
 とりわけ、同年代の少女に比べてもその容量の小さな乙女のダムは、一晩の間オシッコを蓄えていることもできず、眠っている間に尿意を訴えることもよくあった。流石に学校を上がってからは、オネショはもうめったに(月に2回くらいしか)しないが、夜中に飛び起きてトイレに駆け込むことはほとんど毎夜のことだ。
 そんな智代が、トイレ無しでこの険しい道程を耐えきれるはずがない。
 利尿作用たっぷりの紅茶を飲まされた上、3時間もバスの中に閉じ込められている時点で、この致命的状況は確実だったのだ。ただでさえ貯水量の少ない智代の恥骨上のダムは、とっくに我慢の限界を迎えていて、これまでにも、大規模なもので4回、小さなものを含めれば20回近くも、パンツの中におしっこをチビっていた。
 それもはっきりと『漏らした』と数えられるのがそれだけというだけで、数滴ずつ出てしまった分まで含めれば数えきれないほどだ。
 既に下着は股布部分どころかおしりの方までびっしょりと濡れ、断続的に漏らし続けたオシッコは座席シートの深い部分まで染み込んでしまっている。
(と、トイレ……おトイレ……っ、おトイレ行きたいっ……!!)
 智代は、バスの中でも数少ない、公園出発前にトイレに行った少女の一人だった。もともと排泄には悩みを持っている少女だ。いくら使うことの躊躇われる不潔な汲み取り式の公衆トイレとはいえ、オシッコを済ませないままバスに乗るなんてことはありえなかったのである。
 清水先生の注意がなくとも、智代は出発を控えたバスからいち早く下りて自主的にトイレに並んでいた。他のクラスメイト達が、改めて汲み取り式トイレの汚さに驚き、躊躇い、ついには使うことを諦めてバスに戻ってゆく中、智代は恥ずかしさと不快感をを堪えて個室に駆け込んだのだ。
『……ねえ、本当にこんなトイレでするの?』
『あんなとこ使うくらいなら、我慢するよ……』
『うーん、我慢できないのは分かるけど、ちょっと、必死すぎって言うか……』
『なんか女の子として終わってる感じ、しちゃうよねえ。あはは』
 そんな雰囲気の中、智代は赤い顔を俯かせて汲み取り式の便器を跨ぎ、ポケットティッシュを握り締めて、おなかに溜まったオシッコを、しっかり、勢いよく、一滴残らず絞り出してきたはずだった。
 それなのに、智代の我慢は既に限界のカウントダウンを刻み続けているのである。
(あ、あっあ、あっ、だめ、またぁ……)
 じゅ、じゅじゅじゅぅ、っじゅうぅっ。
 またもはっきりと周囲に聞こえるほどの水音を響かせて、尿意に屈してしまう、だらしない下半身。じゅわあ、と新鮮な漏らしたてのオシッコが、スカートの間に押し付けた手のひらにまで染み込んでくる。
 だが、智代の排泄孔をなぶり続ける尿意は、収まるどころかむしろ激しいものに変わっていた。
 そう。いくらおチビりで少しずつ排泄を続けているとは言っても、智代の尿意が和らいでいる訳では決してない。見学の間に摂取した水分は智代の我慢できるトイレの限界を遥かに超えており、現状は容量の小さな排泄器官に収まりきらない分が溢れだしているだけである。
 むしろ、利尿作用にも敏感な智代の身体は乙女のダムに注ぎ込まれる恥ずかしい液体の量をいや増す一方であり、延々と我慢させられているのと全く同じことだった。
 きちんとしたトイレでちゃんとオシッコを済ませているわけではないのだ。30分近くをかけて続くオモラシは、少しずつ排泄を先延ばしにしているようなもので、おチビりを繰り返し、過敏になった排泄器官はわずかな刺激にも反応してオシッコを漏らしてしまう。水門の弱い場所を覚えたオシッコは、ちくちくとした尿意をますます激しく暴れさせ、執拗に智代の出口の敏感な部分を刺激する。
(ぁ、あ、ああっ、だめ、もう出ちゃだめ、なのっ……)
 出かける前にトイレに行ったのに、もう限界を訴え恥ずかしいおチビりを繰り返す自分の身体を呪いながら、智代は必死に歯を食いしばる。
 くねくねと擦り合わせる脚の間に、またもじわあっと温かい雫を噴き上げながら、智代は懸命に足の付け根を握り締め、ダムの本格的な決壊だけは回避しようと身を強張らせる。これもまた、他のクラスメイトには理解されないかもしれない、少女の孤独な戦いだった。
[ 2012/08/10 09:00 ] 長編連載 | トラックバック(-) | コメント(-)

社会見学バスの話・09 久能愛理 

「んっ…、んぁっ……!!」
 堪えようとした声が、我慢できずに塞いだ口から漏れてしまう。
 下腹部を庇う手を離して、咄嗟に白魚のような指が押さえつけた口元から、艶めかしい喘ぎとなって吐息が漏れた。
 整った顔立ち、躾の良さを窺わせる慎ましやかなたたずまい。久能愛理はそんな如何にもな『お嬢様』の外見をもつ、掛け値なしの美少女である。
 そんな愛理が切なげに腰をくねらせて身悶えする様は、近くに座っていたクラスメイトたちも思わずドキッとさせるほどのものだ。
「んふ、ぅっ……」
 声を上げまいとすればするほど、ちくちくと下腹部を刺激する尿意は鋭さを増しているようだった。愛理の女の子の部分に、身体の中から恥ずかしい液体がイケナイ悪戯をする。
 またも漏らしてしまった呻きと一緒に、女の子の大事な場所からもオシッコが漏れそうになり、愛理は慌てて脚の付け根に力を込め、排泄孔の出口を締め付ける。
 それでも我慢しきれない熱い雫が、ちょろろろっとこぼれて、下着の股布にじわあっと熱い染みを広げてゆく。
(あ……だめ、……ぁっ)
 ほんの数滴のおチビりであっても、下腹部をたぷたぷと揺らすオシッコを排出する行為がもたらす解放感はとてつもなく甘美だった。思わず崩れ落ちそうになる腰を懸命に持ち上げて、愛理は心を奮い立たせる。
 猛烈な尿意はなおまったくおさまらず、下腹部の水風船はいまにも破裂しそうに膨らみ続けていた。ダムの内側で激しく泡立った薄黄色い濁流が、隙あらば愛理の大事なところを突き破ろうと水圧を高めているのだ。
(……くぅ……っ、だめ、おさまって……ぇっ)
 じいんと鈍い痺れがおしっこの出口を震わせ、疲れ切った括約筋が限界を訴える。少しでも気を抜けば、座席シートの上に間に羞恥の水流を噴射しそうになる脚の付け根のダムの放水孔を、内腿をぴったりと閉じ合わせて押さえこみ、愛理ははあはあと息を荒げた。
(……こ、こんな所で、お粗相なんて…いけないんです、からぁっ……!!)
 猛烈な尿意にさいなまれながらも、まだ愛理は一度も、他の生徒のように股間を押さえ込むようなはしたない真似はしていなかった。足を閉じ、そろそろとふくらはぎを擦り合わせ、もじもじと腰を動かす――どうにかその程度の『ささやかな』我慢の仕草だけで、この窮地に立ち向かっているのである。
 お嬢様としての気合とプライドを武器にして、折れそうな気持ちを支えるのを手伝わせる。それでも愛理の矜持は、これまでにも何度も挫けそうになっていた。
(が、我慢、我慢っ……ちゃんと我慢しなきゃ……いけないんですからっ!! だ、だからちゃんと我慢っ、しな、ぁんぁう!?)
 じんっ、びりびりりっ。
 エンジンの振動が、座席に押し付けた股間を直撃する。外と中からのダブルの衝撃に、愛理は目を見開いてしまう。
(ぁあ、ぁ、ああっ、あ、だめぇええっ)
 珍しく、渋滞の車が前に動いたのだ。立て続けの振動に愛理は思わず弱音を上げてしまう。はあはあと息はますます荒くなり、頬はすっかり紅潮している。形の良い唇はきゅうっと噛み締められ、スカートの裾を掴む指にもきつく力がこもる。
 本当なら、みんなと同じように、はしたない姿を晒す事もいとわずにぎゅうぎゅうとスカートの前を握り締めたいのだ。それをせずになお堪えようとしているのは、幼い頃から愛理を躾けた祖母の教育ゆえである。慎み深い淑女に育つように、少々時代遅れとも思える祖母のしつけは、まだ幼いはずの愛理にしっかりと刻み込まれ、ともすれば杓子定規にはしたない真似を決して許容できない、堅物な価値観を植え付けていた。
(ダメよ、あんな――あんなみっともないことだけは、っ、しないようにしなくゃっ……!!)
 その潔癖な思考は、同じように尿意に苦しむ他のクラスメイト達を蔑んでいる事に他ならないのを、愛理はまだ気づいていない。
 辛うじてあそこを押さえるようなはしたない真似だけはせずにいたが、それも時間の問題だった。形振り構わずに我慢のポーズを取らなければ、これ以上切迫した尿意を耐えるのには限界がある。
 スカートの裾を掴むだけ、そっとおなかを撫でるだけ。少しだけ、ほんのちょっとだけと許した甘えは、いまやプリーツの整った制服のスカートの布地をぎゅうぎゅうと、雑巾でも絞るように握り締めてしまっている。愛理が何を我慢しているのかは明白で、必死に保ってきた委員長としての体裁も、いよいよ崩れそうになっていた。
(っ、はあ、はあっ、はあっ……)
 大波のように荒れ狂う下腹部のうねりを乗り越えながら、どうにか深呼吸を繰り返し、愛理は今日4度目となる最大の危機を乗り切った。訪れるたびに前回を上回り、もはや絶体絶命と言っても過言ではない限界を、愛理はまたも退けたのだ。
(は、早くして……、早くしてくださいっ……んっ、も、もう、本当に……っ)
 しかしその事実に安堵する暇もなく、愛理は眉を吊りあげ、攻撃的な視線をバスの外へと向ける。失われた余裕はそのまま害意に似た感情を孕み、いまののっぴきならない状況を作り出したこの渋滞の列へと叩き付けられていた。
(うぅ、お願いします、急いで……急いでくださいっ、んぁあっっ……!! お粗相を、してしまう、前に、はやくッ……!!)
 もう、子供じゃないんだから――と、見栄を張ってまで。
 出発前にトイレに行かなかったのは、あくまでの愛理の決断、決断だったはずだ。混んでいたとはいえ、不衛生だったとはいえ、記念公園のトイレが使えなかったわけではない。
 しかしそのことを棚上げにして、愛理は今の苦境の理由と原因を、渋滞の他の車や、思うように進まないバスへと転化してぶつけていた。
(こ、こんなんじゃ、そのうち、本当にっ……)
 また弱気が頭をもたげようとする。それをねじ伏せるように、愛理は強くバスの床を蹴った。ばん、という小さからぬ音に、数名の生徒達が驚いて愛理を振り返る。
 オシッコ我慢のゴールとなる学校までの距離はなお遠く、バスの進みは亀のように遅い。学校どころか、高速道路の出口――いや、ここから一番近いサービスエリアまでだって、間に合うとも思えない。
 我慢の限界が迫り、愛理はとうとう椅子の上でばたばたと脚をばたつかせてしまう。
「くっ…んんっ!!」
 閉じ合わせた唇の間から、苦悶の呻きがこぼれる。幼さをあまり感じさせない整った顔立ちは、高まり続ける尿意に歪み、青ざめ、額やこめかみにはじっとりと汗が浮かぶ。
(ほ、本当に……もらしちゃうかも……っ)
 弱気になった心が、あり得ない――あってはならない想像を頭の中に作り出してしまう。限界を超えて噴き出したオシッコが、下着を一瞬でずぶ濡れにして、スカートを、ソックスを、革靴を濡らして足元に大きな水たまりを作る。
 プリーツを綺麗に折り整えた清潔なスカートを、女の子の大事な部分から溢れた薄黄色の水流が見るも無残に染め上げ、濡れぼそった布地は脚に張り付いて、溢れ落ちる水流をくっきりと映し出す。
 我慢に我慢を続けたオシッコはなお止まらず、壊れたように女の子の出口から噴き出し続け、スカート越しに押さえ込んだ手のひらにも叩き付けられるように溢れ、びちゃびちゃと飛び散って、バスの中を汚してゆく。
 その様は、まごうことなき、『オモラシお嬢様』のできあがりだった。
(い、嫌……、そんなの絶対ダメよ……っ!!)
 これまで努力を積み重ね、品行方正な『お嬢様』としての地位を築いてきた愛理の全てを崩壊させる恐ろしい想像に、少女は怖気と共に身を震わせる。
(ぜ、絶対、嫌ですっ……!! ……と、お手洗いまで、が、我慢っ、しなくちゃ…っ!!)
 最悪の想像で心を奮い立たせるという試みは、辛くも成功した。
 その代償として、膨らむ尿意と共にまた、下着をじわりと熱い雫で濡らしてしまいながら――なおも愛理は果てのない我慢に挑む。
 時に妖艶に、時に近寄りがたく、くるくると表情を変えるそんなお嬢様の姿を、他の生徒達がじっと注目を浴びせていた。
[ 2012/08/09 09:00 ] 長編連載 | トラックバック(-) | コメント(-)

社会見学バスの話・08 浅川沙紀 

(……あっあ、出ちゃう、出ちゃう……もう駄目、我慢、できない……っ)
 脚の付け根の奥でじんじんとその強さを増すイケナイ刺激に、浅川沙紀は限界我慢の戦いを続けていた。
 彼女がきつく握り締めるのは、細長いステンレス製の水筒だった。きらきらと輝く銀色のそれを脚の間に挟み、スカートの下に穿いたスパッツの上から恥ずかしい場所に押し当てて、いまにも開いてしまいそうな水門を押さえこんでいるのだ。
(んっ、あ、ぅ、くぅっ……)
 座席の上で腰が上下するのに合わせ、脚の付け根の大事な場所がぐりぐりと水筒を挟み、押し付け、擦り立てる。それと同時、まだ半分近く中身の残っている水筒がちゃぷちゃぷと音を立てた。
 沙紀にはまるでそれが、おなかの中をたぷたぷと満たしている、恥ずかしいおしっこが揺れているように感じられてしまう。そんな事は無いとすぐに思考を打ち消すものの、錯覚に寄る尿意の加速は停まらない。
(ちゃ、ちゃんと、お茶、飲み過ぎないようにしたのに……っ)
 沙紀は人一倍、尿意に敏感だった。膀胱が小さいというよりは、尿意を覚える度合いが人並みよりも随分と速い。つまり、オシッコの我慢がきかない女の子である。
 学校でも休み時間の度にトイレに行かなければならないほどであるが、その時に出るオシッコの量はちょろちょろと水面を叩く程度のささやかなものでしかない。
 沙紀の頻尿の理由の多くは精神的なものに依存している。
 トイレが近いことは、思春期を迎えた沙紀にとっても大きな悩みである。友達と遊んでいても、移動授業のときでも、ふとしたことで急にトイレに行きたくなってしまう沙紀は、他のクラスメイトを待たせてトイレに駆け込む事を気に病んでいた。
 できるだけ気にすまいとしていても、トイレに関する悩みはどうしても少女の心に深く根付く不安要素だったのだ。
 それを改善するための我慢訓練もしていたが、思うような成果は上がっていないのが実情である。
(なんで私って、いつもこんな……すぐに、トイレ行きたくなっちゃうの……?)
 沙紀は、バスの出発前に記念公園のトイレに行っていた。
 お世辞にもきれいとは言えない汲み取り式のトイレで、完全にすっきりできたとは言い難かったが――それでも、ちゃんと用を済ませたはずだった。
 しかも沙紀は、社会見学の途中で急にトイレに行きたくならないよう、今日は努めて水分を採らないようにしていた。今日は本当に喉の渇きが我慢できなくなった2回と、お弁当の時を除いて、ほとんどお茶も口にしていない。飲料工場でもショウガ紅茶には、ほんの少し――スプーン1杯くらいの分量だけ、口を付けた程度なのだ。
 しかし、総量にしてわずか200ml程度の水分摂取にも関わらず、有紀の尿意は他のクラスメイト達と比べても勝るとも劣らないものだった。
(あっあっ、だめ、でちゃう、出ちゃうよぉ……)
 バスに乗っている間にトイレに行きたくなってしまうかもしれないという不安。みんなに迷惑をかけたくないという羞恥。バスが渋滞に閉じ込められた事によって顕在化したその恐れが、沙紀の心の安定を大きく乱していた。
 そして、少女の健康的な循環器官は、たとえ直接水分を口にせずとも、沙紀の下腹部のダムに十分な量のオシッコを注ぎこんでいた。
 自分自身ではジュースやお茶、牛乳のような水分の摂取を控えているつもりでも、そうして沙紀が水分を口にしなければその分、普段の食事で水気の多いものが欲しくなるのは当然のことである。
 朝食のヨーグルトやシリアル、煮物や野菜中心のお弁当。デザートのゼリー。沙紀が好む食事には、水分の少ない乾いたものはほとんどない。オシッコの元となる水分がいったいどこから来るのか――その答えは明白だろう。彼女の日々の食事からたっぷりと供給されているのである。
 そうして少女の体に取り込まれた水分は、健康的な消化器・循環器を経てしっかりと絞り取られ、残らず身体に吸収されている。
 ならば当然の帰結として、少女の全身を巡った水分はやがて一か所へと集まってゆく。生理現象として慎ましやかな乙女の水風船はぱんぱんに膨らみ、恥ずかしいおしっこを目一杯に溜め込んでいたのだ。
(なんで……こんなに、っ……)
 水分を控えている分だけ、たっぷりと濃縮されたオシッコは、その分だけ身体に不要な成分を高い濃度で含んでいる。生理現象は当然のようにそれを排除すべく、沙紀の身体が覚える尿意は普段よりもずっときついものとなっていた。
 要らないモノを排出しようと高まる生理現象。どんどんと身体の内側で膨らむ恥ずかしい圧力。それに抗って、水筒をぐりぐりと脚の付け根にねじり付けるたび、ちゃぷちゃぷと揺れる水音がまずます沙紀を苦しめる。
[ 2012/08/08 09:00 ] 長編連載 | トラックバック(-) | コメント(-)

社会見学バスの話・07 井澤佳奈その2 

 さらに20分が過ぎていた。
(と、トイレ…トイレっ、……と、トイレ行きたい…っ……)
 佳奈の下半身に迫る切実な欲求は、時間の経過とともにますますその苛烈さを増していた。早く早くと焦る気持ちとは裏腹に、佳奈たちを2-Aの28人を乗せたバスは、高速道路の真ん中で渋滞の列に飲み込まれたまま、進む気配をまるで見せない。
 決して短くない時間が過ぎているというのに、バスの外に見える風景はほとんど変化がない。もともと変わり映えのない高速道路の車線という状況を差し引いても、バスがこの半時間あまりでほんの数百メートルしか移動していないことを示している。
 およそ、異常事態と言って過言ではない渋滞。その原因はいまだ、バスの車内で尿意に苦しむ少女達には知らされていない。佳奈たちはいつこの苦悶が終わるのかも分からないまま、ただただ永劫とも言える、拷問のようなオシッコ我慢を続けなければならなかった。
 時折唸るように動きだし、わずかに進んではすぐに停止するエンジンの振れが、じんじんと下腹に響く。アイドリングストップを繰り返す車体の振動に揺さぶられ、危険水位を超えた佳奈の下腹部のダムの水面が激しく波立ち、揺れていた。
 わずか20分で、佳奈の余裕は大きく失われていた。午後5時に差し掛かる時点で既に、下腹をさすることがやめられなくなっていた少女の両手は、いまや浮かせ気味の膝の間に深々と差し込まれ、スカートの上から股間を抱え込むように紺色の制服に強く皺を寄せ、直接、ぎゅうううっっと女の子の大事な場所、オシッコの出口をきつく押さえこんでしまっているのだった。
(だめ、だめ……漏れちゃう……お、おしっこ、おしっこ、出ちゃう…っ……)
 座席に浅く腰かけ、前傾姿勢になった顔が俯き、白い喉が荒い息をこぼす。
 不安定に揺れる革靴のかかとが、収まることなくこつこつと床を叩き続け、小さな背中がぎしぎしと座席を軋ませて左右に揺れる。
 足の付け根を直接押さえ込む手のひらを、左右から挟み込むようにしてもじつく太腿が、ぎゅっと力を込めては静かに弛緩する。足の間に挟んだ手のひらを、ぐりぐりと股間にねじ付けて、少しでも猛烈な尿意を和らげようとする無意識の動作だった。
 オシッコが出ちゃう。
 まるで小さな子がトイレを我慢できなくなったの時ように、佳奈の思考はそれだけに塗り潰されていた。こんなにも切実な願いを訴える少女を嘲笑うかの如く、渋滞は依然、解消する気配を見せない。
 佳奈が縋りつくようにわずかな期待を込めて何度も見つめるバスの前方は、車高の高いトラックに塞がれて、ほとんど様子を窺い知ることができなかった。
(おしっこ……オシッコ我慢できない……!! で、でちゃう、トイレ……間に合わないよぉ……っ!! ど、どうしよう……どうしようっ……!!)
 先延ばしにしていた我慢の限界が見え始め、佳奈はすっかり混乱の中にあった。オシッコが出る。でも、ここにはトイレがない。
 その二つの事実が示す結論は一つだ。
(やだ……そんなのやだよぉ……!! ちゃ、ちゃんとトイレじゃなきゃだめ、だめ、なのぅ……トイレ、トイレぇ、行かせてよぉ……っ!!)
 両手が握り締めた股間は緊張に引きつり、下腹部はなお次々と注ぎ込まれるオシッコでいろいろ硬く張りつめる。オシッコの出口を締め付ける括約筋はふとした油断で緩みそうで、いまにもしゅるしゅるとみっともない水音を立ててしまいそうだった。
 教室の中なら一時の恥と我慢し、手を上げて『先生、おトイレ!!』もできるのだろうが、高速道路で立ち往生するバスはさながら動く密室だ。この場にはオシッコを済ませるための設備などあるはずもなく。佳奈の望みがかなえられることはあり得ない。
 いまここから物理的に一番近いトイレは、1時間近く前に通り過ぎた、数キロ手前のサービスエリアの公衆トイレだ。その距離はまるで無限にも思えた。
 バスがずっとこの調子でなら、冗談抜きで歩いた方がマシかも知れない。
(が、我慢しなきゃダメ…だめ、……で、でも、でもっ、もう……っ)
 きゅうんと背筋にイケナイ感覚が這い上り、ぶるぶると顎が震える。ぱんぱんに膨らんだ膀胱が、もう限界と訴えている。
 どこにもないトイレを求め、佳奈はぎゅっと目をつぶる。きつく圧迫する下腹部の中で、ぱんぱんに膨らんだ水風船が震える。
 このままおなかの中のオシッコも、小さく縮んで全部どこかに行ってしまえばいいのに。そんな幼稚な想像をしてしまいたくなるほどに、少女は切羽詰まっていた。半ばやけになって、佳奈はぎゅうぎゅうとスカートの上から下腹部を握り締め、押さえ込む。
 しかし現実は非情なまでに残酷だった。強引に押さえ込んだ尿意は、敏感になっていた排泄器官をむしろ不安定にさせ、強く揺さぶってしまったのだ。反動のように急激に膨らんだ尿意が、少女が必死に庇おうとする、乙女の秘めやかな部位、その脆い出口を突き破らんと襲いかかってくる。
「んぁ……っぅ」
 押し寄せる尿意の大波が防波堤を打ちつけ、黄色い濁流が乙女のダムの水門押し崩さんと叩き付けられる。ぶるぶると歯を噛み締め、佳奈は身を縮ませてそれに耐えた。
 息を詰め、身を竦ませ、数十秒。
 どうにか大波を乗り越えた佳奈は、背中に汗を滲ませ、はあはあと息を荒げながら、わずかに生まれた余裕でそっと視線を上げた。
(っ……だめ……が、我慢、できない……っ。できないよぉ……っ)
 ずっと動かないバスの中。変わることのない現状。もはや終焉は見えている。
 このまま、ついに我慢の限界が来てしまえば――自分の恥ずかしい場所から猛烈な勢いで噴き出す水流と、バスの床一面に飛び散る黄色い水たまり。――もう2年生なのに、女の子としてあってはならないこと。オモラシ。
 恐ろしい想像が佳奈の背中を冷たくする。差し迫った尿意は、その想像があながち間違っていないことを如実に訴えていた。
(どぉ、しようっ……、どうしよう、っ)
 恥も外聞もかなぐり捨てて――先生にトイレを訴えるべきか。
 佳奈の心は、強い葛藤に揺れていた。
 ――『先生、おトイレ!』
 それは本当に本当の最終手段だ。想像するだけで顔が熱くなる。トイレに行きたいと強く主張することは、少なくとも先生や運転手にはそのことが知られてしまうことに他ならない。佳奈がもう、バスを止めてもらわなければならないほどに、オシッコの我慢の限界であることを、教えてしまうことに等しいのだ。
 幼稚園や小学校の低学年ならともかく、2年生にもなってそんなことは、断じてあるべきではなかった。
 けれど。
(でちゃう……本当に、おしっこ出ちゃう……!!)
 もはや、佳奈に時間は残されていない。まだなんとか動けるうちでなければ、この選択肢すら、佳奈の前から喪われてしまうのだ。
 先生や他の子たちに迷惑をかけてでも、トイレに行きたいと訴えるべきか。
 実際、どこにトイレがあるのかなんて佳奈には分からない。しかし、それを決断しなければ、わずかな可能性すら自分から閉ざしてしまうことになる。
 それでも、思春期の繊細な羞恥心は、わずかな勇気の邪魔をする。
 佳奈は女の子のプライドと、なお高まる尿意を天秤にかけながら、揺れる身体を必死に押さえつけ、『先生、おトイレ!』の葛藤と戦っていた。
[ 2012/08/07 09:00 ] 長編連載 | トラックバック(-) | コメント(-)

社会見学バスの話・06 2年A組の顛末 

 佳奈たち2年生の社会見学は、郊外の博物館と飲料工場、記念公園を回るもので、事前の予定では午前8時半に学校を出発、10時前に現地に到着し、休憩を挟んで午後2時に公園を出発、遅くとも午後3時半には学校に戻り、解散という予定になっていた。
 施設の規模が大きく、一度に学年全員が回ることが難しいため、見学はクラスごとに別のルートを取ることが決められていた。佳奈たち2-Aは午前中に博物館、休憩を挟んで午後に飲料工場へと向かうルートである。
 昼食と休憩の場となった記念公園は、郊外に相応しく緑で一杯のとても楽しい場所だったのだが、少女達にとってなによりも懸案となる、非常に切実な問題があった。

 ――トイレ、である。

 記念公園と名は付いているが、その実体はバブル経済成長の末期に、工場地帯に隣接する新興住宅地として開発される予定だった地区が、様々な理由により開発を放棄されたもので、以前からもともとあった森林公園を拡充する形で中途半端に改修を受けて、おざなりに形だけを整えられた場所である。
 郊外の立地と、折からの不況も重なり、当初予定されたプールや遊園地を併設する一大レジャー公園といった体の建設計画は全て白紙となり、だだっぴろい野原に、ちらほらと遊具が並ぶだけのなんとも中途半端な施設となってしまった。
 そして何よりも問題なのが、その規模に反比例して利用者数の少ないことから非常に貧弱な上下水道である。施設管理を行う事務棟の隣に新しく、公衆トイレが設けられた他は、古くからの森林公園時代の設備がそのまま利用されることとなった。
 午前中の見学を終え、佳奈たちを乗せたバスが休憩場所に選んだのは事務棟と敷地を挟んで反対側の区画である。
 そこでは、早くも困惑と驚愕の声が湧き起こっていた。
『な、なに、これ……!!』
 2-Cや2-Dのように、事務棟の近くの駐車場に停車したクラスや、2-Bのように2-Aと同じ見学順番でも、午後の見学場所である飲料工場に近い駐車場を選んだバスにはあり得ない事態である。
 2-Aの昼休憩の駐車場は、記念公園の敷地内でも旧森林公園の区画のまっただ中であった。
 先に述べたように、旧森林公園の区画は拡張計画が中止になったため、諸施設は作られた当時のまま予算不足のあおりを食ってほとんど整備されていない。精々が名称変更とと共に看板が掛け替えられた程度のことで、設備の大半は、数十年前に建造されたままである。
 よって、2-Aの生徒達が休憩場所のトイレは、当然のように旧態依然とした汲み取り式だったのだ。
『そんな……こんなトイレしかないの?』
 普段の利用者の少なさを窺わせるように、掃除も十分とは言えず、時折浮浪者が入り込んでいることを窺わせるようなゴミがそこかしこに転がる。
 さらに個室には蜘蛛の巣が張ったり羽虫がびっしりと集った床は、水はけの悪さによって水たまりをそこここに作り、和式の便器の底からは鼻が曲がりそうな悪臭を漂わせている。
 消毒用具どころかトイレットペーパーも備え付けられていないそこは、およそトイレとしては最低ランクに近い場所であり、多感な年ごろの少女達には使うことを躊躇わせる構造だったのだ。
 屋外の公衆トイレというだけでも、なんとなく足が遠のいてしまうような、思春期の盛りの少女達が嫌悪したのも仕方のないことといえるだろう。
 バスの出発が近くなり、担任の清水先生が
「みんな、帰りの道路が混んでるかもしれないから、ちゃんとお手洗いは済ませておいてね?」
 と忠告する中、佳奈のクラスメイトのうち何人かは、意を決して個室に突撃していったものの、多くの少女達が遠巻きにトイレの様子を見守る中、佳奈もまた、
(いいや……我慢しよう)
 と、すでに尿意を感じていながらも、トイレを使うことを躊躇ってしまったのだ。
 帰り道のことを軽く考えてしまっていた事は否めないが、1時間ほどの帰路であれば十分に我慢できる範疇だったはずなのだ。
 実際、不快感をねじ伏せてトイレに駆け込んでいった少女達のうちの半分ほどは、結局あまりにも汚く、音消しすらできないトイレを使うことを最終的に諦め、オシッコを済ませられないままにバスに戻って来たのだから、佳奈たちの軽挙だけを責めるわけにもいかない。
 高速道路で1時間、公園から学校までを含めても2時間足らずの距離とあって、途中にトイレ休憩などは想定されていなかったことが、ますます2年A組の少女達を追い込む結果となった。
 見学の企画段階においてもう小学校や幼稚園じゃないんだから、出発前にしておけば大丈夫――という、実行委員の教諭たちの甘い見通しの結果、高速道路を走るバスは、渋滞のただ中にはまり込むまで、いくつかのサービスエリアを素通りしてきたのである。
 のろのろと動いてはすぐに停まるバスの中で、佳奈の、少女達の下腹部で、オシッコはどんどんとその存在感を増していった。
(……んっ……が、我慢、しなきゃ……)
 いったい、いつになったら進むのか。不安な気持ちがますます高まる尿意に拍車をかける。バスの座席の上でもじもじと身をよじりながら、佳奈は一向に進まない渋滞の列を、もどかしげに見つめていた。



 高速道路の上、一番近いサービスエリアまでの距離表示は4キロ。
 延々と続く渋滞に捕まって、はや3時間。
 下腹部を恥ずかしいオシッコでたぷんたぷんと満たした、2年A組の生徒28人の少女と、担任教師プラス一人を乗せ、2号車バスはピクリとも動かないまま、長い渋滞の列に飲み込まれていた。
[ 2012/08/06 09:00 ] 長編連載 | トラックバック(-) | コメント(-)
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