FC2ブログ



スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-)

永久我慢の狂想曲 CASE:浅川静菜10 


 チャイムが鳴った。
 二つ目の授業が終わり、休み時間の始まりとなる。
 時刻は10時過ぎ――静菜が登校して2時間が経過していた。
 教師がドアを閉め退室すると、教室は一気に騒がしくなる。持ってきた雑誌を広げて放課後の予定を立てる者、携帯を広げてメールを打つ者、友達とお喋りを始める者、律儀に次の授業の準備を始める者、課題を忘れていたことに気付き、慌てて友達のぶんを写し始める者――
 そんな日常の光景からたったひとり切り離されたかのように、静菜はじっと窓際4列目の席を離れずに、俯いていた。
(ふぅぅっ、うぅぅっ……)
 苦しげな吐息をぐっと飲み込んで、自然に動いてしまいそうになる腰を押さえ込む。
 下腹部はまるで石のように硬く張り詰め、緩められたスカートのホックをはちきれさせんばかりに膨らんでいる。比喩抜きで、ベルトの支えがなければ本当にそうなりかねない状況だった。排泄孔の感覚は薄れ、まるで膀胱に熱い砂の塊を飲み込んでいるようだ。
 激しく波打つ発作がない間でも、目の粗い紙やすりでおなかの内側を擦られているような、執拗で猛烈な尿意は絶え間なく続いている。じんじんと熱を持った排泄器官は、途方もない我慢の果てに今にも擦り切れてしまいそうだった。
(ま、また来るっ……!!)
 数分ごとにやってくるようになった猛烈な尿意の大波に、少女は硬く身を竦ませる。咄嗟に当てた手のひらの下で、括約筋が痙攣し、膀胱がぎりぎりと引き絞られる。歯を食いしばり、ぎりぎりと頬を強張らせながら、静菜は必死に抵抗を続ける。
 ぱんぱんに膨らんだ膀胱は、少女の下腹部に納まりきらないサイズにまで膨張しているのだ。丸1日以上にも渡って醸造されたオシッコは、限界容量を超えてなお、ぞくぞくと膀胱へ送り込まれてくる。紙のように薄くなった静菜の膀胱は、それでもなお溢れそうになるオシッコを全て受け止め――奇跡的な我慢を続けている。
(っ、だめ――我慢できないっ……!!)
 苛烈な尿意を少しでも和らげるため、静菜は両の手のひらを膝の間に重ねて押し込んで、『おトイレ』をはじめた。
(ん、んっぅ、んぅうぅっ……!!)
 ふ、ふ、と荒い息がこぼれる。
 身体の中で大きく膨らんだ膀胱は、敏感を通り越して過敏すぎるくらい過敏になっていて、内臓の蠕動や呼吸で膨らむ肺、心臓の鼓動すらもはっきりと感じ取ってしまう。
 静菜の『おトイレ』のメカニズムは、鍛えられた括約筋を引き絞って、膀胱のふくらみを身体の中へと抱え込むことだ。これによって尿意を飲み込めば、膀胱はおなかの奥へと膨らむことになる。普通の女の子が我慢を続けていれば膀胱はわずかだがゆっくりと身体の外側にせり出すのに対し、静菜はそれを身体の中へと納めておくことができるわけだ。
 そうやって排泄孔と膀胱との距離を伸ばすことでオシッコを身体の奥へと押しやり、尿意を緩和するのが、『おトイレ』のコツである。ちょうどおなかの中にオシッコを溜めた袋を抱え込むようなもの。
 だが――もうすでに、何度『おトイレ』をしようとも、静菜の身体の中にこれ以上のオシッコを納めておくスペースは残されていない。必然的にオシッコは出口めがけて集まり、膨らんだ膀胱はどんどん下腹部のほうへとせり出しているのである。必然、膀胱と出口との距離も縮まり、尿意はいよいよ激しいものになってくる。
「っ、くぅ、ぅ……」
 我慢、我慢と必死に言い聞かせる鋼鉄の自制心を乗り越えて、堪えきれないうめき声が外へと漏れてしまう。じわりと浮いた腰をぐりぐりと椅子の天板に押し付け、重力に引かれて落下してしまいそうな膀胱を、おなかの中に抱えなおす。
 わずかでも緊張を緩めれば、そこから何もかも崩壊してしまうことはわかっていた。だから決壊寸前のダムに些細なヒビですら入ることのないよう、静菜は一時たりとても気を抜くことなく、我慢を続けていた。
 じっとりと背中に張り付いたブラウスには、気持ちの悪い汗が滲んでいる。フェンスのないビルの屋上から地面を覗き込んでいるときのような、一瞬の油断もい許されない緊張感。いまの静菜は綱渡りのように細い細い緊張のタイトロープを渡っているのと同じなのだ。
 朝のホームルームは、まだなんとか軽い身じろぎをするだけで我慢できた。
 1時間目は、机の下で一回だけスカートの前を押さえた。
 その次の休み時間は、どうしても我慢できなくて、5分以上もぎしぎしと椅子を揺らしながら足踏みをしてしまった。
 2時間目の前半で、スカートどころか4回も下着の上から股間を押さえてしまい、
 2時間目の後半にはその頻度は倍になった。
 ずっしりと下腹部に圧し掛かる圧倒的な重圧は、いまや股間のすぐ上まで達してる。オシッコで満たされた膀胱は、静菜から動くことの自由すらも奪っていた。
(どっ…どうしよう……ぜ、全然、オシッコしたいの、治まらないよぉっ)
 スカートの下で下着にしわがより、力の篭った内腿が擦りあわされるたびに股布が激しくよじれる。びくん、びくんと脈動する下腹部は、行き場所を失った膀胱が、出口に向かって膨らみ始めたことの証左だ。
 これまで、静菜がここまではっきりと、人前におしっこ我慢の仕草を見せたことはない。静菜にとって学校でおしっこをしないことは当然のことであり、『おトイレ』によって尿意を和らげている間は、そもそも“我慢”に該当しないのだ。
「ねえ、トイレ行こ?」
「あ、うんっ」
 すぐ近くで、少女達が連れ立って席を立つ。
 静菜にはできないことをするために、おそらく静菜の何分の一も我慢していないだろうに、彼女たちはそんなことを言う。それにつられ、おなかの中に膨らんだ恥ずかしい液体がぷくりと出口へ押し寄せてくる。その激しさといったら、動けない静菜の身体を突きやぶって、直接トイレめがけて飛び出してゆかんばかりだ。
(ん、んっ、んぅっ……!!)
 けれど、トイレに行きたいのに。こんなにもトイレに行きたいのに。
 静菜がおしっこのできる場所は、どこにも存在していないのだ。
 凶悪なまでに圧倒的な尿意を前に、他の選択肢はない。ぐっと唇を噛んだ静菜は教室の真ん中、クラスメイトの見ているすぐ目の前で『おトイレ』をさらに激しくしてしまう。
 教室の中を虚ろにさまよう視線は、すでに宙空に固定され、焦点を失っていた。
 ぷくりと小鼻を膨らませ漏れる吐息が、赤く染まった頬を撫でる。こぼれた前髪に半分隠れた顔も赤く、首筋にはしっとりと汗が浮かぶ。少しでも負担を減らそうと寄りかかるように身体を預けた窓ガラスは、湯気でほんのりと曇っていた。
(ん、ふっ、んゅっ、んんっ)
 きつく噛み締められた唇は、まるで声を上げてしまえばそこから恥ずかしい液体がが滴り迸ってしまうといわんばかり。閉じ合わせた脚の間には深々と両の手が挟まれ、スカートの中まで差し込まれた手のひらは、崩壊寸前の排水口を持ち上げるようにぎゅっと重ね当てられている。
(んぅぅっ……!!)
 きゅう、と静菜の下腹部の中で灼けた感触がうねる。張り詰めた括約筋は擦り切れ、覚える尿意はすでに痛みに近い。ちくちくとした感触は針の塊か、熱く湿った砂がぎっしり隙間なく詰め込まれているかのよう。
 そこを押さえるたび手のひらにも返る硬い手ごたえは、我慢の一秒ごとに増していた。
(んっ、んふっ、んっ、んんっ、んっ……!!)
 こみ上げてくる灼熱に、静菜はぎゅっと目を閉じ、唇の内側に強く歯を立てる。ヒクつく腰が浮かびそうになるのを押さえ、恥骨をぐりぐりと親指の付け根にねじつけて、少女は深く俯き、荒い息を押さえつけ、椅子の上で身じろぎを繰り返す。
 少しでも楽な呼吸と息遣いを探し、両手をつかって、重く沈む下半身を支え、抱え上げる。その仕草が今は一番静菜にとって楽な姿勢だった。重力に従って出口を目指し下降する満杯の入れ物を、両手で直接、必死に持ち上げているのである。
(んくっ、んぅ、ふ、んぅっ、んゅ、んっ、んんん~~っ!!!)
 少女の小さな水門を固定する括約筋、閉じ合わされた両足、擦り合わされる膝、重ねあわされた手のひら。羞恥をかなぐり捨てて何重にも張り巡らされた防波堤を乗り越え、押し崩さんばかりに波濤は高く、次々と押し寄せる。
 容赦のない大自然の摂理に対し、もはや少女はまったくの無力だった。半分捲れ上がったスカートの内側では、股布にじわっ、じわっと熱い雫が吹き付けてはその侵食範囲を広げていた。
(んぅ、んっ、んんっ、んんぅんっ……!!)
 股間に張り付く不快な湿り気が、静菜の心を深くえぐる。
 少しでも『おトイレ』によって尿意を和らげなければ、荒れ狂う濁流によって意識のほうが先に参ってしまいそうだった。緩慢にヤスリをかけ続けられているような苦痛は全く治まる気配を見せない。
 脚の付け根が擦り切れて、そのままぷちん、と入り口が弾け、大洪水が始まってしまいそうだ。
 だが――それでも。
(っ、んっ、んゅ、んぅんんんっ~~ッ!!)
 ぎし、ぎし、と椅子を軋ませ、上履きで床を擦りながら――静菜は結局、20分の休み時間のほとんどを『おトイレ』に費やした。
[ 2009/03/15 20:12 ] 永久我慢 | トラックバック(-) | コメント(-)

永久我慢の狂想曲 CASE:浅川静菜9 


 朝食の席で溜息ばかりの静菜を見かねて、母親は眉を潜める。
「どうしたの? 食欲ないの?」
「う、うん……ちょっと……」
 重い唇を動かして答える静菜。
 実際に気分は最悪に近かった。普段からは及びもつかない、途方もないと形容してもいいような尿意に一晩中、下半身を責めなぶられ続けてほとんど眠れていないのだ。明け方にうとうととまどろんだ他にはずっと意識を張り詰めて寝返りを繰り返していたか、こっそり起きて軽い『おトイレ』をしていたかで、普通に徹夜したのとほとんど変わらない。
 事実、鏡を見てもはっきりわかるほど、静菜の表情には疲労が濃かった。
 一晩を経て、限界のはずの膀胱にさらに見境なく注がれ続けたオシッコは、ずしりと起き抜けの少女の下腹部を圧迫する。
(う、ぅ、ま、また辛くなってきちゃった……)
 食卓の前でオシッコを我慢し腰を揺するのは、静菜にはとても許容できない、はしたない格好だ。けれどオシッコ我慢の百戦錬磨の静菜でさえも、もうそのレベルでコントロールできるほど容易い我慢ではなくなってきている。こっそりと上げた足のかかとで、片方だけ胡坐をかくようにしてそっと、オシッコの出口を押さえる。
「ん、ぅんっ……」
 小さな声と共に身体を揺する静菜に、母親はますます怪訝な顔になる。
 ほんとうは、横になっていたほうが我慢そのものは楽なのだ。オシッコの重みを、膀胱の出口でダイレクトに受け止める姿勢はかえって静菜を激しい尿意に晒すことになる。まして何かに腰掛けるという姿勢は、洋式便器に座っているのと理論上は同じ姿勢だ。
 眠れぬままに、けれど部屋を出ることもできず、何度かベッドに身を起こし腰掛けて繰り返した『おトイレ』のせいで、この格好がオシッコを塞き止めるための姿勢であるということを、静菜の下半身が覚えてしまっている。
(あぁああ……だめ、また『おトイレ』したくなっちゃう……ごはん食べなきゃいけないのに、ま、また『おトイレ』したく、なっちゃう……ふ、普通に座ってる、だけなのにっ……)
 ぽこりとせり出した静菜の下腹部は、いつもと違うベルトの穴を使わなければならないほどはっきりと目立っていた。制服の上からそのことを悟らせないようにするため、静菜は普段着慣れないジャージの下を膝まで負って穿いている。これも少しでも下半身を冷やさないようにという工夫でもあった。
「……嫌ねぇ、風邪でもひいたの? おなか出して寝てたんじゃない?」
「んぅっ……!」
 身を乗り出して額を触る母親の手のひらに、静菜は反射的に身体を縮めた。もう、場所に構わずどこかに触れられるだけでも尿意が加速するのだ。
「熱は……ないみたいね」
「ね、ねえ、お母さん……」
「気分、悪いの?」
「う、ううん……ね、寝不足で……。あの、今日、学校お休みしたい……」
 静菜は、本心を押し隠して悲痛に叫ぶ。
 今日、家にいればトイレの修理が終わってすぐに静菜はトイレを使うことができる。いや、そうでなくても家に残っていれば、トイレの故障が直っていなくてもオシッコをすることができるのだ。
 一分一秒でも早く『おトイレ』ではなく本当のトイレでオシッコをしたい静菜にとって、何よりも切実な願いだった。
 しかし、その思いは母親に届くことはない。
「はあ。もう、だからあんなに夜遅く出かけちゃだめって言ったじゃないの……」
「う、うん……」
 呆れたような嘆息。
 当然のことだった。静菜が昨日の朝から一度もトイレに行っておらず、今なおオシッコを我慢し続けていることなど、母親にはまったく想像の埒外だ。
「熱、ないんでしょ? ちょっと具合悪いくらいなら平気よ。月曜日なんだし、風邪じゃないんだからちょっとくらい具合悪いくらいで休んだりしちゃダメよ。……ね?」
「え、で、でもっ」
(そ、そうじゃなくて、オシッコ……と、トイレ、行きたいの……。『おトイレ』じゃなくて、ちゃんとオシッコできる、本当のトイレに……)
 学校に行ってしまえば、静菜は家のトイレから引き離されてしまう。少なくとも、放課後になる4時、5時まではオシッコができない。そう考えての、少女の悲痛な訴えだった。
「お、お母さん、あの……」
「……ほら、食べられないなら牛乳くらい飲みなさい」
 恥ずかしさのなか、小さく抗弁しようとした静菜を遮り、そう言うと、母親はてきぱきと静菜の朝食にラップをかけて片付けてしまった。今日はなにやら用事があるらしく、母親も静菜と同じくらいに家を出るという。ぐずぐずしている暇はないのだった。
 テーブルの上にはグラスになみなみと注がれた牛乳が残る。
 いつもなら苦もなく飲み干せる量だが、いまやおなかの中に途方もない量の恥ずかしい液体を溜め込んでいる静菜にとって、今は少しでも水分の摂取は避けるべきだった。
 ……べき、だったのだ。
「どうしたの? それくらい飲まないと元気でないわよ」
「うん……」
 確かに言われて見れば、喉がカラカラだった。一晩じゅう続いた我慢は、なおも多くの水分を静菜の身体から搾り取り、オシッコに変え、同時に静菜の体力をごっそり奪い去っている。
 静菜は意を決してグラスを掴むと、震える手をごまかすように唇に運ぶ。
(んっ、んんっ、んうゥっ……)
 ごくりと静菜の喉が震えるたび、一口ごとに、冷たい感触が食堂を通り抜け、胃の奥へと流れ落ちてゆく。空腹のおなかに流れ込むよく冷えた牛乳は、まるで飲み込むたびに直接膀胱の奥に流れこんでゆくような錯覚さえ覚えさせた。
 コップの中身をひとくち飲み干すたびに、静菜の下腹部がびくびくとひきつり、猛烈な尿意の呼び水となって下半身を暴れるようだ。深く沈みこみ、恥骨の上のダムにたまってゆくオシッコの原料の存在感を、静菜は身体で感じていた。
 ぞわっと背中を掻きなぞる刺激をぐっと堪え、深呼吸を繰り返して我慢する。
「ん、んぐっ……んぅぅ……んう、っは……」
 とうとうコップいっぱい全てを飲み尽くし、静菜は大きく息を吐いた。
 けれど確かに、疲れ切っていた身体に朝のミルクはささやかな活力を与えてくれた。空腹感はないが本当はおなかもすいているはずだし、喉だって確かに渇いている。
(……ちょ、ちょっとだけ、楽になったかも……)
 そっとおなかを撫で、飲んだ分のミルクが我慢を続けている膀胱を刺激しないよう、念入りに気を使ってから、何度かこっそりと深呼吸。
 飲み込んだコップ一杯の水分が、やがてゆっくりと身体の中に納まるのを感じながら、静菜はおもむろに席を立った。
「ごちそうさま……」
「ちゃんと歯を磨きなさいよ」
「うん……」
「あ、あと、お手洗いだけど」
「――――ッッ!?」
 不意に飛び出した『トイレ』の単語に、静菜は飛び上がらないようにするので精一杯だった。母親はテーブルの片づけをしながら、静菜に背を向けたまま先を続ける。
「お隣の借りてもいいけど、できれば向こうのおうちに迷惑かからないようにね。さっき寝惚けちゃってたみたいだけど、我慢しないでちゃんと行きなさい」
「う……うん」
 そうやって頷くので精一杯。
 どうやら、朝のことは静菜がトイレの故障のことを忘れていた、ということになっているようだった。こうなると母親がいる限り、家のトイレに入れるとは思えなかった。とはいえ、母親の出勤を待っていたら学校に間に合わない。どう考えても今朝の静菜が、いつもよりも身軽に登校できるとは思えない。
 隣のトイレを借りようにも、まさかきちんと身支度もせずに気軽に入っていくわけにもいかないだろう。
 そして、今の状況でそれをすれば、おそらく自分が我を忘れて隣のトイレを占領して『おトイレ』に熱中し、登校時間を過ぎてしまうだろう事に、静菜はなんとなく予想がついていた。
 なにしろ臨時的な自分の部屋での朝の『おトイレ』ですら、20分近く続いてしまったのだ。ちゃんとした設備の整った場所での『おトイレ』となると、その誘惑にはとても抗えそうにない。
(私、『おトイレ』のことしか考えてない……最低だ……っ)
 いったん波が引いたのか、下腹部はわずかに余裕を取り戻してはいたものの、依然、危機的な状況は予断を許さない。
 洗面台に立つ静菜はちらりとシャワールームを見、次に洗面台を見つめる。
 それから静菜の視線はしまってある洗面器、水枕、コップ、台所の流し、ボウル、おなべ、フライパン、ペットボトル、計量カップと映ってゆく。いまや、水に関係ある何もかもが静菜にとっての抗いがたい誘惑だった。
(……トイレ……がまん、しなきゃ……)
 あと何時間、この苦痛に耐え続けなければいけないのだろう。
 静菜にとって地獄の、トイレのない世界の二日目が幕を開ける。
 オシッコに行きたくて家に帰ってきた夕方から、ゆうに12時間以上をすぎてなお、永久我慢の終わりは見えない。
「いってきます……」
 普段の倍近く時間をかけてもそもそと身支度を終え、ずしりと重い下腹部を抱えながら、カバンを背負って、静菜は母親よりも先に家を出た。
 いつもは軽々と駆け下りてゆく大通りの坂が、今日は途方もなく長く、きつく感じる。下り坂はそれだけ激しく少女の下腹部をゆさぶり、オシッコの詰まった膀胱をたぷたぷと刺激するのだ。慎重に歩みを進めながら、静菜は長い長い坂を下っていった。
(んぅ……っ)
 一歩を進むごとに、おなかの中のオシッコが出口に進んでゆくような、そんな錯覚すらやってくる。
 だが、静菜に安住の地はないのだ。たった一つしかないトイレがあとかたもなく消え失せてしまったこの世界で、静菜はただじっとオシッコの誘惑に耐え続けるだけだった。
 そんな静菜を待ち構えている学校での出来事を、静菜はまだ知る由もない。

[ 2008/09/28 21:22 ] 永久我慢 | トラックバック(-) | コメント(-)

永久我慢の狂想曲 CASE:浅川静菜8 

 明け方の空が白み始め、薄日が住宅街の隙間にちらほらと曙光をのぞかせてゆく。普段ならばまだ分厚いカーテンの内側で眠りの中にあるはずの少女は、沸き上がるオシッコの津波を堪えるために、薄いまどろみの中でなお戦い続けていた。
(………ッ、う~~~っ……!!)
「っは、っく……」
 もぞり、と寝返りを打つ静菜の首筋には、じわりと汗がにじんでいる。息を詰めてはわずかに身体を硬直させてそっと深呼吸をし、ベッドの上を落ち着きなく動き回る。
 タオルケットの下で脚がせわしなく動き、ぐりぐりとねじり合わされ、時折びくっと縮こまる。
 両手はしっかりとタオルケットの下でパジャマの上から股間を押さえ、緩急をつけながら脚の付け根をぎゅ、ぎゅっ、と握り締めていた。両手を余すところなく使って、ぱんぱんに膨らんだ膀胱を抱え込むような有様だ。
(…うぅう~~~……ッッ!!)
 声にならない苦悶を上げながら、少女は際限なく打ち寄せてくる尿意の波を押さえ込もうと呻く。両手で押さえたままの股間をベッドに押し付け、枕を軽く噛んでは熱い吐息をこぼす。
 ほとんど徹夜に近い状態のせいで、静菜の頭は眠気に支配され朦朧と霞んでいる。半分夢の中のようなまどろみに包まれながら、静菜は思うように我慢をすることもできないもどかしさに悶絶していた。
 ベッドの中での緩慢な前押さえや身体のよじりでは、効果的にオシッコを押さえ込むことも叶わず、『おトイレ』のような一時的な効果すらも与えられない。
 いや、すでに静菜の排泄器官は本来我慢できるようなレベルを超越してオシッコを溜め込んでいるのだ。……およそ、30数時間分のオシッコが、静菜の身体は猛烈な尿意を訴えている。もはやこれ以上の我慢は不可能に近い状況と感じられた。
(うく、はぅぅっ……う、ぅ、あ~~ッ……!!)
 閉じられた目の上で、眉が切なげによじられ、ぐっとくちびるが引き結ばれる。浅い眠りの中の無意識の動作が静菜の苦しみをはっきりと知らせていた。
 股間を、握り締めた手のひらごとベッドに擦り付け、くねくねと腰をもじつかせる。不恰好に突き出されたお尻は左右に揺すられ、まるでたぽんたぽんと擬音を響かせるようだ。静菜の強靭なオシッコタンクですらも、一晩という時間を経過によって許容量の限界を迎えていた。
(っは、くぅ、んうううっ……)
 手のひらに押さえつけられた下腹部は、圧迫と開放を繰り返されながらわずかに膨らんで見えるほどだ。横になり、仰向けになり、うつ伏せになり、1分と同じ体勢を続けられない静菜は、ベッドの上で身体をのたうたせていた。
 めくれあがったパジャマの袖や裾からは白い肌が露になり、二つ外れたボタンの内側からは、大胆に胸元がのぞいている。うっすらと汗の浮かぶ少女の肢体は、なまめかしく蠢き、まるで陣痛に苦しむ妊婦のようですらあった。
(うく……っは、はぁっ、は、ふぅっっ)
 ラマーズ法にも似た呼吸で、体内に抱え込んだものをなだめる静菜。ぎゅうっと前を押さえる手のひらはもどかしくもせわしなく股間を押さえ、複雑な動作で脚の付け根をなぞる。
(はぁ、はっ、ぁあああっ!!)
 びく!! と突き上がったお尻がクネり、さらに大きくベッドの上に持ち上がった。
 静菜は苦悶に顔を歪ませながら、うつ伏せになってシーツにぐりぐりと顔を押し付けた。ベッドの上を掻いた腕が枕を引っつかみ、無意識のうちに胸元へ引き寄せる。まるで――夜の夢の中で、拙くも自慰の果てに達したかのよう。
(っ、あ、ぅ、あっ)
 握り締めた枕をそのまま脚の間に押し付けて、少女の腰が震えだした。
 静菜の両足は躊躇わず大きな枕をぐっと股間に挟み、その感触に縋るように脚の付け根が強く閉じあわされる。
 まどろみの中で、静菜はついに――尿意からの解放の手段を見つけ出したのだ。
 枕の感触に安堵を得たように、ぎゅうっと締め付けられた内腿がぶるぶると震える。まるで解放を許されたオシッコが、そのまま枕へと吹き付けられ、染み込んでいくかのように。
(あ、あ、っ、あっ、ぉ……『おトイレ』ぇ……っ)
 最適なガマンの体勢を見出した静菜の身体は、意識のないまま『おトイレ』を始めていた。せり出していたおなかがぎゅうっと引き絞られ、身体の奥に膀胱が押し込まれ、限界ぎりぎりに達していた危険水域がまたいくらか上限を追加されて余裕を取り戻す。
 この期に及んでも、静菜の身体は一滴たりとてオシッコを漏らすことはなかった。わずかなおチビリもないまま、尿意をかたく飲み込んで、見事に静菜のオシッコは少女自身のおなかの中へと注ぎ込まれてゆく。
 少女の四肢が静かに脱力し、安堵に委ねられた。
 そうしてようやく、静菜の意識はまどろみの外に浮かび上がってゆく。






「んぅっ……!?」
 目が開いた途端、引きかけていた尿意の波が爆発的に膨れ上がった。
 自分のとっていた姿勢を自覚して、静菜は跳ね起きた。覚醒する意識と共に、きゅうっと下腹部が激しく震えてしまう。おとなしく下腹部の中に納まろうとしていた膀胱が、再び暴れ出した。
 静菜はたった今まで、夢の中に出てきた公園のトイレで、『おトイレ』をしていたところだったのだ。
「ふあぁああっ……っ!!」
(だ、だめ、今のは夢っ、……と、トイレじゃないから…、しちゃダメ、っ、ガマン、がまん…んん~~…ッ!!)
 猛烈な衝撃に静菜は思わず股間を握り締めた。すでに押さえ続けられた足の付け根は下着とパジャマに擦れて、わずかにひりひりと痛い。その些細な痛みもむず痒さになって、ますます尿意を加速させるのだ。
(ッ……しないの、オシッコっ……オシッコしないの、したくなんかないっ、オシッコなんか、どっかいっちゃえっ……!!)
 まるで、自分にはそんな器官はないとばかりの自己暗示。排泄という自然の摂理を真っ向から否定する、少女の健気な我慢。
 ぎゅっと身体を丸めたまま尿意がおとなしくなるのを念じながら、静菜はちらりと机の上の目覚ましを見る。
 現在時刻は、06:43。
 もう、起きる時間だった。
「はぁ……う……」
 苦しげな息の下で、静菜はゆっくりと、その事実を確認した。
 ぱんぱんに膨らんだ膀胱、酷使の果てにすっかり疲弊した括約筋。夢の中ですら、オシッコを許されない自分。
(……だめ、かも……っ)
 いくら否定しても、いくら違うと思っても、身体は執拗にそれを要求し続けている。これからその求めはさらにさらに激しくなる一方だろう。
 あと十時間以上これに耐え続けるのは、絶対に無理だった。このまま学校に行って、家に帰ってくるまでオシッコを我慢し続けるなんて、本当に気が狂ってしまうかもしれない。
(もう……っ……ちゃ、ちゃんとトイレしなきゃ……我慢できなくなっちゃうっ……!!)
 この際、壊れていようと関係なかった。
 水が流れてくれなかろう、汚れていようとなんだろうと、静菜がオシッコできるのは世界で唯一、この家のトイレだけなのだ。外のトイレでのオシッコができなかった以上、家のトイレを使うしかこの尿意から許されることはない。
(オシッコ出したいっ、オシッコしたい、オシッコ漏れちゃう、オシッコ出ちゃうっ……!!!)
 身体の全部が、ありったけの声で本当のオシッコを要求していた。
 『おトイレ』も、もう限界だった。きちんとしたオシッコのための場所で、本当のトイレで、半分でも、ちょっとだけでもいいからオシッコを出してしまわなければ、遠からず限界がやってくる。
「オシッコ……っ」
 破裂してしまいそうな尿意を抱え、静菜はベッドから身を起こした。信じられないほどおなかが重い。
 まるで、一番重い日の生理の時のようで――その気分の悪さにうんざりとしながらも、細心の注意を払って静菜は廊下に滑り出た。
(と、トイレ、トイレ……オシッコ、オシッコぉっ……)
 限界を超えた尿意を示す二つの単語だけを、ぐるぐると頭の中に浮かべながら、赤ちゃんのようにぎゅうぎゅうと前を押さえて静菜はよちよちと階段を下る。階段のすぐ横にトイレはある。故障が直っているわけではもちろんないだろうが、このさい、もうオシッコができれば何でもよかった。
(オシッコ……オシッコおしっこオシッコ……っ!!)
 思考も、言葉も、静菜の全部がなにもかも、『オシッコ』に支配されている。なんだか全身を膀胱にして尿意を受け止めている気分だった。今なら冗談抜きで、つつかれたらおなかが破裂してしまうに違いない。
 だが――心底間の悪いことに、静菜はまだ、オシッコを許されなかった。
(オシッコぉ……っ♪)
 階段を降りきった静菜が、最後のわずか3mの距離を這いずるようなへっぴり腰で、ふらふらとトイレのドアまで駆け寄り、歓喜と共にノブを握ったその瞬間。
 母親が肩越しに声をかけてきたのだ。
「あら、どうしたの? トイレ?」
「っ!? …え、あ、えっと……」
 猛烈な我慢の最中で、静菜は言葉を忘れていた。
 ぎゅうっとパジャマの前を押さえ、脚をもじつかせ、膝を擦り合わせる――我慢の仕草が押さえ込めない。鋼鉄の意志も、もはや脆く崩れていた。
「やあね、寝ぼけちゃって……だめよ、使えないんだから。そんなにトイレ行きたかったの?」
「あ……っ」
(や、やだっ、お母さんのイジワル……っ!!! が、我慢してるのにっ、昨日からずっと、オシッコしないでガマンしてるのに……っ!!!)
 まさに今、静菜はオシッコのできる場所の前に立っているのだ。それなのに、母親の声は無常にも、静菜にそれを許さない。
 母親にしてみれば、迂闊にも壊れたトイレを使おうとしてしまっている娘を案じた言葉だったが、それは静菜にとって事実上のトイレ禁止宣言だった。ドアを開けることを禁じられ、待望のトイレを目の前にしてきゅううう、と静菜の我慢が激しくなる。
(オシッコ、オシッコっ……すぐそこにトイレあるのにっ、トイレ、オシッコできるのにっ……!! やだぁ、イジワルしないで、トイレ行かせて……ぉ、オシッコ……させてよぉっ……!!)
 静菜の女の子の心は、必死になって溢れそうになる恥ずかしい液体をせき止め、恥骨の上の満水ダムを押さえ込む。
「どうしたの? そんなに我慢できないなら、お隣さんに貸して貰えばいいじゃない」
「ち、違っ……ちがう、のぉ……っ」
(オシッコじゃない、オシッコダメ、オシッコ出ちゃだめぇ!! っ、お母さんの前で、おもらしなんでダメェ……!!!)
 ドアノブを握ったまま、硬直し続ける静菜に、母親はきょとんと首を傾げる。
 静菜は、震える声で答えるのがやっとだ。なにしろ、もう身体のほうはオシッコをするつもりでいる。壊れていても、ぐちゃぐちゃに汚れていても構わないから、世界でたった一つのトイレに駆け込んでオシッコを出すつもりでいるのだ。少女の体は勝手に準備を始め、イケナイ感覚がきゅうっと股の間に降りてゆく。
 それを否定するので精一杯で、とてもではないが満足な受け答えができようはずもない。
「だ、だいじょうぶ、学校でするから……っ!!」
「そう? お隣さんも遠慮しなくていいって言ってくれてるから、無理しちゃダメよ」
「う、うんっ……でも、平気だから……!!」
(ま、間に合わないっ……!!! そんなとこまでもう間に合わないよぉっ!! だめ、だめだめぇえっ!!!)
 静菜はそう言い捨て、階段を一目散に駆け上がって部屋に戻った。
(っ、出ちゃう、出ちゃうっ、でちゃうううう!!!)
 震える手で後ろ手に鍵をかけ、パジャマの前をぎゅうううっと引っ張り上げる。
 それはちょうど、限界ぎりぎりでトイレに駆け込んだ少女が、最後の最後のプライドに縋って懸命にオシッコの準備を始めるのと同じ仕草だった。
「っは、はあっ……」
(や、やだっ、だめ、だめっ……)
 しかし、静菜が全力疾走で駆け込んだのは階段横のトイレではない。階段を駆け上がった先の自分の部屋だ。どうやっても、オシッコが許可をされるわけのない場所だ。
 便器の代わりにフローリングの真ん中で深々としゃがみこみ、静菜は必死になってそのまま『おトイレ』を始めた。
 弾けるほどの猛烈な尿意と、同時にきゅうっと絞られるオシッコの出口。
 パジャマの上からなりふり構わず、静菜は『おトイレ』をする。
 朝一番の『おトイレ』は、一晩中我慢し続けたオシッコを済ませるため、普段よりも数段激しいものとなった。フローリングの上でぎゅうぎゅうとねじられる下腹部と、オシッコの出口を激しく揉み上げる両の手のひら。猛烈な尿意を押さえ込むための儀式は、数分にわたって続く。
(ううぅ、だめ、トイレ、オシッコっ……ぁあああぅ……)
 オシッコの代わりに、『おトイレ』をして。
 静菜は、ありったけの力でトイレをガマンし続けた。

[ 2008/09/28 21:11 ] 永久我慢 | トラックバック(-) | コメント(-)

永久我慢の狂想曲 CASE:浅川静菜7 


「…………」
 ごろん、と寝返りを打ち、静菜はすっかり暖まってしまった枕に頬を押しつける。
 できるだけ下腹部に負担が掛からない仰向けの姿勢から、身体を横にしたせいで、ぞわぞわっとお尻の上あたりを鈍い痺れが通り抜けてゆく。
(ぅ……)
 ちらり、と見上げた目覚し時計は、常夜灯のオレンジの光の中で、「00:36」の文字を点滅させている。
 お風呂に入って汗を流し、パジャマに着替えて部屋に戻り、気になるおなかを抱えたままベッドに横になって1時間。じわじわとおなかを圧迫するオシッコの重みは、静菜の下半身を間断無く、執拗に責め続けていた。
 一旦は心ゆくまで『おトイレ』を済ませことで落ちついていた下腹部も、夜の静寂の中で再び活性化をはじめている。
「眠れない……よぉ」
 枕にぐりぐりと顔を押し付けて、込み上げるあくびをあふ、と噛み殺す。
 いつもならもうとっくに夢の中の時間だ。眠気が無いわけではないのだが、オシッコのことが気になって目がさえてしまう。
 これまで、家の中でオシッコができないことなどなかった。家のトイレは静菜にとって世界で唯一の『オシッコのできる場所』なのだから、ためらうことなくトイレに立つことができたのだ。
 こうしてベッドの上で、眠気と戦いながらオシッコを我慢するような経験は、静菜にはない。
(……うぅ)
 すぅ、はぁ、と深呼吸をして気分を落ちつける。
 ちくちくとおなかの内側を刺激する濃縮された尿意は、忘れようとしてもなかなか忘れられない。ちくたくと時を刻む隣の部屋の秒針の音までがうるさいくらいだ。
 前にもこんな事があった、たしか、受験の前の日の夜だ。明日が本番、というプレッシャーに、静菜は今日と同じように眠れなくなってしまったのだ。焦っても気分が高まるばかりで、横になっているのがまどろっこしく、何度も何度も寝返りを打った。
 時計の針だけがゆっくり進んでいって、いつまで経っても目は開いたまま。
(あの時は確か、お母さんにお願いして、ホットミルク飲んだら、眠れたんだっけ……)
 瞬間、下腹部できゅうと膀胱が身をよじる。
 もはや、ちょっとした想像だけでも尿意の呼び水になってしまうようだった。慌てて楽な姿勢になりつつ、おなかをさすってむずがる下腹部をなだめる。おなかの膨らみはさらに大きくなり、パジャマの下腹部を緩やかに持ち上げていた。
 そっと撫でるたび、下腹部どころかおヘソの上近くまでじんっ、と鈍い痺れが走る。つまり、静菜の膀胱は小さな身体の中でそこまで大きく膨らみ、オシッコを溜め込み続けているのだ。
「う、あ、……だいじょうぶだいじょうぶ、平気っ……」
 まるで早産を気にする妊婦のようだ。そんな静菜のおなかの中で、排泄欲求は不安定に揺れ、尿意の安定期には程遠い。
 あれから何度か、軽い『おトイレ』をしているのだが、その効き目は芳しくなかった。そもそも物理的に不可能なあたりまで我慢をしているのだから当然と言える。いくら強靭な静菜の排泄器官でも、限界というものはあるのだ。
(はぁ……)
 ぼんやりとまどろみかけた意識が、下腹部の圧迫感によって引き戻され――閉じかけたまぶたは、ぴくりとそれに抗する。
 眠ってしまいたいけれど、そうなれば本当に我慢を続けていられるか不安で、けれどこの尿意の我慢から一時でも解放されるには、せめて夢の中に逃げ込んでしまうくらいしか方法がない。
 しかし、尿意は一時も休まることなく、一定の強さで静菜の下腹部を炙り続けているのだ。横になった姿勢ゆえに激しく鋭い大波にこそならなかったが、逆に込み上げてくる尿意は深く、途方もなく、長い。まるで高潮のように、ゆるゆると高まり続けては際限なく昇り詰め、いつ終わるとも知れない。
 わずかな身じろぎですらオモラシに繋がってしまうような、不安感を抱えながら、静菜はじっとそれを絶え続けるしかなかった。





 気がつくと、静菜は小さなドアの前にいた。
 見慣れたドアは、静菜の家のトイレのドアであり、ドアノブの下には自動販売機のような、硬貨の投入口が開いている。
 使用料は1回1000円だった。
「――た、高いよぉ」
 そうは思うが、壊れてしまったトイレを直すのに、たくさんお金がかかってしまったのだ。有料になってしまうのも仕方がない。
 ここのほかにトイレはない。静菜は仕方なしにお財布を取り出して、1回分の使用料金を入れてゆく。
 500円、600円、700円……
 ちゃり、とお財布の中身が軽くなる。
 残りの十円玉が9枚、ドアの前にある金額は900円だった。
 10円、足りない。
「あ、あれ? ちゃんと用意してきたのに――おかしいなぁ」
 慌ててお財布をひっくり返すが、中身は全部で990円。トイレの使用料にはやっぱり10円足りない。
 静菜はたまらずにドアを引っ張った。がちゃがちゃ、とドアが揺れる。
「うぅ、いいじゃないっ……せっかく直ったんだから、10円くらいおまけしてよっ……!! 全部じゃなくても、は、半分だけでもいいから、オシッコさせて!!」
 確かに1000円はないけれど、でも990円分は、オシッコができてもいいはずだ。そう思って静菜はドアを激しく叩く。
 がん、がん、というノックに耐えかねて、トイレのドアがまっぷたつに折れてしまった。
 その奥にはすっかり綺麗になった洋式便器が――静菜のためのトイレが、用意されている。
 喜び勇んで、中に掛けこみ、ぎゅうっとパジャマの前を抑えた瞬間――






 静菜ははっと目を開けた。
 途端、股間に走る猛烈な電流が、静菜の意識を無理矢理に覚醒させる。
「やぁっ……!?」
(で、でちゃ……っ!?)
 緩みかけていた排泄孔が、内側からの圧力に負けるかのようにぷくりと膨らみ、熱い雫を吹き上げようとする。股間には下着の股布がぴったりと張りついて、わずかな刺激にも反応せんばかりにひくひくと痙攣していた。
 いつの間にか姿勢はうつ伏せになり、自分の体重が股間を圧迫していたのだ。膨らんだ下腹部がベッドに押しつけられてぐっと潰される。膀胱を絞り上げるような尿意は、それが原因だった。
「ぁあっ、くううぅぅっ……!!」
 夢の中とは言え、家のトイレに入りかけていたのだ。静菜の排泄器官は完全に排泄モードとなり、膀胱はきゅうきゅうと収縮運動を繰り返している。ほんの少し力を緩めさえすれば、たちまちのうちにオシッコを迸らせそうになっていた。
 だが、目が覚めたことによって自律神経が活性化し、静菜の排泄孔はなかば強制的に括約筋を絞り上げ、オシッコの出口を閉めつける。
 その結果、行き場をなくしたオシッコは激しく少女の下腹部で渦巻いた。
「っふ、は、ぁっ、ぁ、ぅ、あっ」
 猛烈な尿意の奔流に、ぱくぱくと口を開いて声にならない声を上げ、静菜はまるで、何かに執り憑かれたかのごとく、激しく股間とおなかをさすった。
 太腿の付け根に手のひらを押し込んで、引きつる排泄孔を直接指でぐぅっと圧迫し、全身の力で暴走するオシッコを強引に塞き止める。
 オシッコの出口を強く塞ぎ、静菜はかろうじて一息ついた。
「はぁ、はぁっ…はぁ、はぁー……っ」
 荒くなった息をゆっくりと整えながら、ようやく本来の機能を取り戻し始めた括約筋に安堵しながら、静菜はどうにか最悪の事態だけは回避したことを理解した。
(や、やば……あのまま寝てたら、出しちゃってたかも……)
 予想外の伏兵に脅かされ、いまだ高鳴り続ける胸を撫で下ろし、落ち着きのない下腹部を静かに撫で、ゆっくりと深呼吸。
 いったん暴発しかけたオシッコを再度押し止め、屈しそうになった心を落ちつけるには、まだかなりかかりそうだった。
(良かった……目、覚めて……)
 できるだけ下腹部を刺激しないよう、姿勢を整える。
 どうも、うつ伏せになっていたのは知らず、脚の付け根に丸めたタオルケットを挟んで、ベッドに擦り付けようとしていたかららしい。
 もう一度仰向けになった静菜だったが、荒くなった息はいつまで経っても収まらない。それどころか、ちくちくと鈍い痛みが股間で疼き続け、排泄孔には細長い何かを突っ込まれたような異物感まで響いてくる。
 一度目を覚ましたことで、高まった尿意は、眠りに落ちるよりも張るかに存在感を増していた。
(や、やだ……トイレ……っ)
 我を取り戻した静菜の脳裏に――あと数歩のところまで迫っていた、夢の中のトイレが思いだされる。
 もしあのまま起きずに夢の中のトイレでパンツを脱いでいれば、オネショというかたちでオシッコを済ませることができたのかもしれない。夢の中とはいえ、静菜がオシッコをしようとしていたのは外の『おトイレ』ではなく家のトイレだったのだ。恐らく問題なくおなかをすっきりさせることができたに違いない。
 だが。
 それは全て、夢の中のことだ。
 今はまた、事情が違う。まったく身動きのできない状況で、静菜はぎゅっと目を閉じ身体を丸めて、長い長い尿意に耐え続けた。
 いつまでも途切れることのない尿意を無視して眠ることなど、不可能に近い。まる1日に及ぶ長い長い我慢の果て、疲れきった身体にやってくるまどろみに包まれては、反射的に緩みかけた下腹部を締めつけてしまう――そんな永久運動にも似た時間を、それこそ気の遠くなるほど繰り返して――とうとう静菜はそのまま朝を迎えたのだった。

[ 2008/07/29 23:12 ] 永久我慢 | トラックバック(-) | コメント(-)

永久我慢の狂想曲 CASE:浅川静菜6 

 当初の予定の帰り道を大きく迂回し、二つ先の交差点と歩道橋を回って、静菜はどうにか大通り側の公園へと辿り着く。
 この公園は前の学校通学路の帰り道だったこともあり、静菜も昔はよく遊びに来ていたものだ。ジャングルジム、砂場、鉄棒、シーソー、滑り台――ペンキは塗り変えられたりしていたが、ありふれた設備のどれにも、懐かしい記憶がある。
 だが。今夜静菜が目指したのはそれらの遊具のどれでもなく、これまで近づくこともなかった、公園の片隅の小さな建物――公衆トイレだった。
「……うぅ……」
 レンガ造りの建物の入り口で、しばしためらいがちに周囲を見まわしてから、静菜はそろそろとその中へ足を踏み入れてゆく。
 じじ、と点滅する薄暗い照明が、トイレの内部に複雑な陰影を造っている。
 正直に言えば、公衆トイレとしてはあまり綺麗な部類ではなかった。
 床も汚れ、窓には蜘蛛の巣がびっしりと張っていて、さらによく耳を澄ませば虫の羽音まで聞こえた。普通の女の子なら、よほど困っていない限りまず使うことは考えないような酷い場所だ。
 まして、家の外のトイレの使えない静菜にとっては、ここはこれまで無いも同然だった設備である。入るどころか近づくことすらなかった未知の場所でもあった。
 3つ並んだ個室のうち、一番手近な場所へと慎重に歩みを進める。
 個室の中はどれもしゃがみ込んで使用する和式のタイプであり、洋式のトイレに慣れた静菜にとっては、そういう意味でもあまり好ましい場所ではなかった。
「……えっと……」
 とりあえず個室に入り、後手に鍵をかけ、もじもじと足をすり合わせながら、困惑の中で静菜は視線を落とす。
 ここで――“なに”をするべきか。
 静菜は迷っていた。
 いつもの静菜ならなにも迷うようなことはない。ためらうことなく股間に手を添えて、ぐいぐいと尿意を和らげ、落ちつかせるための『おトイレ』をするまでだし、それ以外にすることなどない。
 だが――
(……どうしよう……)
 こうして冷静になって、明日まで直らない事が確実の家のトイレと、もう延々と何時間も我慢を繰り返してすっかり固く張り詰めている下腹部のことを考えると、果たしてそれだけで本当に大丈夫なのか、という気分になってくる。
 確かに、ここで『おトイレ』をすれば、またしばらくは我慢も持つだろう。だが――家のトイレが使えない以上、根本的な解決にはならないはずだ。
 いくら静菜が我慢強いとは言っても、それこそあと10時間以上もオシッコを出さずにい続けられるのかどうか。これまで何度も乗り越えてきた尿意を思い出してしまうと、本当にそれが可能なのかどうか疑問に思えてしょうがなかったのだった。
 外のトイレを静菜が本来の用途で使おうとするのは、いったい何年振りのことになるのだろう。『おトイレ』として、オシッコを我慢するのに使った事はあっても、静菜にとって家以外のトイレは排泄場所としての対象になっていない。
(うぅ……っ)
 しかし、下腹部にせり上がる尿意はそれを上回っている。
 今日のお昼から狭い膀胱に閉じ込められたまま、ぐつぐつと煮詰められた尿意は、段々と鋭くなって静菜の股間を疼かせる。
 オシッコは出したい。……むしろ、したくてたまらない。凝縮された恥ずかしい熱湯は、収まることなく静菜の下半身を占領し、切ないほどの排泄欲求を訴えていた。
「はぁ……ぅ」
 さりげなく腰をくねくねと揺すってみたり、ぎゅっと両手を膝で挟んでみたり、体重を左右に散らして、床のタイルをきゅきゅっと鳴らしてみたり。小さな我慢の仕草を繰り返してみたが、遠慮がちな我慢では中途半端もいいところで、かえって尿意を刺激してしまうばかりだった。
(やっぱり……しちゃおうかな、トイレ……)
 『おトイレ』ではなく、トイレ。
 長い長い逡巡の末に、静菜はようやくそう決断した。
 ざわざわと落ち付かない下腹部をなだめつつ、自分に言い聞かせるように、小さく口に出して繰り返す。
「そうだよね……別に、普通のことだもんね……。みんなちゃんとしてるんだし」
 静菜は覚悟を決めて、目の前の和式便器に向かい、下着に手をかけてしゃがみ込んだ。祖母譲りの潔癖な理性がわずかな不快感になって胸をよぎるが、あえて無視する。
 そして静菜は、トイレの上でオシッコの準備を整え終えた。
 むき出しになった股間をひんやりとした空気が撫で、おなかのなかでぐつぐつと沸騰するオシッコを刺激する。トイレの上でオシッコをするための姿勢を整えただけあって、きゅうっ、と張り詰める切ない感覚はあっという間に押し込められていた下腹から滑り降り、出口のすぐ近くの脚の付け根まで達する。
 けれど。
 さっきまで激しく身悶えしていた排泄孔は、ぴたりと口を閉ざし、止まってしまっていた。
「ふうぅっ……くぅぅんっ……」
 かすかな吐息が個室の中に響く。静菜はそわそわと足の位置をずらし、おしりを上下左右に揺り動かした。膀胱を膨らませるオシッコがおなかのなかでたぷたぷと揺れ、背中にまでその重みが伝わってゆく。
 だが、そうしてずしりと重い疼きが下腹部を支配しているというのに、静菜の股間は静かなままで、わずかの雫をこぼす様子もない。
 オシッコは、出てくれなかった。
「んぅっ……」
 静菜は股間に力を入れ、下腹部をさする。手のひらには石のように張り詰めた膀胱の感触が伝わってくるが、焦れば焦るほど股間の排泄孔は硬く口を閉じてしまう。
 普段に比べてもとんでもない量のオシッコが詰まっているのは間違いないというのに、静菜の身体は言うことを聞いてくれなかった。
 こんな時でも、静菜の下腹部はきっちりとその役目を果たし、排泄孔にまるで固いフタをしたかのようにぎゅっと口を締め付けている。しかしその皮一枚奥では、オシッコを詰めこんだ肉の管が熱い雫を吐きだそうとぴくぴくと震えているのだ。
(出てきてよぉ……せっかく決心したのにっ……さっきまであんなにオシッコしたかったのにぃっ……)
 これでは、まるで口を全て塞いだティーポットを火にかけているようなものだった。ぐらぐらと沸き立つ尿意は密閉された容器の中で際限なく圧力を高めてゆく。途方もない尿意は静菜に終わりのない苦痛を強いているのだった。
(……ここだって、ちゃんとオシッコしてもいい場所なのに……っ!!)
 きゅう、とあそこが疼く。
 きりきりと高まる尿意の波が、静菜の脚の付け根をこすってゆく。
 ――もう、限界だった。
(……やっぱり、わたし、お外でオシッコできないんだ……っ!!)
 そうして、諦めにも似た答えを悟ると同時。
「ふうぅっ……っく…!」
 静菜はたまらず、トイレのタンク指を伸ばしていた。
 激しく流れ落ちる音消しの水の音をバックに、静菜は剥き出しの股間に両の手のひらをかさね、ぎゅううっと握り締める。
「ぁあああああ……っ」
 高まり続ける尿意と、いつまでも出ないオシッコに耐えかね、とうとう静菜は尿意を解決するためのもうひとつの手段――『おトイレ』をはじめてしまった。
 硬く張り詰めた下腹部、ジーンズのあとをくっきりと残したおなかのを少女の指が『ぐいっ』と押さえ込む。重ねて押し当てられた両手はきつく排泄孔を塞ぎ、酷使され続けた括約筋にわずかな自由を取り戻させた。
「ふ……っふ…ぅっ…」
 体重を左右に揺らし、ぎゅうぎゅうと股間をさするたび、ボロいタイルの床がぎぃぎぃと軋む。活性化したアソコを鎮めるための儀式は、どこか荘厳、崇高にすら感じられた。
 壁すらも揺らしかねない大胆なオシッコ我慢は、まったく人気のないこの場所だからこそ許されたものだろう。恥をかなぐり捨てての『おトイレ』は、あまりにも激しいものだった。
「ぁ……はぁああ……」
 少女の唇から甘い響きを備えた吐息がこぼれる。
 解放感に身を委ねた静菜の下半身を、これまでの緊急避難的な我慢とは比べ物にならないほどの満足が包み込んでゆく。
 本来なら、これは限界に近い尿意を抱えながらも、トイレという場所で排泄を行なうことができずいる、苦行にも等しい悲劇である。
 だが、静菜にとってはこれもまた『おトイレ』という排泄欲求からの解放だった。
 むしろ、ここでオシッコを済ませることができなかった――外のトイレを使えなかった静菜にとっては、いまや限界に近い尿意から自由になるたったひとつの方法なのだ。床がひとつ軋むたび、静菜は深い吐息とともにおなかの奥で煮え滾る尿意を飲みこんでゆく。
「ふぅぅ……っ……あ、あっ、ぁ……っ」
 ぐいぐいと抑えられる股間は、マッサージにも似た効果で磨耗した括約筋を回復させ、もはやどんな余裕もなく膨らんだ膀胱を丁寧に揉み解し、他の臓器の入るスペースをほんの少しだけ押し広げて、さらにオシッコを溜められるだけの余裕を作る。
 これは、もはやまぎれもなく排泄行為だった。
 静菜はこの『おトイレ』によって、自分のおなかの中にオシッコを済ませていると言っても過言ではない。
「っふぅ……はぁ……」
 静菜の『おトイレ』は、実に20分以上もの時間に渡って続いた。
「ふぅっ……すっきりしたぁ……」
 爽快感すら溢れさせる声で安堵の息をこぼし、静菜は公園のトイレを出る。
 無論の事ながら、静菜のおなかの中を占める大量のオシッコは一滴も外に排出される事はない。だが、なにしろここはきちんと設備の整った『おトイレ』だ。誰の目も気にすることなく『おトイレ』に入った女の子が、すっきりできないはずがないのだ。
 ちゃんと我慢できるようになるまで、静菜はきちんと『おトイレ』を済ませて、すっきりしていなければならなかったのだ。
 実際、『おトイレ』でたっぷりと我慢を済ませ、幾分余裕を取り戻した静菜の尿意はかなりのレベルまでやわらいでいる。今回の『おトイレ』をしているうち、はじめは見るのも嫌だった公衆トイレは、静菜にとって大切な心のよりどころにすら格上げされていた。
「……あんまり遅くなっちゃうと、お母さん、心配するよね」
 実はまだ、公衆トイレには後ろ髪を引かれるものがあったのだが――かるくそわそわと地面をこするつま先をできるだけ気にしないようにして、静菜は公園を後にする。
 気付けば11時近くになっている時計を気にしつつ、静菜は再び、トイレの無い我が家への帰路についた。

[ 2008/07/29 23:11 ] 永久我慢 | トラックバック(-) | コメント(-)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。